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講演会。

皆様、こんにちは。



今年1月、
商法の運送・海商法の改正要綱案が決定されました。

日本の海商法は1899年商法典の一部として制定されて以来
大きな改正作業はなされていませんでした。

しかし
国内運送ルールを現代の業務実態に合わせること、
また、日本が「船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約」に
批准したことをを機に制定された「国際海上物品運送法」との
齟齬を解消する必要性を鑑み、
この度海商法の全面的な改正作業が行われることとなりました。

改正が実現すれば
六法からカタカナ表記の条文は完全に姿を消します。

昨日は
この海商法改正について
早稲田大学から箱井崇史教授をお招きし、
「日本海商法の現状及び改正の動向」
という題目を以って講演会が開かれました。

台湾の法律の多くは日本法の影響を強く受けており、
海商法もその一つです。

故に日本の海商法改正の動向は
台湾の法学者が関心を寄せるものであり、
ひいては立法作業をする上で大いに参考となります。

講演会の主催者は劉宗榮教授
現在私が履修している保険法の先生です。

そして、箱井教授との対談は
前学期「日文法學名著選讀」の授業でお世話になった
蔡英欣副教授が担当されました。



民法とは異なり
海商法は身近に感じることのできる法律ではありません。
箱井教授が日本語でお話しになるとはいえ
講演と対談の内容は難しいものでありました。

日中、中日翻訳ともに一人で担当していた方は
精神的に疲労したことでしょう…。

緊張感漂う空間の中
箱井教授への質問を日本語に翻訳し、
その回答をまた中国語に翻訳するとなりますと
質問と回答が噛み合わない部分が生ずることは必然です。

私はそのことを身をもって理解していますが、
翻訳を鵜呑みにしてしまう人にとっては
対談に違和感を覚えたかもしれません。

海商法改正の動向もさることながら、
翻訳の奥深さと難しさに対しても
一層理解が深まったように思います。