東雲運河のオオバン。 | あんり オフィシャルブログPowered By Ameba

東雲運河のオオバン。

皆様、こんにちは。
ご無沙汰しております。

三月も半ばとなり、
オオバンたちの中には
旅立ちの準備を始めるものもいるでしょう。



この冬は彼らを観察する機会がほぼ無かったため、
彼らが飛び去るまでに
オオバンウオッチングを行いたく、東雲運河へ向かいました。






東雲運河豊洲市場の目の前に広がる運河であり、
この辺りは開発著しく、新しく美しい街という印象を受けます。









バンオオバンは池・湖・川など、淡水の水辺で暮らすものだと思っていましたが
数年前から海辺や運河へも勢力を拡大しつつある、ということを耳にし、
そのような場所で暮らす彼らを是非とも観察したいと思っていたので
東雲運河を観察場所に選びました。






運河で暮らす彼らは
水に潜って魚を捕らえ、海藻を食べ、
岩などに付着している貝らしきものをくちばしで削ぎ落として口にするなど
淡水で暮らすオオバンと全く同じ行動を
ただ運河でしているだけ、という状態でした。




彼らにとって
自分たちが浮かんでいる水が海水であろうが淡水であろうが
問題にはならないのかもしれませんが、
私にとっては大変衝撃的な出来事です。

その理由は・・・

海鳥は海での採餌後などに多量の塩分が体内に入ります。
塩分過多となれば生命の維持も危うくなりますが、
「塩腺」という体液中の余剰な塩分を濃縮して排出する機能を備えているため
問題なく活動することが可能なのです。

ですが、オオバンは海鳥ではありません。

「塩腺」を持っていない、もしくは発達していないはずなのです。



しかし、海水で元気に活動する彼らを見ていると
何らかの方法で体内に取り込まれた塩分を排出しているはずですので
彼らは海水に適応するため
僅かな期間で体内に塩腺を作り出すという神業をやってのけたのか、或いは
元々僅かではあるけれど体内に存在していた塩腺を発達させたか、のどちらかであると
推測しております。

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生物の中には有毒物質である硫化水素を栄養源とし、
太陽に依存することなく生きているカニ・エビ・貝類や 
極度に少ない酸素の中でも活動できるものなど
極限環境下で生きているものも少なくありません。

彼らが極限環境で暮らす理由が
「快適」だからなのか「やむを得ず」なのかは分かりませんが、
そのような中でたくましく生きる彼らの姿は
私に感動と強さを与えてくれます。



私はますますオオバンを好きになりました。

来年も元気な彼らに会えますように。