いやいや、当時41歳だったジョン・ハートが大学生を演じる無理さかげんがたまりません。
若者らしい無邪気な笑顔の演技とかは可愛かったですけどね。
冒頭から卒業生を代表してスピーチするくらいなんで、何か重要な役割があるのかなーと思ったら、びっくりするくらい空気でした。
ワイオミングの牧場主で、組合による移民虐殺計画に反対でありながらも、結局組合から抜けられずどこか日和見的に巻き込まれていく、なんとも無力な男なんですよ。
一応キャスト三番目に名を連ねてるんですけど、この映画における存在意義が殆ど希薄です。ただの傍観者というか、狂言回しというポジションでさえなりきれてない感じです。
wikiのあらすじにエイブリル(クリス・クリストファーソン)とアーヴァイン(ジョン・ハート)が主人公とあるのだけど、明らかに主役はクリス・クリストファーソンとクリストファー・ウォーケンですよね。
やたら長い卒業式のシーンといい前半の冗長な感じといい、なんか既視感を覚えると思ったら『ディア・ハンター』のマイケル・チミノ監督だったんですね。
私が観たのは219分版で、結構な長さと思ってたんですが、元は5時間30分もあったと言うのでガクブルです。
公開当時なんだかあまり評判がよろしくなかったことはうっすら覚えたんですが、『ギネスブック』に「史上最悪の赤字を出した映画」として記録が乗るほど大コケした映画な訳ですが、言うほど悪くないというか、インターバルを過ぎた後半は割と見応えがありました。
印象的なカットもいくつかあって、画的にきれいだし、結構力作だとは思います。
まあ、ロシア・東欧系移民を虐殺するアメリカ人という話がアメリカ国内で不評を買うひとつの要因だったのでしょうが、映画そのものの出来もお金がかかっている割には『ディア・ハンター』ほどのインパクトは感じられませんね。
ネタばれ
それにメインがクリス・クリストファーソンとクリストファー・ウォーケンと娼婦の三角関係なんでそのあたりは割と退屈というか、そもそもクリス・クリストファーソンって奥さんいるし、所詮浮気のレベルなんで「なんだかなー」という気分が致します。
なんで、クリストファー・ウォーケンを選ぶ娼婦の選択は正しいのですが、一度は決断して決別した男にまたすがりに行くあたりはやっぱり「なんだかなー」と言う気がします。
ネタばれ終了
まだまだ駆け出しのミッキー・ロークも出演しております。
デビュー作『1941』の次作くらいなんで、とにかく若いですね。