『マン・オブ・スティール』とは別次元の話かと思ったら、『マン・オブ・スティール』としっかり続いているお話だったんですね。
スーパーマンが派手に戦っている間、結構一般市民は大変な目にあっていたという。
それを苦々しく思うバットマンという構造。
人間側から観たら、まるで911みたいな怖い惨状ですよ。

フランク・ミラー原作コミック『バットマン: ダークナイト・リターンズ』をベースにはしているようだけど、あちらはバットマンが主役なのに対して、こちらはあくまでスーパーマンがメイン。
なので、結末も完全に原作と逆転しております。

私もアメコミをそれほど読む方ではないし、DCコミックで言えば『バットマン』の総集編的な作品くらいしか読んだことはないので、殆ど知らない。
そもそもジャスティスって何?って言う、そこからな感じ。
DC版アベンジャーズって話ではありますが、本家はむしろDCというか、DCの方がヒーローのクロスオーバー的作品をマーベルより先に出している訳ですね。
にしても、このシリーズ、スーパーマンのリブート版だと思っていたら、途中からヒーロークロスオーバーものになるなんて聞いてないよ~の世界です。

で、DCコミックのヒーローと言えば、私はスーパーマンとバットマンくらいしか知らない訳で、ワンダーウーマンは認識はあるけど実際内容はよく知らないし、『グリーン・ランタン』ライアン・レイノルズ主演の映画を観た程度の知識。あと、フラッシュも名前だけは知ってる感じかなー。
なんで、この映画で示唆されるジャスティスのメンツもさっぱりわからんのです。
ワンダーウーマンが観ていた動画も今後のジャスティスのメンバーなんだろうけどさっぱり訳がわかりません。

アベンジャーズは公開前に主要メンバーが単独で映像化されるのでついていけるのですが、ジャスティスの方はその点ちょっと辛いですね。
ワーナー的にもここはディズニーに負けてはいられないところなんでしょうが、一般に対するプロモーションがあまり上手じゃないような。

『マン・オブ・スティール』でも思ったけど、ザック・スナイダー監督のスーパーマンは戦い方がなんだか単調になりがちなんだなー。戦ってドーン! 戦ってドーン!の繰り返しな感じ。
前半は結構地味な展開もあって、少し眠くなっちゃいました。
今回の敵は『ロード・オブ・ザ・リング』トロールみたいでしたね。

それにしてもジェレミー・アイアンズ演じるアルフレッドが無駄に格好よかったですね。ベン・アフレック演じるブルース・ウェインよりも格好よすぎちゃってうっかりするとバットマンをくっちゃう勢いってどーよ?

ジェシー・アイゼンバーグレックス・ルーサーはエキセントリックな面白みはあるけど、なんかジョーカーっぽくなったような。

エイミー・アダムスは今回なんだか、リンダ・ブレアに似てるなーと思いました。
ところで、何でモーフィアスはビッグな事件を前に私用でヘリを使用するというエイミー・アダムスにあんなに寛大なんすかね?

ケヴィン・コスナー再登場にはちょっとぷぷっと思ってしまった。
さすがに前回死んだくせに万能すぎるラッセル・クロウは出演しなかったんですね。

ジャスティスの詳しい内容はこちらのまとめが参考になりました。
http://matome.naver.jp/odai/2134630659510656001?&page=1



ネタバレ
とにかく終始どシリアスというか重い空気なんですよ。画面も相変わらず暗いし、何かこう、いかにも深いはなしをぶっこんでいくぞ!って意気込みだけは感じるですが、一行に深い話になっていかない。
ゾッド将軍の侵略から地球を守るために戦ったスーパーマンが、同時に民間人に甚大の被害をもたらしたというなら、その恨みの矛先はゾッド将軍に行くべきだけど、ゾッド将軍は死んじゃったんで、とりあえずスーパーマンに怒りの矛先を向けているようにしかみえないんよね。
だから、バットマンの元部下がひたすらスーパーマンを恨んでいることがどうも解せない。

確かに巨大な力を持つ存在は、逆に脅威になり得るという恐れもわかるけど、だからって故意に特に悪いことをしてない存在をとりあえず殺してしまえって言うバットマンの考えも極端。

で、そんな独善的なバットマンにスーパーマンが多少批判的な気持があったとしても、なんだか殆ど相手にしてない感じ。
彼が戦う決意をしたのは、単純に義母のマーサーを救う為だものね。
だからバットマンが一方的に喧嘩をふっかけている感じで殆ど緊張感が高まらない。

バットマンの独善性と、巨大すぎる力を持つスーパーマンの脅威というテーマ、掘り下げれば面白くもなりそうなのに、対立も中途半端なら和解する理由も「母親が同じマーサーだったから」という「俺もおまえも同じ名の母をもち、母を大切にする同士なんだ!俺もおまえも同じ人間だ!」的な和解なのね。
バットマンのスーパーマンに対する殺意ってそんなもんで解消っすか。やっぱり単純に喧嘩相手が欲しくて絡んでいただけなんすか。
まあ、バットマンはスーパーマンが人間と同じ痛みを持つ存在かどうかを確認したかっただけなのかもしれないですね。自分たちと同じ赤い血が流れている存在としてわかりあいたかったと言うことかな? いや、いや、いや、でも、やっぱりバットマンはクリプトナイトの槍でスーパーマンを殺す気満々だったよね。

で、もっとバットマンとスーパーマンに絞って物語を掘り下げればいいものを、途中から共通の敵を得て、ワンダーウーマン参戦で、話がジャスティスを集めるみたいな展開になるんで、ものすごい分離感を覚えるんですよね。
バットマンとスーパーマンの確執みたいなものがすごくうやむやにされた感じ。

前半はまともに戦うシーンがないので、スーパーヒーローものとしては退屈だし、後半はバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンの共闘はちょっとわくわくするけど、ワンダーウーマンになじみがあまりないので、「あんた誰?」感も否めないのよね。
しかも、切迫した状態でスーパーマンがクリプトナイトの槍を拾いに行くシーンがちょっともたもたして緊迫感に欠けるしね。

そうそう、予告にあったバットマンが捕まって、スーパーマンにマスクをはがされる場面が「夢オチかい!」っていうのもがっかりだわね。
途中、なぞのコスプレ野郎がバットマンの夢に出てきて「おまえが正しかった! スーパーマンを殺せ! 俺たちを捜せ!」みたいなお告げをするんだけどあれはなんだったんでしょう。これもジャスティスリーグへの伏線なんですかね?

アベンジャーズ2でも思ったけど、そろそろ一連のアメコミヒーローブームに着いてけなくなってきている自分がおります。