しばしホラーの古典の世界へ。
ネタばれします。
『オーメン』は私のベストオブホラーに入る。
他のエントリーが『エクソシスト』『サスペリア』『ゾンビ』と70年代に偏っているのは、やっぱり幼い頃に衝撃を受けたからだと思う。
今回レンタルしたのは製作30周年記念 コレクターズ・エディションだが、内容的に大きな変化があるわけではない。
ただ、
●リチャード・ドナー(監督)とスチュアート・ベアード(編集)による音声解説
●リチャード・ドナー(監督)とブライアン・ヘルゲランド(脚本家)による音声解説
●ジェリー・ゴールドスミスが語る「オーメン」の音楽
あたりが見所か。
『オーメン』のタイトルが実は最初は『痣』だったとか(ヒットする気のしないタイトル)、ラストは実はダミアンも死亡する予定だったとか、墓場のシーンは全てセットであったとか、撮影秘話などなかなか面白い解説だった。
グレゴリー・ペックが実の息子を失った直後にこの映画に出演することになり、よりにもよって息子を殺す役を引き受けるとはその心中たるやいかばかりか。
オーメンはオカルト映画でありながら、謎解き的な要素もあり、非常にスリリングで面白い作品だと思う。
なので何度繰り返し観ても飽きない。
グレゴリー・ペックが作品の格を上げているし、個々の配役もはまっている。
勿論ジェリー・ゴールドスミスの宗教的な音楽が作品を盛り上げているし、写真に写る不吉な暗示というアイディアが抜群に効いている。
また、火傷を負った神父が教会の鐘の音に導かれて、墓の場所を書き記すシーンも素晴らしい。
すべてが不幸な偶然の積み重ねのようでもあり、実際に悪霊がいるようでもある、その微妙さも絶妙。
ダミアン役の子役に訛りがあった為に、台詞を減らし無口な子供と設定したのも非常に効果的で、より一層謎めいた薄気味悪さを出している。
音声解説ではしきりに今のCG技術に否定的なコメントが多くてちょっと面白かった。
確かに手作りの臨場感はCGでは表現出来ないものだけどね。