数日前から煉香をたきたい気分に。

そこで、
だいぶ前に香司養成講座で作った
煉香をたいてみました。

煉香なので空薫(そらだき)です。
つまり、あっためて香らせるタイプです。

電気香炉の電源を入れ、
煉香をひと粒置きました。

この時に使ったのが『菊花』
という銘のついた煉香でした。

菊花というのは六種の薫物
(むくさのたきもの)の内のひとつで、
菊の香りをイメージした秋冬用の香り。

六種の薫物というのは、平安時代に煉香が
大流行してみんながいろんなレシピを思いつき
その中で特に優れたものに淘汰されていって
残った六種類の精鋭のレシピ、
という感じのもの。

そのレシピが、平安後期の"薫集類抄"
という書物にのこされているので
講座の中でそれを作ったのでした。

みんなで分担して六種類作りましたが
わたしが担当したのは菊花でした。
最後にそれらを全員で2〜3粒ずつ
分け合って六種の薫物全種類を持ち帰り、
それから冷蔵庫保管すること数ヶ月。

菊花を作った時は、キツい香りだな…
と思っていました。
あまり良い香りだと思ってなかった。

しかし数ヶ月経ってたいてみると
まろやかになっており良い香りでした。

しかも、たきおわってから気づきましたが
この日は 9月9日 重陽の節句でした。

重陽の節句といえば、菊!
別名 菊の節句 とも言うそうです。

昔は、菊を飾ったり、
菊をお酒に漬け込んで飲んだりして
不老長寿を願ったそうな。

そして煉香の菊花と言えば
不老長寿を願ってたくものです。

重陽の節句に煉香を用いるという記事は
ネットを検索しても出て来ませんでしたが
不老長寿を願う菊のアイテムとして
この日にこの煉香をたいたことは
偶然だったけどピッタリだったな〜
と思ったのでした^_^