野郎どもが男泣きすると評判の映画を観てきたぜ!
今年劇場で観る最後の映画納めだぜ!

私、スポーツは全般的に興味ないし、スポーツの映画もあまり観ないのですよ。
しかし、何故か『ロッキー』シリーズは全部観てるんですね。

で、やっぱりシリーズで一番傑作なのは一作目の『ロッキー』だと思うし、この映画はその『ロッキー』を越えているとは思わないのですが、でも、『ロッキー』を観た時のカタルシスに近いものは感じましたね。

中年親父の夢を具現化した『ロッキー・ザ・ファイナル』よりは、まだリアリティのあるおとぎ話という気がします。
だって、若くぴちぴちのチャンピオンに対して中年で明らかに現役を過ぎたロッキーが勝つなんておとぎ話もいいところでしょう。

この映画の主人公はアポロの愛人の息子
最初こそ施設にいたものの、アポロの正妻に引き取られ、立派なおうちに住み、きちんと教育を受け、会社に勤めて昇進もしている出来る男。
ちょっとたるみ気味だった初期のロッキーに対して、最初からいい体もしていて、こいつなら頑張ればチャンピオンになれそうってくらいの説得力はありますよね。

ただね、うだつのあがらないボクサーで、ちんぴらのような暮らしをしているロッキーと、やはりうだつのあがらないトレーナー・ミッキーがタッグを組み、アメリカンドリームをつかむというお話にくらべると、最初からある程度恵まれサラブレッドである主人公には、心情的な思い入れがどうしても落ちてしまうのですよ。

いやいや、サラブレッドにはサラブレッドの悩みがあるし、彼がそこを克服する過程は十分感動的ではあるけど、すべてにおいて無骨で泥臭いロッキーに対して、クリードは全体的にすごく洗練されていて、映像の撮り方もスタイリッシュなんですよね。
それほど美人とも言えないエイドリアンに対するロッキーの一途な思いも好感度が高いのに対して、クリードの彼女は美人でミュージシャンときてる。こういうところもなんだかロッキーほど好感度があがらない要因かもしれないなー。

それでも、私の隣の席に座っていたおっさんのむせび泣きは半端ないし、背後でも鼻をすする音が聞こえてくるので、きっと男性には強烈に琴線に触れるものがあるのでしょう。

家族というのは必ずしも血のつながりだけではないのだと感じさせるあたりは良かったと思います。

ゴールデングローブ助演男優賞にノミネートされているスタローン兄貴ですが、今回は非常に押さえた演技でよかったです。