あの脱ぎ好きライちゃんがまったく脱がないなんて!?
これまでライちゃんの映画を観て、脱がないライちゃんなんて初めてよ。
でもしょうがない。何しろカナダ製作ですよ。ずっと冬の寒々した光景だし、そりゃーさすがのライちゃんだって脱げないよね。
(そこのあなた、ライちゃんって呼び方、気持ち悪いからやめろって思ってますね。わかります)
奇しくも『ルーム』を観た直後、またもや監禁もの?と言う感じ。
でもね、なんつーか、一向に面白くならないんですよ。
時系列が前後したりするんですが、わかりにくいだけで、まったく効果的とは言えないし、逆にストーリーのテンポを阻害しちゃってる。
途中からロザリオ・ドーソンがすごく目立っていて、誰が主役かわかんなくなっちゃう感じ。
そもそもロザリオ・ドーソンのエピソードっている?
他の登場人物もエピソードがバラバラしちゃってなんかまとまりないのよね。
終わりも釈然としないというか、総じて心に何も残らない一本でした。
ネタばれ
一応娘が助かってめでたしめでたしのはずが、親子が再会しても全然心に響かないんですよね。
犯人が何をしたかったのかもいまいちわからんし、刑事側の人間模様も中途半端。どれもこれも投げっぱなしな印象。
それと娘が意味深に訴える「小細工」の意味もよくわからんかった。というか、わかろうがわかるまいがどうでも良い気分っていうか。
生きる為とはいえ、組織の片棒を担いでいた少女にはたいした痛みも感じられず、妙に冷静というか、悲壮感がない。具体的に虐待を受けた描写もないし、逆に犯人を手玉にとっている印象さえ受ける。
父親と再会した時だって、自分の居場所の手がかりとなるようなメモをこっそり渡すとか、助かるための努力をする気がまったくなさげ。
(この父親を呼び寄せる犯人がまた、植木を等間隔に並べるとかやけに目立つ方法なのも謎)
一種のストックホルム症候群に陥っているとするならば、それらしい描写がもう少し欲しいし、なんらかの虐待があったとするならば助かったあとも問題が続くはず。
それなのに8年も監禁されていた娘が何ごともなかったようにスケートを滑って笑顔で締めくくられても、なんだかすっきりしませんよ。8年のブランクがあったら、彼女はもうスケート選手としての生命を絶たれたも同じですからね。
というか、ペアのパートナーと再会するシーンもなしなんですね。
そんな感じで全体にリアリティを覚えないので、本来深刻なお話だとは思うもののふわっとした印象しか残らないんですよね。