実はこれ、スピルバーグの初の劇場作品だったんですね。
なんだかんだでスピルバーグ作品を観る機会が多い中で初劇場作品は未見でした。
スピルバーグの才能を世に知らしめたテレビ映画『激突!』のあたかも続編のような邦題で、実はまったく続編でもなんでもないなんて話は映画通の方には言うまでもないお話でしょう。
今更、何故この映画を観ようと思ったかというと、ウィリアム・アザートンが出演しているからなんです。
70年代は『イナゴの日』など俳優として頭角を現していたウィリアム・アザートン。
『ゴーストバスターズ』『ダイハード』で嫌な奴という役が定着しつつあったウィリアム・アザートン。
その後の殆ど姿を見かけなくなったウィリアム・アザートン。
最近『バトル・オブ・アース 闇の種族と光の戦士』というどうしようもないB球映画に出演しているウィリアム・アザートン。
どうせなら、彼が輝いていたころのウィリアム・アザートンを観たくなったんですよね。
で、完全に妻(ゴールディ・ホーン)にふりまわされる気の毒な夫役でした。
特別いい人でもないけど、特別悪い人でもない感じでしたね。
映画の方は、福祉局に里子に出された子供を取り返すために、服役中の夫を脱走させる猛烈妻、その逃走劇に巻き込まれた若い巡査と、徐々に打ち解けていく3人の姿がちょっとほほえましくコメディ調に描かれています。
登場人物すべてが憎めない感じなんですが、それでも犯罪は犯罪。結末は最悪の結果になるんじゃないかとどきどきしましたね。
実話を基にしているようですが、実際は実母に預けられた子供を取り返そうとしたようですね。実母ならそこまで過激な行動に出なくてもと思うのですが、いろいろ複雑な事情があったんでしょうかね。
ときどき「アメリカ人は馬鹿だ」という暴言を聞きますが、この映画を観ているとあっと言う間にお祭り騒ぎになる国民性が確かにちょっと「お馬鹿」な感じですね。
作品のインパクトとしては『激突!』に劣るけど、なかなか面白かったです。