やはり今も思うのだが、宝塚トップスターになるにはいろんな「モノ」が必要なのだ。
実力だとか、カネコネだとか、容姿も必要なものだろうがそれはある意味具体的条件、物質的条件としてなんとかなるもの。
実力に関しては「芸達者ではない」人もファン側にとっては「それ(芸がない)が良い。何もなさすぎて応援したくなる」との心理もある。
私が思うに宝塚トップスターに必要なものは「何か光る」「人を魅了する何か」だと思う。簡単に言えばスターオーラ。そして誰しもが認める圧倒的なスターオーラを持っていたのは鳳蘭さん。鳳蘭さんには少々劣るが大地真央さん、天海祐希さん、大和悠河さんだった。
鳳蘭さんの圧倒的なスターオーラから段々にオーラ度は少なくなり大和悠河さんのスターオーラはかなり度数が低い。だが世の中、スターオーラを持つ人はそんなに多くないのだ。
けれど宝塚の舞台の真ん中に立つ人は「行く川の流れ」で数年に一度は入れ替わらなければいけない。ファンが飽きてしまうから、どんなに長期でも10年は努められない(涙)お花様、花總まりさんが12年できたのも娘役トップだっから)
宝塚がスター制度である限りこれは宿命でもある。劇団四季や歌舞伎と全く違う制度だからなのだ。それは当然と言えば当然。
その「行く川の流れ」の中、次世代スター達がしのぎを削り、各組の顔になっていく。スターオーラのないままトップスターになり、集客が望めないまま退団した人もいる。
集客が見込めるスターと思いトップスターにしたのに全く花開かない人もいた。
とりあえずスポンサーからのアゲアゲでトップにしたものの、集客が見込めそうにもない、と思ったら意外にもイケタ、という嬉しい誤算もある。
と、つらつら述べたのは惜しくも退団、と言われてきた路線系スターさんが「もしもトップスターになっていたら」を考えると「やはりこの人では集客は望めそうにもないな」と思うこと。
演目的に面白そうな物が浮かばない、つまり演目幅が限られると思えそうな元スターさんたち。ファンにしてみれば「なんでトップスターにしてくれないの?!」と怒りと泣きの涙だろう。
しかし一歩引いて見ると「やはりあの人では客は呼べんで」と思うのだ。宝塚トップにならずそのまま劇団に残るなら脇を固めるほどの魅力と実力が欲しいがそれもない。(そうかと言って今いる専科生がさほどの実力と魅力があるかはノーコメント)
歌もダンスも芝居も下手でも、アンチでも「つい見てしまう」何かを持つ人こそ、トップスターの地位に相応しいと思う。