私がホドロフスキー作品をはじめてみたのが、なんと去年のことなんです。
『エル・トポ』ってタイトルは有名だったのでなんとなく見たら、なんだかヘンテコな監督だぞと。
で、去年公開された『ホドロフスキーのDUNE』『リアリティのダンス』と立て続けにみてじわじわはまっていき、やっと『ホーリー・マウンテン』『サンタ・サングレ/聖なる血』も蔦屋の発掘良品に並ぶようになったので、今回両作品を観る機会を得た訳です。
で、この作品はとにかくひたすら前衛アートを見せられているような気分になります。
終始LSDでもやってるみたいな映像で、この映画でトリップしそう。
次々とくりだされるイメージの洪水には感心します。
お話は寓話的で、謎めいていて、意味深で、わかるようなわからんような気分を味わうのですが、でも面白かったです。
特に太陽系の惑星を守護にもつ弟子の象徴的なエピソードなんかがよかったですね。
1973年の作品ですが、今も新鮮な刺激を覚えます。
なかなかグロくてエロくて過激なシーンもありますが、あくまでアーティスティックな感じです。
ぼかしも入っていますが、ただ「ぼかしをいれりゃーいいんだろ!」って感じの入れ方ではないあたりが気を遣っているのかな。
ネタバレ
ただ、最後にきて「これは映画、日常に戻って生活しなさい」なんてちゃぶ台返しみたいなオチはあまり好きじゃないですね。
文字通りテーブルひっくり返してたし。
原作はルネ・ドーマルの『類推の山』という作品のようですが、原作はどんな感じなんでしょうね。