との関係が終わった事にあまり実感がないまま時間だけが過ぎていった。

彼が仕事や遠征に出ている間に荷物をまとめて運び出す。

取り急ぎ実家に帰ることにした私は、仕事の合間をぬって少しずつ生活を変えていった。

 

彼と過ごした家は大好きな場所だった。


一緒に住むお家を探し、

高い天井から射す光はいつも明るく照らしてくれたし

家具や生活用品などを揃えて二人の場所を作った。

 

選んだ照明や食器達はいつも食卓を華やかにしてくれた。

同棲という生活の中で当たり前に起こるズレやぶつかり。

 

 

離れるときも、離れた後も彼だけが悪いとは思っていなかった。

私も彼を追い詰めていた。

やり方はおかしかったと思うけど、彼なりに向き合おうとしてくれていた。

私はまだ未熟で、「責められ続ける事」に重きを置いてしまい自分で自分を追い詰める事しかできなくなっていた。

彼がなぜそうしたのか、彼が何を言おうとしているのか考える事ができなくなっていた。

 

出ていく部屋を振り返ると楽しい思い出ばかりが脳裏に浮かんで

辛いことばかりじゃなかった、もっとできることはあったんじゃないのか、そんな風に考えながら家を出て鍵を玄関ポストに入れた。

 

この時の私は逃げたような形で終わらせた関係に、少し複雑な気持ちが残っていた。

 

 

これからは相手を幸せにできる人間になろう。

自分自身に必要なもの、自分が何に幸せを感じるかきちんと理解しよう。

自分を大切にしよう。自分の感情を大切にしよう…。

そうは思ってもまだ自分を大切にする意味がきちんと分からないままだったと思う。

 

そうして長い時間が過ぎていった。

 

 

 

このころはまだ出会いが全くなかったわけでもなかったが

彼の13回の浮気発覚により、次の恋愛に踏み込むのにとても躊躇してしまうようになっていた。

 

傷つきたくない、まだ人を信用するのが怖い。

私には人としての魅力がない、またきっと浮気される。

みんな最初だけ。

怖い、不安、嫌だ。

 

こんな心境で恋愛なんてできるわけがない。

この人とうまくいきたいなと思ってもこの考えから抜け出せなくて自分で殻に閉じこもってしまう。

 

「私なんて…」をずっと繰り返していた。

 

 

そんな風に誰にも言わずに強がって生きていた時、よく食事に行っていた友人から一人の男性を紹介された。

時々友人と一緒にいる時に挨拶を何度かかわす事のあった、外国籍の人だった。

 

この彼との出会いで、あの時逃げた感情とまた向き合うことになる。