さてさて、引き続きセカンドシーズンです。
セカンドシーズンはファーストシーズンに比べて話がさらに粗くなったような印象ですが、その分お話のぶっ飛び度、バラエティ度が上がった感じですね。

あと、文字通り一皮むけたマーフィーがお洒落さんになって、若干キャラも変わったように感じます。
というか、本来のマーフィーのキャラが前面に押し出た感じなんですかね。
シーズン1でハモンド中尉が早々に死んでしまうので、マーフィーも人類の希望と思わせて早々に死んで視聴者を絶望にたたき込む展開になるのかと心配しましたが、どうやらこのマーフィーがほぼ主役と言っていいお話なんですね。
最初から結構マーフィーにはズキュンときてたんでこれは嬉しい展開です。
というか、もうマーフィーが死んじゃったらこのドラマは見続けられないってくらいマーフィーの虜になってしまいました。

ちなみにシーズン2は市民Zの出番が極端に少なくなりました。


第1話 追われるマーフィ
ファーストシーズンで核ミサイルが発射され、全員全滅かと思いきや、みんな助かるという驚きの展開です。
カサンドラなんて爆心地にいたと思うんですが無傷だし。
そして前回結構重傷にみえたドクもあっちゅーまに回復しちゃいます。
すっかり女の園で洗脳されたかのように見えたアビィもコミュニティが崩壊した途端に正気に戻るという、案外簡単というか、このあたりは急に雑にあしらわれた感じです。
マーフィーは脱皮して肌が青くなり、新しい衣装を身につけてすっかり怪しい詐欺師風です。でも外国人ってこういう派手なスーツとかよく似合いますよね。
マーフィーがぞろぞろゾンビを引き連れて買い物に興じる姿がなんだかすごく楽しそうでツボります。

市民Zもおしまいかと思いきや、対核兵器によって無事難を逃れる訳ですが、結構間近で閃光を浴びてるように見えましたが無傷です。
かなり機器が壊れちゃったのが残念ですね。今までのように遠隔操作が出来なくなってしまいました。

焦る市民Zがマーフィーに懸賞金がかかっているなんてデマを飛ばすからマーフィーは賞金稼ぎに追い回される羽目になります。このあたりはなかなか面白い展開です。

で、マーフィーはマーフィーでストリップバーでゾンビにしょーもないレズビアンショーなどを仕込んだり、相変わらずの最低男っぷりを発揮しています。
カサンドラは完全にマーフィーの下部と化してしまいましたね。

というか、マーフィーは仲間の無事とかまったく気にならないですかね。
彼の仲間に対する心情がまったくわかりません。
人類の希望とされる自分を最優先するためなら、核兵器による他の犠牲はしょうがないという考え方は、ファーストシーズンの母娘の食料を奪うときと同じ理屈というか、このあたりはめちゃめちゃドライ過ぎて怖いです。

新レギュラーとして賞金稼ぎバスケス登場。結構いい男です。


第2話 ハンターたちとの攻防
マーフィーの行くところ行くところ、家来のようにゾンビたちが付き従うという絵面が面白くてたまりません。ひとりになりたい気分のマーフィーがつねにまとわりつくゾンビたちに愚痴を言うあたりも楽しいです。
ゾンビにすっかりもてもてマーフィーですね。

しかし、目の前でドクが殺されかけてもまったく助ける気配がなく、マーフィーはドクに対しては友情を感じはじめているのかと思ったのに、あまりに薄情なような。
おまけに唐突に自殺未遂などを起こしたり、いろいろ不安定なマーフィーです。
(マーフィーが自殺しようとする際に一瞬女性の姿がワンカット入るんですが、あれは何の伏線?)
いろんなことに不信になって逃げ出した割には、またもやロベルタたちとカリフォルニアを目指すのがよくわかりません。
そしていつのまにかバスケスが仲間入りしているのも謎です。

そうそう、ここでマックが退場になります。こんな所で? という残念な死に様です。このドラマ、レギュラー男性陣の死に率高いですね。

アディは直後はマックの死を悼んでいましたが、あまり引っ張らなかったですね。というか、マックの死を見るのが耐えられなくて女の園にとどまろうとしたのに、実際マックが死んだら随分あっさり立ち直るし、彼女のトラウマはなんだったんでしょう。


