『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の流れから久しぶりにティム・バートン監督版の『バッドマン』を見直してみました。

実は私、ビジュアル面はともかくティム・バートン監督の映画があまり好きじゃないのですが、この『バットマン』に関しては、彼のファンタジックなビジュアルと、架空の都市ゴッサムシティのイメージがマッチしていて、割とよい雰囲気だなーと思います。

音楽を担当したプリンスのバットダンスなどは今や何かと揶揄される対象だったりしますが、私は今でもこの曲が好きですね。『ショーン・オブ・ザ・デッド』では真っ先にゾンビに投げられるアルバムだったりするのですが。
プリンスの曲をティム・バートンはあまり生かし切れてなくて、クライマックスの市政200年祭のシーンでもプリンスのトラストがかかるのですが、このあたりは編集とか演出がちょっと物足りなくて、もっと曲に合わせてポップでリズム感のある編集をして欲しかったなーと不満が残ります。

主演のマイケル・キートンはどちらかと言えば個性派の俳優なんで、いわゆる典型的ヒーローの顔立ちではなく、仮面をつけたイメージならば断然ジョージ・クルーニーやベン・アフレックの方がそれっぽい訳です。
『ビートルジュース』の流れからエキセントリックな俳優好きのティム・バートンのお気に入りだったということもあるんでしょうが、ちょっと変わったキャスティングだなーと公開当時も思っていました。
素顔もマイケル・キートンは典型的なイケメンではないので、イケメン風な役割を演じることに若干違和感を覚えなくもないというか、そのあたりはクリスチャン・ベールの方が説得力はあるんですよね。キートンでは育ちのいい金持ちのおぼちゃま風にはいまいち見えないというか。
でも、その無理矢理感もまあ、エッセンスかなーなんて思います。

しかし、私がこの映画を気に入ってる理由はそんなことじゃないんですよ。
そりゃー、もう
ジャック様のジョーカー!
ジョーカーの一語に尽きます!

ジョーカーといえば、故ヒース・レジャーのジョーカーが高い評価を受けておりますが、私にとってのジョーカーは永遠にジャック様なんですよ。
なんていうか、ヒース・レジャーのジョーカーは終始怖いんですが、ジャック様のジョーカーは愛嬌があって可愛らしいんですよね。もう生き生きと楽しげに演じてらっしゃる。それを観るだけで幸せな気分になるのです。

この頃はまだ監督もそこまでジョニデ贔屓ではないし、彼も今ほどメジャー俳優ではなかったのが、幸いでした。ジョニデが当時今のネームバリューを持っていたらジョーカーにジョニデを起用された可能性も十分あった訳です。
個人的にはそれは勘弁でございますけどね。

もっとも、ジャック様のジョーカーは体型がころっとしていて、それはそれでかわいいのですが、コミックのジョーカーはもっと細面でシャープなイメージなんですよね。
そういう意味では今後こういう顔立ちで資質がはまりそうな俳優が登場してくれるといいなーとは思います。
案外クリストフ・ヴァルツなんか顔立ちといい資質といいジョーカーにはまりそうなんですけどね。

ちなみに新生ジョーカーはジャレッド・レトでございますが、ちょっと甘めのイケメン過ぎるかなと言う気も致します。既にジョーカーに扮した画像なども出回っておりますが、クレイジーな雰囲気は出てるので、これはこれでどんなジョーカーを演じるのか楽しみですね。