もともと主婦がオンライン小説として書いた『トワイライト』の二次創作なんですね。
『トワイライト』は小説を読んだこともないし、映画も観たことがないので、さっぱりわからんのですが。

若く有能なエリートと平凡な女子大生の恋愛なんて、ベタ中のベタで気恥ずかしくなるような設定。
どこまで行っても女性の見初められたい願望ってやつは尽きることがありませんね。
主人公が学生新聞の記者として大企業のCEOにインタビューに行く際にドアを開けてこけるシーンなんて、まんま少女漫画みたいで、先の展開が思いやられます。
で、その後もベタベタな展開が続く中、そこにSMって言う要素を取り入れたところがちょっとアブノーマルなスリルをのぞき見したい願望にフィットする訳ですね。

マミーポルノなんて呼ばれるだけあって、あくまで映画はソフトなSMごっこ程度。絶対安全な契約を綿密にまでたてて、ちょっと味見程度で早々に逃げ出せる安全圏。
男もものわかりのいい金持ちさんなんで、適度な火遊び程度でおしまいな訳ですよ。
なんでもこれ三部作もあるらしいんですが、この後男がまともになってまともな恋愛に発展してめでたしめでたしなんて展開になってもさほど面白くもなんともない話ですよね。

大体男も選ぶ女を間違えているんですよ。人を見る目があるんだったらもっとどM女を選別すべきでしたよね。
このお嬢ちゃんはあくまで普通の女の子に過ぎない訳ですから。

私も普通のお嬢ちゃんなんで、かなり最初の段階からグレイが怖くて怖くてしょうがなかったですよ。終始サイコパスのホラー映画を観ているような気分でした。
いくら好意を覚えても多分SM器具見せられた時点でどん引きですね。
そもそもM願望がそれほどないんで、ああいう「何もかも俺様が支配したい」ってタイプが苦手って言うのもあるんですが。
というか、どSってDV男とたいして変わらない気がするんですよね。

劇場公開時はR15の関係でかなり黒いぼかしが入っていて失笑もんだったようですが、ぼかしがあろうとなかろうとさほど面白くもない気の抜けた官能シーンもなんだかです。まあ、別にハードなもんが観たい訳でもないんですが、なんつーか、うまく言えないけど、すべてにおいてどこにもふりきれない中途半端感を覚えます。
この種の官能映画ならまだ『エマニエル夫人』『ナインハーフ』の方が面白いですね。