第3話 ゾンビロード
今度はいきなり『マッド・マックス』みたいな展開です。
いや、正直マーフィーがいればもうゾンビは怖くないじゃんと思ってたんですが、ブラスターみたいな知恵もあり走るのも速いゾンビ相手だとマーフィーの力が及ばないという設定が加わりました。
まあ、そうでもないとスリルってもんがまるでないですからね。
マーフィーがカサンドラにゾンビ草の煙を与える所など、なんだか妙にエロティックでドキドキします。


第4話 ゾンビウイルス
今度は植物ゾンビ登場です。
マーフィーは植物ゾンビたちと感覚がリンクするようで、彼らの痛みを一緒に感じるようです。
そんなこんなで徐々にゾンビたちに感情移入していくマーフィー。彼はこのままゾンビ側に行ってしまうのか?ってところがミソです。
マーフィーを追うクリアン博士が再登場。彼だけが核爆発の影響で火傷を負っています。


第5話 緊迫の中で
ウィスコンシン州にはチーズパレードなるお祭りがあるんですね。チーズの扮装をしたゾンビたちが面白かったです。
巨大チーズに押しつぶされるゾンビのギャグがややしつこいです。

ファーストシーズンでマーフィーと関係を持ったセレナが臨月状態で再登場。マーフィーと関係を持ってどれくらいの日数がたったのか知りませんが、もう臨月状態っておかしくないですか? そこは誰もつっこまず、マーフィーも素直に自分の子供だと認めます。
マーフィーの抗体の影響で成長が促進してるなら、一応そういう説明があるといいんですが、そのあたりは「なんとなくわかるっしょ」って感じで流されます。
このセレナはなかなか面白い女性でしたが、あっという間に退場です。まあ、このままマーフィーと夫婦状態ってなんかちょっと違うって気もしますけどね。というか、吹き替えのセンスなのか、お互いを「マーくん」「レナレナ」と呼び合うあたりはちょっと気持ちが悪いです。
マーフィーが意外に子煩悩だったのに驚きです。おまえそういうキャラだっけ?

マーフィーの娘が誕生するシーンは東方の三博士みたいなゾンビや動物ゾンビがぞろぞろ集まってきて、まんまキリスト誕生みたいで面白かったです。
マーフィーは娘に母親の名前をつけますが、マーフィーと母親の関係も何か意味があったりしますかね?


第6話 ゾンビベイビー
もはや、マーフィーの番犬状態のカサンドラ。なんかちょっと危ない関係過ぎないかと思います。
なんで、このあたりで退場してくれて正直ちょっとほっとしたかなー。これまでレギュラー男性陣ばかりが退場してましたが、ここにきてはじめてレギュラー女性陣が退場ですね。
10Kは可哀想ですが、ここでマーフィーとの対立がはっきりするあたりは悪くない展開です。
正直、10Kってご都合主義的に活躍する以外、面白みがあまり感じられないので、マーフィーとの対立は彼にとってもいい立ち位置だと思います。

赤ん坊も次回再会するときは、どんな状況になるのかが楽しみですね。

今回はリンカーンコスプレゾンビ集団がよかったです。


第7話 ミシシッピー川を渡って
ミシシッピ川を渡り、10Kと離ればなれ。
このあたりにゾンビ奴隷を扱う商人がいるというのが、土地柄を感じます。
再びセミレギュラー武器商人ふたり組登場。裁判シーンといい、この回はかなりギャグですね。


第8話 ゾンビマニアの興奮
この回はかなり面白かったです。
『ゲームオブスローンズ』の原作者ジョージ・R・R・マーティンが本人ゾンビ役で出演してたり、「重要人物なのに逃がしすぎじゃないか?」とぼやくバスケスとか、ばらばらになって探そうと言うロベルタに「なんで別々に行動するの? やだなー」とぼやくドクなど、メタ的台詞も多くて笑っちゃいます。

