ほら、私ってのろのろゾンビが好きな人じゃな~い?(知らねーよ!)
この映画ものろのろゾンビに共通するじわじわした怖さがあって好みですね。

全体に暗いトーンで、太陽や青空ってもんが殆ど無い。
あっても、逆光でやっぱり暗かったりする、そんな雰囲気もまたよしって感じですね。
荒廃した町の雰囲気も廃墟好きの心を刺激します。

性行為で感染するというあたりは単純に性病のメタファー的なニュアンスを感じますが、誰かに感染させると「それ」の追跡の矛先が新たな感染者に向かい、感染者が殺されるとその前に感染した人間のもとに「それ」が戻ってくるというのが面白いですね。

それによって闇雲に感染させても無駄なので、いかに感染させた相手が生き残れるかも考えなければならないのがこの作品の面白い点です。

若干人間関係がわかりづらい部分もあるんですが、主人公に恋するポールくんがなかなか健気で良かったです。

ゾンビとリングをミックスさせた設定がちょっと目新しい感じです。
シリーズ化しようと思えばいくらでも続けられそうな内容ですね。


ネタばれ
「それ」に追われた主人公がやたらに人気のいない場所に逃げるのが不思議というか、かえって怖いだろうと思ってしまうんですよね。
車のボンネットの上で寝るというのも意味不明です。車の中でしっかり鍵をかけて寝ないと心配で落ち着かないですよ。

「それ」が感染した人間にしか見えないというだけで、感染していない人間が物理攻撃を仕掛けることが可能というのは意外でしたね。
一種の透明人間的な存在というか。
鍵のかかったドアは開けられないとか、窓ガラスは割らないと入れないとか、かなり物理的世界の制約を受けるようです。
布をかけるとその輪郭がわかると言うことは、絵の具でもぶちまければいいんじゃないかとか、案外対処法はいくらでもありそうです。
とりあえず殺すことは出来ないのかもしれないけど、罠を仕掛けてどこかに閉じ込めるということは可能なんじゃないですかね?