昨日、キッチンエイドのことでコメントを頂いたので、久しぶりにアルチザン(5qt)のエイドでパン生地をこねてみることにしました。
エイドはフックに生地が絡みついてくるくる空回りし、うまくこねられなかったため、結構長い時間高速で回した覚えがあったのですが、ほんとに他に方法がないのかなあと思ったのです。

パン生地のように粘弾性の強いものは機械に負担が大きいので、あまり時間を延ばしたり高速で回したりしないほうがいいんですよね。
でも使いきれないのではもっともったいないですし。


エイドをためつすがめつ・・・とりあえず今日はe-パン工房のシナモンロールと、kakoちゃんのハードブレッドを作ってみることにしました。


ふと気になったのが、クリアランス(アタッチメントとボウルの間の空間)問題。
速度をあげる原因となってるのが打ちつけの弱さ。
低速だと全然ボウルに届いていない。
遠心力で届かせるんじゃなく、生地とボウルがもっと近くにあればいい

思い切ってクリアランスの調整をし直すことにしました。




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↑ 真ん中のねじ
あんまり固いんで、間違ってるのかと思ったくらいです。
ねじ頭がバカになりそうで、そんなに頻繁に触るものじゃ
無いと信じていました。



ちなみにエイドにはワイヤーホイップ・ビーター・ドゥフックという3種のアタッチメントが付いていますが、私はクリアランスの「調整」と言うからにはあくまで「大体どのアタッチメントでも同じでいけるが作る量や好みや、輸送中にゆるんだりしたものを適正にする」んだと思っていました。
だってものすごく固いんですよ。
調整ねじ。
だからほんの少し緩めたり閉めたりするんだと。

 
なのでワイヤーホイップがスレスレ(紙一枚なんとか入るくらい)に合わせていたんですね。
それでどのアタッチメントもいけると思ってた。
でももしかしてここがいけないの?と思い直し、そこから大きく調整(?)してみたのです。
(時計回りに回すとアタッチメントが低くなります)

ワイヤーホイップで適正な位置からいうと、ねじ2回くらいまわしちゃう。
(様子を見ながらやってたので正確じゃないかも。でも1回やそこらじゃありませんでした)
こうなるとワイヤーホイップはボウルに当たってしまって使えません。

ちょっと不安はありましたが、そのまま続行。

結論から言うと、最強力粉を使ったハードブレッドがちゃんと定格時間内でこねあがりました。





だたひとつ。
クリアランスを狭くし過ぎると、振動がスゴイです。
4.5qtのアルチザンはヘッドの部分が起き上がるようにできているため、そこへ力がかかってしまい、ガタガタ結構な音がします。
ロックしていても関係ありませんでした。
本体が動いたり、揺れたりではないのですが、首がもともと動くようにできているのでその遊びの部分が・・・
なので少し戻したりしながらこねていきました。
あんまり狭くするとグルテンにもよくないみたいです。(小さなパン職人ブログより)

けど、この使い方で正解なのでしたら、こんな固いねじじゃなくって、ツマミにしてほしかった。
ダイアル式とか。

まぁ、このくらいからきつすぎずゆるすぎない位置をそれこそ調整していけばいいのではと思いました。


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爪先~付け根までちょうど入るくらいの隙間。
どのくらいの隙間にすればいいか、いろいろ挑戦してみるのも楽しい。




シナモンロール。

eーパンのシナモンロールは逆仕込み法を使っているので、ある意味エイドの得意とするところ。
パウンドケーキのシュガーバッター法と同じ要領で(もう少しラフですけど)油脂・砂糖を攪拌し、卵を入れ、ビーターからドゥフックにかえて粉を投入。(かえるときクリアランス調整)
そこから約9分程度こねたら出来上がりました。
薄力粉も配合された、あまりグルテンを出さない製法なのでこちらは楽々。

スピード2で攪拌、粉気がなくなったら3にしてこねました。
最後1分くらい4にしてみたけどしなくてもよかったかも。




片手で伸ばして片手でスマホ撮影・・・
なのであまりうまく撮れませんでしたが、こちらはかろうじて薄い膜ができてます。
引っ張るとすぐ破れるくらいです。




ハードブレッド
こちらは捏ね上げが難しいパンですが、kakoちゃんレシピでは後塩法を使ってあります。
むやみにコネ時間を長くしないための工夫みたいです。

こちらはオートリーズをとった後の本ごね15分で過去最高いい感じにこねあがりました。
こちらは粉400g 水74%
ほぼスピード3でこねました。
最後1分ほど4に上げました。

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やっぱりクリアランスの問題が大きかったみたいです。
クリアランスが広いと遠心力きかせないとボウルに届かない・・・
今回は3でもしっかりとボウルに打ち付けられているのが確認できましたし、ボウルとフックが近いので、ドゥフックに絡みついただけで空回りするのも避けられました。


あとは今回のレシピみたいに長時間こねなくていい工夫のされているものを選ぶか、自分で工夫するかしてみるのもいいと思います。


手ごね・エイド・ニーダー・ボッシュ・フープロ・・・
いろんな方法がありますが、全部コネ上がりの生地(醗酵後は特にわかりやすい)の顔が違うんですよね。
不思議。
まぁ、単に私がいい加減なだけかもしれませんが。


それから捏ね上げ温度に関してですが、細かいことを言えば粉・室温・水温・ボウル・摩擦熱などいろいろ関係してくるのですが(ボウルの大きさや、材料の量も)
私がパン教室で習ったのは

捏ね上げ温度 = (室温 + 粉温 + 水温 ÷ 3 + 摩擦係数 (6~7℃)

という大雑把なものでした。

しかもフープロだったんで温度がかなり上昇していましたが、エイドでは冬場に上昇なんてありえない!!(よほど温かい部屋なら別)

今回のたとえですがシナモンロールの場合
粉が300g 室温18℃
水 120g 40度
ボウル 790g 約30度に温め(バターが溶けそうだったのでやや控えめに)

なので300×18=5400
120×40=4800
790×30=23700
(5400+4800+23700)÷(300+120+790)=28

28度になる予定でしたが、空気も攪拌されていることとか、アタッチメントまでは温めてないことやら、写真撮っててモタモタしたこと(汗)でちょっと下がって26.7度でこねあがりました。