ゾンビコレクターの男がいかにもそれっぽい感じでいいキャラしてました。
マーフィーにチョイスしたあの服はどういうコンセプトなんでしょうかね。なんかドラキュラ伯爵っぽい服装でしたけど。
この世界では普通にロメロのゾンビとか認知されているっていうのも珍しいです。『ドーン・オブ・ザ・デッド』のポスターを前に、お決まりの「消費社会のうんちゃらかんちゃら」みたいな蘊蓄を語り出し、マーフィーに「ああ、それな」的な態度をとられて、かちんときて電流を流しちゃうあたりもおかしかったです。
(このときもマーフィーの母親の話題が出ますが、やっぱり何か伏線的な意味があるようなないような)

マーフィーは「俺はホラー映画のコアなファンじゃない」と言ってましたが、キース・アランはゾンビものの脚本も書いてるくらいだから、かなり好きなんじゃないでしょうかね。

そうそう、マーフィーがついに脳みそを食べちゃいました。なんか人間としての一線を越えちゃったような気がしますが大丈夫でしょうか。というか、この世界のゾンビは脳みそ好きなんですかね? なんだか普通に体に食らいついていたし、特にバタリアンみたいに脳みそ狙いという感じでもなかったんですが。

マーフィーが10Kに噛みつこうとしてカサンドラを巡る確執が表面化するふたりのやりとりが良かったです。
というか10Kの言う通りマーフィーが人類の希望だとしても、その抗体で結局ゾンビ化が完全に抑制されている訳でもないし、彼の変化を見る限り、彼の血からワクチンを作るのは却って危険な気がするんですけどね。


第9話 ロズウェルの空
異色の回です。UFOネタなのも土地柄ですね。
ついにエイリアンゾンビまで登場するのかーと思ったんですが、結局すべて人間の仕業だったんですね。残念。


第10話 迫り来る“ゾンビ津波”
ネイティブアメリカンも登場します。
ここでトリップしたドクが幽体離脱してゾンビを倒すというぶっとび技が登場します。なんでもありか!
マーフィーがゾンビの群れを助けようと思わず飛び出したり、ますますゾンビへの感情移入度があがっております。やっぱりマーフィーはゾンビの王になってしまうんですかね。
ロベルタの言う通り、これまで彼の為に命をかけた仲間を考えて人間側にとどまってくれるといいんですけどね。


第11話 危険なゲーム
今回は密室ミステリーな趣。本当、いろんな趣向をぶっこんできますね。
でも、はっきりいってマーフィー護送グループがマーフィーを撃つ訳がないので、犯人がサラリーマン集団なのははっきりしている訳ですし、サラリーマン集団のメンツもよくわからないんで、犯人がわかったところでまったく意外性もありません。

それよりマーフィーが気絶している間にどんどんゾンビが引き寄せられたのは何を意味してるんでしょうかね。
そしてマーフィーの血を飲んだ男は、あっさり死んじゃいましたが、あのまま蘇っていたらどうなってたんでしょう。単にマーフィーの奴隷になるだけですかね。

アディがなんだかレズビアンっぽさを臭わせていたのもなんだったのかわかりません。

そうそう、このセミナーのリーダーが、マーフィーたちの印象を語りますが、洞察力ありすぎです。


第12話 ゼロズの女王
のっけから、マーフィーがみんなに支えられながらゾンビから逃げてる理由がよくわからないのですが、もしかしてまだ前回の傷を引きずってるってことなんですかね?
でも、ゼロズに捕まってからはぴんぴんしてるし、よくわかりません。
そんなこんなでマーフィーがメキシカンな衣装に着替えてまたまたお洒落さんです。
今回はレギュラーメンバー全員がメキシカンで「あたしたちギラギラしてる」って台詞に吹きました。
この回は第13話へと続きものになりますが、バスケスの拷問シーンがやけに多いですね。
クリアン博士が再び登場。これまでちょいちょい登場していたエスコルピオンやゼロズの全貌がわかります。


第13話 Zワクチンの効き目
エスコルピオンがいろいろタフ過ぎです。
まあ、それはともかく、マーフィーの奴隷と化すワクチンのはずが、逆にマーフィーの血を求めるとんでもないワクチンができあがってしまったようです。
にしても、マーフィーはもともとゾンビを操れるし、人間も噛むなり、ひっかくなり、唾液を飲ませるなりで操れるんだから、わざわざ奴隷化するワクチンなんか作る必要あったのかな?と謎が。
クリアン博士も何をもくろんでいたのかよくわかりませんね。
それはともかく今後ラ・レイナとクリアン博士が面倒臭く絡んできそうですね。

