見たこともない人を
刺し殺す夢を見た朝
『殺意未満』
憎んでなんかないよ
だって顔も知らないし
だけど心のどこかで
引っ掛かって傷がついた
勝手に悩んで勝手に許して
アタシたちはわがまま放題
抱き合って繋がって結局
キスの段階が一番好きだったと
一日中セックスしても
心の片隅にも滑り込めないなら
アタシは一生セカンドね
そういう宿命に生まれついたの
愛してるとか会いたいとか
彼女にだけ許された権利は
もう望んだりしないけど
友達とも呼べない微妙な距離感
便利だったから
眼鏡をかけていたから
手の届くところにあったから
他の人より優しくて冷たかったから
肌が触れた瞬間欲しいと思ってしまったから
言い訳と恋しさが目まぐるしく
アタシの周りをグルグルグルグル
だって欲しくなったら手を伸ばすでしょ
それがそんなに悪いことですか
「悪いから選ばれないんでしょ」