『オカルト』『コワすぎ最終章』宇野祥平に注目しているですが、この作品は俳優、映画監督を養成するENBUゼミナールで、白石晃士監督が講師を担当した俳優コースの実習作品なんだそうです。

殺人ワークショップを受ける、5人の受講者はこの俳優コースの生徒ということで、殆ど素人のような素材を映画の中で効果的に扱っているあたりはさすがです。

そんなひよっこみたいな俳優の卵たちをぴりっと締めるのが宇野祥平。
この人は『オカルト』の時もリアルに胡散臭いネット難民を演じていて、モノホンにしか見えなかったんですが、この映画でも、自然に物語にリアリティを与えていてすごいです。

そしてここまでプロとアマの差が歴然とわかるというのもすごいなーと思います。
特に最初に殺される受講者の演技がかなりひどくてほほえましくなるほどです。
ちなみにこの映画に出演しているゼミナールの生徒は皆俳優にならなかったそうです。

宇野祥平は殆ど『ハロウィン』のブギーマンみたいでしたね。
一種の笑うセールスマン的な存在です。

廃墟のロケが端島かなーと思ったら、普通にどこかの廃墟のようですね。ロケ後には取り壊されたようです。

殺人という過激な題材でありながら、人がいかに己を解放するか、その覚悟みたいなものを感じる映画でした。怖いお話ではあるのですが、同時に白石監督の作品にはユーモアもあって、くせになる味わいがあるんですよね。若い時にこういう作品に出られただけでも、俳優の卵たちはラッキーだったんじゃないでしょうかね。
演じるにはしんどい役だと思いますけどね。