邦題がキワモノ映画臭くて、ちょっとびびってたんですが、これが、あなた、意外に真面目に作られた映画というか、もしかして掘り出し物かも知れません。

いやストーリー自体は別に目新しくもないんですが、なんと言ってもこの作品の見所はそのカメラワークとテクニックですよ。

まず、その殆どがいくつかの長回しによるワンカット風で構成されていること。うまくデジタル処理をしているのでしょうが、「ここで切り替えたかな?」と思われるシーンがあまり感じられず、非常によく計算されております。

もうひとつはスプリットスクリーン
これまでもヒッチコック、リチャード・フライシャー、デ・パルマと様々なスプリットスクリーンを観てきたのですが、これはかなり斬新。
犯人と被害者の両方の視点を同時に撮られているにも関わらず、カメラが写り混んでいないのですよね。(デジタル処理してる?)、
特にクライマックスのスプリットスクリーンは圧巻というか、思わず「おお!」と思わせる素晴らしさです。これは一見の価値あるんじゃないですかね。

それにしても、主人公一家が住むおうちは田舎にあるとはいえ、とても広くて立派です。
これでは強盗にだって狙われちゃいますよね。もうちょっとセキュリティをしっかりしないといけないなーと思いました。
それから、てっきりラストからはじまり、物語が最初と繋がる構成かと思いきや、あくまで冒頭の話は序章に過ぎなかったんですね。多分同犯人の仕業ということなんでしょうが、それ以外に本筋との関連がまったくないのでびっくりです。

娘の恋人がとんでもないへたれで、これで助かってもすぐ別れそうとか思っちゃいました。