一作目から一年後のパージということで、一作目の登場人物と殆ど繋がりはないようだ。
ただし、前作の黒人らしき人物が再度登場しているので、そのあたりに若干の繋がりがあるのかな?
前作のたてこもりに対して、今回はパージの最中に町を逃げ回ることになった群衆劇ということで、一作目より若干面白くなっている。
まあ、前作は『要塞警察』『真夜中の殺人ゲーム』ならば、今作はさしずめ『ニューヨーク1997』『エスケープ・フロム・L.A.』ってところかな。
この監督、かなりのジョン・カーペンター好きとみたが。
主人公は元警官ということで、なかなかのタフガイ。
そこに絡む母娘がこれまた前作の姉弟同様なんだかイライラさせてくれる。
ネタばれ
何しろ母親は自分たちが助かりたいために車の件で主人公に嘘ついちゃうし、「しょうがなかった」と開き直るし、娘はなんだか生意気で主人公にくどくど絡んでくるし、いや、娘の言うことはこれまた前作の弟同様人道的でまっとうなことを言っているのに、なんでこう不快感を覚えるのだろう。
結果的にこの娘の言葉が主人公の行動を思いとどまらせるのだが、本来「よかった」と思えるところなのに、この娘に好感を抱けなかった為になんだかすっきりしないのだ。
この母娘に加えて離婚間近な夫婦と足手まとい軍団を引き連れて、己の復讐を遂げる為に奔走する主人公が実に気の毒になる。
大体こいつら主人公に頼り切っていて、やれ「見捨てるくらいなら何故最初に助けた」と主人公を責めたり、何かと言えば「見捨てないで」とすがったり、どうも鬱陶しい。
観るだけでなんだか不気味で不快な化粧をしたグループも、その動機は金目的と意外に拍子抜け。
どことなく行き当たりばったり感満載なのは前作同様この人の作風なのだろうか。
政府の陰謀と反政府の抵抗と言う図式も、もう何度となくこの種の作品で繰り返してきた展開なんで、そこにもうひとつ新鮮味を加えてくれないと苦しい。
三部作の予定らしいが、三作目はこのパージという制度に対して革命でも起こるのだろうか。
あれ、そうなるとすごーく『ハンガー・ゲーム』っぽい感じ。
そーいやー、大味感もよく似ている。これが昨今の流行なのかな。
二作通してどうもいまいち感が拭えないので、三作目も積極的に観たい気はしないな。