最近、萩尾望都のコミック『王妃マルゴ』を読んだので、映画の方も見直してみることにしました。
前回はこの時代に対して殆ど無知だったので、人間関係を把握するのにひと苦労でしたが今回は萩尾望都のコミックのお陰もあって、非常にわかりやすかったです。
相変わらずシャルル9世とアンジュー公が雰囲気が似ていて時々見分けがつかなくなることもありますが、まあ、大きな問題ではありません。
何しろこの時代、アンジュー公もギーズ公もナヴァール王も皆名前がアンリというややこしさ。
のちに「三アンリの戦い」なんてものに発展するんだから、ある程度の知識がないと誰が誰だか状態です。
余談ですが個人的にアンリという名前は非常に縁が深いので、心中複雑でもあります。
この映画で印象深いのは宗教対立の末に起こった悲惨な事件『サン・バルテルミの虐殺』もそうですが、それさえも凌駕しかねないのがシャルル9世の悲惨な末路でしょう。あまりに悲惨過ぎて他の悲劇が霞むほどです。
もっとも、シャルル9世の死因については諸説あり、映画におけるシャルルの末路はフィクションの要素が強いのですが、実際、王は死の直前、奇妙な斑点が生じ、血の混じった寝汗をかくようになったという話から、死因のひとつとして毒殺説も唱えられているようです。
もうひとつの見所は、勿論イザベル・アジャーニ演じるマルゴ王妃。
この映画を観た当時、42歳にして少女のようなあどけなさと妖艶な美しさを保っているイザベル・アジャーニに驚嘆したものでした。今観てもやっぱりお美しゅうございます。彼女の美しさを堪能するだけでも目の保養になります。
ナヴァール王演じるダニエル・オートゥイユが一瞬デ・ニーロに見えるのですよ。丁度右頬のイボの位置が同じなもので。
ナヴァール王はコミックでも映画でも、「ニンニク臭い」と揶揄されているのですが、実際逸話として残るほどニンニク臭かったのでしょうかね?
(ゲゲ! ダニエル・オートゥイユってその昔『ザ・カンニング IQ=0』っていうおフランス製のしょーもないコメディ映画で主演していたあの彼ではないか! いつのまにか役者としての格があがっている!)
ちなみに、実際、ナヴァール王とマルゴが結婚したのはナヴァール王が18歳、マルゴが19歳の時だったようなので、さすがにダニエルとイザベルはその年齢には見えませんね。
トーマス・クレッチマンが出演しているらしいのですが、どこに出演しているのかよくわかりませんでした。一瞬、あれがそうかなーというシーンはあったのですが。
調べてみるとどうやらアンジュー公の側近のひとりらしいですね。
再度観るとまたいろいろ発見があって面白かったです。