マーフィーは赤いスーツに着替えてまたまたオシャレさんです。
シーズン2はマーフィーファッションショーも楽しいですね。
でも、シーズン1の最初の頃の破れたセーターを着てたマーフィがなにげに好きです。


第14話 長かった道のり
セカンドシーズン最終話を前に、メンバー全員の過去を回想するお話。
ゾンビ発生時各自どうしていたかって話で、特に面白くもないのですが、久しぶりにマックも登場します。
マーフィーの回想シーンだけ、なんだか顔が別人みたいでしたね。髭を剃った顔は前にも見たけど、それとも全然違うような。
もしかして、別の俳優さんが演じているんじゃないかといぶかるほどです。そもそもマーフィーって初登場時髭面だったし、回想のシーンもその時の出で立ちで良かったんじゃないかと思うですがね。
まあ、刑務所でゾンビパニックが起こった時も、自分ひとり逃げだすあたりはいかにもマーフィーです。

ところでマーフィーは自分が人類を救うべき人間であることに結構責任を感じていたんですね。
痛い思いをすることに怯えるマーフィーに「人類全体が痛い思いをしてるんだから頑張りなさい!」と一蹴するロベルタがすごいです。
でも、シーズン1の被験者0号の姿を観たら普通にびびるというか、私がマーフィーの立場だったら逃げ出しますよ。


第15話 人類の運命
セカンドシーズン最終話です。
ついに目指していたカリフォルニアに到着ですが、目的地がしけたバーって言うのにがっかりいたします。
マーフィーの無理のある女装がちょっと笑えます。
ラ・レイナとクリアン博士が再び登場ですが、ラ・レイナはあっけなく死んじゃって、何がしたかったんだという気が致します。
やっとマーチ博士に再会ですが、ここでマーフィーが積年の恨みを晴らすべく約束通り脳みそを喰ってしまったら面白かったです。
脳みそは喰わなかったけど、またもや自分の支配下に置いて逃走。シーズンの終わりにマーフィー逃走はもはやお約束のようです。仲間の誰かが撃たれるのもお約束ですね。
それにしてもマーフィーは「仲間との別れの際にも誰とも握手しなかった、彼らは仲間じゃない」と言い放っています。マーチ博士にも失望したようだし、マーフィーがますます人間側から離れていくようで心配です。
それからエスコルピオンは急に改心とかあり得ない展開でしたね。というかあのゾンビの群れに落ちてどうやって生きていたんだって感じですよ。
「マーフィーに会いたい」とつぶやくドクに「よく知らないけどいい奴には見えなかったぞ」とエスコルピオンにまで言われるマーフィーどんだけですよ。さすが第一印象も第二印象も悪い男だけあります。

マーフィーの娘も順調に成長しているようですし、この父娘が再会した場合、彼らは結託して人間の敵となるのか、マーフィーが人間側に、娘がゾンビ側に立っての対立になるのか、ますます先が気になります。

ああ、そうそう市民Zについてノーコメントでしたが、彼がマーフィーの懸賞金の話をでっちあげるから、賞金稼ぎの殺し合いにまで発展するのに、「おまえのせいで大変だったぞ」とマーフィーに言われて「ごめんごめん」みたいなのりで終わっちゃうのはびっくりでしたね。
というか、懸賞金の話が嘘だったという訂正もあえてしなかったようですが、それってどうして? 放送する機械が壊れちゃったんでしたっけ?
基地を出た市民Zも今後どう関わってくるのか気になりますね。

そんなこんな一応一通りアメリカ横断しちゃったんで、これまでのパターンが終了ですね。
みんなでマーフィーに苛つきながらも彼を守るというシチュエーションが好きだったんで、そのパターンが終わっちゃうのはすごく残念です。
シーズン3はさらなるぶっとび展開が予想されますが、DVDになるのはやっぱり来年の今頃なんでしょうかね。待ち遠しいです。
一応シーズン5までお話は考えられているようなので、そこまでは打ち切りにならないよう頑張って欲しいです。
でも、なんとなくだらだらは続けて欲しくないですね。あまり人気がないようなのでその心配はないと思いますが。