『REC/レック』シリーズはこれまで、ジャウマ・バラゲロとパコ・プラサの共同作品であったが、『REC/レック3 ジェネシス』はパコ・プラサが担当し、最終章である『REC/レック4 ワールドエンド』はジャウマ・バラゲロが担当している。

『REC/レック』シリーズはどちらかと言えばジャウマ・バラゲロが主導という話もあり、ホラーコメディと化したパコ・プラサの『REC/レック3 ジェネシス』と違って原点回帰が望まれたのだが、前評判の段階でPOVではなくなったと知り非常に落胆を覚えた。
この映画の面白みはPOVによる臨場感とリアリティに尽きるのに。
ジャウマ・バラゲロ監督自身のコメントによると、なんとPOVのアイディアが尽きたというのがその理由。

ということで、今度は船上という隔離された舞台であるが、POVという特色を払ってしまったら、普通のゾンビ映画になってしまって、目新しさは失われてしまった。

あと、私はこの種のホラー映画で同じヒロインがいつまでも主演をはってる話があまり好きじゃない。アンヘラ主演は最初の一本だけで終わりにして欲しかった。
最終章まで生き残り、『エイリアン』のリプリーや『バイオハザード』のアリスと化して行くのは本望ではないのである。

そんな不満はあるものの『REC/レック3 ジェネシス』よりは面白く仕上がっていると思う。
いまいち違和感を覚えるオカルト展開が薄められ、どっちかと言えばSF的ではあるが、これまでの謎を一応回収しているような、してないような、まあ、疑問点はあるもののそれなりにまとめているし、純粋に2の続編でよいと思うのだが、律儀に3の続きとしても描いているあたり、頑張っている。
お話もちょっとひねりがあって、「ああ、そうくるのね」という意外性はあったし。

最終章とは言うものの別にその気になればいくらでも続けられそうなシリーズなんで、当たれば新章おっぱじめる気満々な下心も見え隠れ。
もうRECシリーズとは別物として新たに作ればいいんじゃないですかね。