君が代伴奏事件http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070301113512.pdf
このような考え(すなわち,「君が代」が過去において果たして来た役割に対する否定的評価)は,
「君が代」が過去の我が国において果たした役割に係わる上告人自身の歴史観ないし世界観
及びこれに由来する社会生活上の信念等ということができる。
しかしながら,学校の儀式的行事において「君が代」のピアノ伴奏をすべきでないとして本件入学式の国歌斉唱の際のピアノ伴奏を拒否することは,上告人にとっては,上記の歴史観ないし世界観に基づく一つの選択ではあろうが,
一般的には,これと不可分に結び付くものということはできず,
上告人に対して本件入学式の国歌斉唱の際にピアノ伴奏を求めることを内容とする本件職務命令が,
直ちに上告人の有する上記の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものと認めることはできないというべきである。
本件職務命令は,上記のように,公立小学校における儀式的行事において広く行われ,
A小学校でも従前から入学式等において行われていた国歌斉唱に際し,
音楽専科の教諭にそのピアノ伴奏を命ずるものであって,
上告人に対して,上告人に対して,特定の思想を持つことを強制したり,あるいはこれを禁止したりするものではなく,
特定の思想の有無について告白することを強要するものでもなく,
児童に対して一方的な思想や理念を教え込むことを強制するものとみることもできない。
同章第3の3は,「入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,
国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。」と定めている。
入学式等において音楽専科の教諭によるピアノ伴奏で国歌斉唱を行うことは,
これらの規定の趣旨にかなうものであり,
A小学校では従来から入学式等において音楽専科の教諭によるピアノ伴奏で「君が代」の斉唱が行われてきたことに照らしても,
本件職務命令は,その目的及び内容において不合理であるということはできないというべきである。
以上の諸点にかんがみると,本件職務命令は,上告人の思想及び良心の自
由を侵すものとして憲法19条に反するとはいえないと解するのが相当である。
310704大法廷判決
謝罪広告の強制(代替執行)
:思想良心の自由の意義
:多数意見:なし
補足意見①:沿革上、信仰の自由→本件は19条とは無関係である
補足意見②:信仰に限らず、世界観や主義思想や主張を持つことに及ぶ
反対意見①:是非弁別の内心的自由のみならず、是非弁別の判断を外部に表現し、あるいは表現しない自由を含む
反対意見②:沈黙の自由→意思表明の公表を強制するもので違憲
:代替執行の可否
:多数意見:この程度なら可能
:補足意見:自発的意思表示によるべき→強制執行は19条違反で許されない。本判決は強制執行を認めるものでないから違憲の問題を生ずる余地がない
思想・良心の自由の範囲
限定説(信条説):世界観、人生観、思想体系、政治的意見などのように人格形成に役立つ内心の活動に限定される
∵広義説によるなら(人格形成活動に関連のない内心の活動を広く含めると高位の価値を希薄にし、その保障を軽くするから
→限定説によるなら謝罪広告強制の問題は、(人格形成活動に関連の無い事項だから、19条の問題ではなく、)消極的表現の自由=沈黙の自由の問題(21条)ないし、個人の尊厳の問題(13条)とされる。
広義説(内心説):人の内心におけるものの見方ないし考え方を広く含む
∵①限定説では思想・良心の自由として保証されるものとそうでないものの区別が明確でない②憲法19条の対象が人の内面的態様それ自体を対象とするものである以上、原理的保障としての意味を持っており、その保障対象は広範、包括的に捉えられるべきである
<ポストノーティス命令労働組合法7条27条>
:労働組合法=労働委員会に対し救済命令を発する権限を認めている(7条、27条)。ポストノーティス命令は謝罪広告を命ずるもの
→広義説(内心説)に立った場合、19条に違反しないか問題となる。
判例(平成2、3、6)
:ポストノーティス命令は使用者の行為が労働委員会によって不当労働行為と認定されたことを関係者に周知徹底せしめ、同種行為の再発の抑制を主眼とするもの。
掲示文の中に「陳謝」、「反省」という文言が用いられていても、それは同種行為を繰り返さない旨の約束文言を強調する意味。
使用者に陳謝、反省等の意思表明を強制するものではない。
→19条違反を主張する前提を欠く
謝罪広告(事案の真相を告白し、陳謝の意を表明するもの)の判決による強制と19条の関係:判例(最大判昭和31、7、4=)謝罪広告を判決で強制しても19条に違反しないとするが、思想・良心の自由の範囲については明確な判断を示していない
なお、同判決の田中補足意見:
謝罪広告を判決で強制する際に、「謝罪の方法が加害者に屈辱的、奴隷的な義務を課するような不適当な場合には、これは個人の尊重に関する憲法13条違反の問題として考えられるべきであり、良心の自由に関する憲法19条とは関係がない」
何条の問題となるか =13条
思想・良心の自由は一切の精神的自由の論理的前提として高位の価値を有する点を重視
