リメイク版を観たら、やっぱりオリジナルを観たくなる。
これ必然。

でね、見直してみると、やっぱりリメイクよりオリジナルの方が面白いのですよ。
確かにSFXは今の感覚からすると稚拙な面はあるけれど、それでも幽霊のシーンの美しさなど、見応えあります。
やけに映画の中に『スター・ウォーズ』グッズが登場すると思ったら、SFXを手がけたのが『スター・ウォーズ』の特撮スタッフだったんですね。

それまでもハウスホラーというのはありましたが、ここまでエンタメに仕上げたのはさすがスピルバーグです。あ、監督はトビー・フーパーでした。
やっぱり演出面と言うんですかね。何かが登場するまでの溜めがやっぱり上手いんですよ、スピルバーグは。あ、監督はトビー・フーパーでした。
どことなくファンタジックで家族愛に溢れた描写なども極めてスピルバーグっぽいのです。あ、監督はトビー・フーパーでした。(しつこい)

いや、だって、どこにもトビー・フーパーらしさが感じられないのですもの。いや、トビー・フーパーも『悪魔のいけにえ』はともかく他の映画を観るとわかりやすく際だった個性を持った監督って感じでもないのですが、この映画に関しては余計に『E.T.』と撮影がかぶって、監督の重複契約が出来なかったスピルバーグの表向き影武者だったんじゃないかと疑ってしまします。にしても、影武者だとしてもあえてトビー・フーパーを起用するというのも、なかなか大胆ですよね。

最初の方はちょっと退屈というか、割とどうでもいい会話のシーンが長々続く印象ですが(やたら夫婦で蚊に刺されるという変なシーンもある)、徐々に超常現象が派手になっていく過程が面白いです。
霊媒師のタンジーナも非常にキャラ立ちしているし、母親の娘を思う気持ちが非常に説得力あるんですよね。

あと、ジェリー・ゴールドスミスの音楽もいいですね。

ネタばれ
この映画をはじめて観たのはテレビ放映でしたが、ラスト、あれほど怖い思いをした家族がホテルに逃げ込み、部屋のテレビを外に出した後、笑い声が聞こえてくるんです。
「あんな怖い思いをしたのに、もう笑っている」と、却ってこの家族が怖いと感じたんですが、今回字幕で観たら、なんと、ラスト、家族の笑い声はないのです。
つまり、あれは吹き替えで付け加えられたものだったんですね。めでたしめでたしと言う雰囲気を出したかったんでしょうが、却って怖いですよ。