思想・良心の自由が外部的な行為でなく、人の内面的態様それじたいを対象とするものである点を重視
このような考え(すなわち,「君が代」が過去において果たして来た役割に対する否定的評価)は,
「君が代」が過去の我が国において果たした役割に係わる上告人自身の歴史観ないし世界観
及びこれに由来する社会生活上の信念等ということができる。
しかしながら,学校の儀式的行事において「君が代」のピアノ伴奏をすべきでないとして本件入学式の国歌斉唱の際のピアノ伴奏を拒否することは,上告人にとっては,上記の歴史観ないし世界観に基づく一つの選択ではあろうが,
一般的には,これと不可分に結び付くものということはできず,
上告人に対して本件入学式の国歌斉唱の際にピアノ伴奏を求めることを内容とする本件職務命令が,
直ちに上告人の有する上記の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものと認めることはできないというべきである。
本件職務命令は,上記のように,公立小学校における儀式的行事において広く行われ,
A小学校でも従前から入学式等において行われていた国歌斉唱に際し,
音楽専科の教諭にそのピアノ伴奏を命ずるものであって,
上告人に対して,上告人に対して,特定の思想を持つことを強制したり,あるいはこれを禁止したりするものではなく,
特定の思想の有無について告白することを強要するものでもなく,
児童に対して一方的な思想や理念を教え込むことを強制するものとみることもできない。
同章第3の3は,「入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,
国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。」と定めている。
入学式等において音楽専科の教諭によるピアノ伴奏で国歌斉唱を行うことは,
これらの規定の趣旨にかなうものであり,
A小学校では従来から入学式等において音楽専科の教諭によるピアノ伴奏で「君が代」の斉唱が行われてきたことに照らしても,
本件職務命令は,その目的及び内容において不合理であるということはできないというべきである。
以上の諸点にかんがみると,本件職務命令は,上告人の思想及び良心の自
由を侵すものとして憲法19条に反するとはいえないと解するのが相当である。
310704大法廷判決
謝罪広告の強制(代替執行)
:思想良心の自由の意義
:多数意見:なし
補足意見①:沿革上、信仰の自由→本件は19条とは無関係である
補足意見②:信仰に限らず、世界観や主義思想や主張を持つことに及ぶ
反対意見①:是非弁別の内心的自由のみならず、是非弁別の判断を外部に表現し、あるいは表現しない自由を含む
反対意見②:沈黙の自由→意思表明の公表を強制するもので違憲
:代替執行の可否
:多数意見:この程度なら可能
:補足意見:自発的意思表示によるべき→強制執行は19条違反で許されない。本判決は強制執行を認めるものでないから違憲の問題を生ずる余地がない
思想・良心の自由の範囲
限定説(信条説):世界観、人生観、思想体系、政治的意見などのように人格形成に役立つ内心の活動に限定される
∵広義説によるなら(人格形成活動に関連のない内心の活動を広く含めると高位の価値を希薄にし、その保障を軽くするから
→限定説によるなら謝罪広告強制の問題は、(人格形成活動に関連の無い事項だから、19条の問題ではなく、)消極的表現の自由=沈黙の自由の問題(21条)ないし、個人の尊厳の問題(13条)とされる。
広義説(内心説):人の内心におけるものの見方ないし考え方を広く含む
∵①限定説では思想・良心の自由として保証されるものとそうでないものの区別が明確でない②憲法19条の対象が人の内面的態様それ自体を対象とするものである以上、原理的保障としての意味を持っており、その保障対象は広範、包括的に捉えられるべきである
<ポストノーティス命令労働組合法7条27条>
:労働組合法=労働委員会に対し救済命令を発する権限を認めている(7条、27条)。ポストノーティス命令は謝罪広告を命ずるもの
→広義説(内心説)に立った場合、19条に違反しないか問題となる。
判例(平成2、3、6)
:ポストノーティス命令は使用者の行為が労働委員会によって不当労働行為と認定されたことを関係者に周知徹底せしめ、同種行為の再発の抑制を主眼とするもの。
掲示文の中に「陳謝」、「反省」という文言が用いられていても、それは同種行為を繰り返さない旨の約束文言を強調する意味。
使用者に陳謝、反省等の意思表明を強制するものではない。
→19条違反を主張する前提を欠く
謝罪広告(事案の真相を告白し、陳謝の意を表明するもの)の判決による強制と19条の関係:判例(最大判昭和31、7、4=)謝罪広告を判決で強制しても19条に違反しないとするが、思想・良心の自由の範囲については明確な判断を示していない
なお、同判決の田中補足意見:
謝罪広告を判決で強制する際に、「謝罪の方法が加害者に屈辱的、奴隷的な義務を課するような不適当な場合には、これは個人の尊重に関する憲法13条違反の問題として考えられるべきであり、良心の自由に関する憲法19条とは関係がない」
何条の問題となるか =13条
思想・良心の自由は一切の精神的自由の論理的前提として高位の価値を有する点を重視
思想・良心の自由が外部的な行為でなく、人の内面的態様それじたいを対象とするものである点を重視