外国人の人権
外国人は人権を享有するか
A:否定説:文言上、国民の権利義務となっており、憲法は元来国民に対する国権発動の基準だから
B:肯定説∵人権は前国家的なものであり、国際協和主義からはこれを性質上可能な限り認めるのが妥当である
<外国人の入国の自由>
:認められない∵国際慣習法上国家の自由裁量だから(判例)
<外国人の滞在の自由>
:認められない∵滞在は入国の継続と見られるから
<出国の自由>
判例:外国に移住する自由22条2項は、外国人に限って保障しないという理由はない
佐藤:国際慣行ないし国際慣習法上の問題ゆえ、憲法の問題ではない
<再入国の自由>
:人権ではないと解すべき
在留外国人の場合は、その我が国への帰国(再入国)は、
国際慣習法上、国家は原則として外国人の入国を自由に規制することができるとされていることにかんがみ、
当然に権利として保障されているということができないものであり、
したがつて、
日本国民にとつては、帰国が絶対的な権利として保障されている一時的な海外旅行であつても、
在留外国人にとつては、それは、あくまでも、当該外国人にとつての外国である日本からの出国と、
権利として保障されずあるいは規制されることがあるかも知れない日本への再度の入国というべきもの東京地裁610326
→配偶者が日本人でも同じ
/日本人に準ずる取扱いを受けるべき外国人も存在する
注意
B規約:自国に戻る:国籍国、定住国に戻る権利
<亡命権>
保障あり
保障なし:要立法化
<享有する人権なの範囲と程度>
B1:何人もとあるかどうか
B2:基本権の性質に応じて個別に判断される
<享有する人権の範囲>
定住外国人、一般外国人、難民
各種自由権、裁判を受ける権利
参政権:なし∵国民主権
地方自治の住民に対し国の立法で認めることはできる
公務就任権
:教育的、調査的、非管理的業務についてまで外国人を排斥するのは行き過ぎ
管理職就任権
: 4 しかしながら,前記事実関係等の下で被上告人の慰謝料請求を認容すべきものとした原審の判断は,是認することができない。
その理由は,次のとおりである。
(1) 地方公務員法は,
一般職の地方公務員(以下「職員」という。)に本邦に在留する外国人(以下「在留外国人」という。)を任命することができるかどうかについて明文の規定を置いていないが(同法19条1項参照),
普通地方公共団体が,法による制限の下で,
条例,人事委員会規則等の定めるところにより職員に在留外国人を任命することを禁止するものではない。
普通地方公共団体は,職員に採用した在留外国人について,
国籍を理由として,給与,勤務時間その他の勤務条件につき差別的取扱いをしてはならないものとされており
(労働基準法3条,112条,地方公務員法58条3項),地方公務員法24条6項に基づく給与に関する条例で定められる昇格(給料表の上位の職務の級への変更)等も
上記の勤務条件に含まれるものというべきである。
しかし,上記の定めは,
普通地方公共団体が職員に採用した在留外国人の処遇につき
合理的な理由に基づいて日本国民と異なる取扱いをすることまで許されないとするものではない。
また,そのような取扱いは,合理的な理由に基づくものである限り,憲法14条1項に違反するものでもない。
管理職への昇任は,昇格等を伴うのが通例であるから,
在留外国人を職員に採用するに当たって
管理職への昇任を前提としない条件の下でのみ就任を認めることとする場合には,
そのように取り扱うことにつき合理的な理由が存在することが必要である。
(2) 地方公務員のうち,
住民の権利義務を直接形成し,その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,
若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い,又はこれらに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員」という。)については,
次のように解するのが相当である。
すなわち,公権力行使等地方公務員の職務の遂行は,
住民の権利義務や法的地位の内容を定め,あるいはこれらに事実上大きな影響を及ぼすなど,
住民の生活に直接間接に重大なかかわりを有するものである。
それゆえ,国民主権の原理に基づき,
国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条,15条1項参照)に照らし,
原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり,
我が国以外の国家に帰属し,
その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは,
本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。
そして,普通地方公共団体が,
公務員制度を構築するに当たって,
公権力行使等地方公務員の職と
これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する
一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも,
その判断により行うことができるものというべきである。
そうすると,【要旨1】[]普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で,
日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは,
合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり,
上記の措置は,労働基準法3条にも,憲法14条1項にも違反するものではないと解するのが相当である。[]
そして,この理は,前記の特別永住者についても異なるものではない。
社会権
:否定説:各人の属するそれぞれの国の責務
:日本社会の一員として労働し生活するものに当然に妥当する
→社会保障関係法令中の国籍条項は原則として撤廃されている
程度
全く同じ保障が及ぶわけではない
永住許可は相当難しく、多くは在留期間と活動とに制限を受けて上陸しているにすぎない
経済的自由の領域
:日本国民とは違った特別の規制対象にされる
精神的自由の領域
:参政権的機能を持つ政治活動の自由
→個人の精神活動の自由の範囲を超えて、国民の政治的選択に不当な影響力を行使する様な活動は外国人に認められない
/在留外国人の利害に関わる様な選択については方法に適当を欠くところがない限り、より積極的な意思表示も憲法の保障する自由の範囲に属する
マクリーン事件判決
「政治的活動の事由についても、我が国の政治的意思決定マタアその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位に鑑みこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」
請願権
:保障される
プライバシー権
:指紋押捺制度の合憲性
071215
指紋:
指紋は、指先の紋様であり、それ自体では個人の表生活や人格、思想、信条、良心等個人の内心に関する情報となるものではないが、
性質上万人不同性、終生不変性をもつので、
採取された指紋の利用方法次第では個人の私生活あるいはプライバシーが侵害される危険性がある。
このような意味で、指紋の押なつ制度は、国民の私生活上の自由と密接な関連をもつものと考えられる。
憲法一三条は、国民の私生活上の自由が国家権力の行使に対して保護されるべきことを規定していると解されるので、
個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、
国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、同条の趣旨に反して許されず、
また、右の自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される(最高裁)。
しかしながら、右の自由も、国家権力の行使に対して無制限に保護されるものではなく、
公共の福祉のため必要がある場合には相当の制限を受けることは、憲法一三条に定められているところである。
そこで、外国人登録法が定める在留外国人についての指紋押なつ制度についてみると、
同制度は、昭和二七年に外国人登録法(同年法律第一二五号)が立法された際に、
同法一条の「本邦に在留する外国人の登録を実施することによって外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめ、
もって在留外国人の公正な管理に資する」という目的を達成するため、
戸籍制度のない外国人の人物特定につき最も確実な制度として制定されたもので、
その立法目的には十分な合理性があり、かつ、必要性も肯定できるものである。
また、その具体的な制度内容については、立法後累次の改正があり、立法当初二年ごとの切替え時に必要とされていた押なつ義務が、
その後三年ごと、五年ごとと緩和され、昭和六二年法律第一〇二号によって原則として最初の一回のみとされ、
また、昭和三三年律第三号によって在留期間一年未満の者の押なつ義務が免除されたほか、
平成四年法律第六六号によって永住者(出入国管理及び難民認定法別表第二上欄の永住者の在留資格をもつ者)
及び特別永住者(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に定める特号永住者)にっき
押なつ制度が廃止されるなど
社会の状況変化に応じた改正が行われているが、
本件当時の制度内容は、押なつ義務が三年に一度で、押なつ対象指紋も一指のみであり、
加えて、その強制も罰則による間接強制にとどまるものであって、精神的、肉体的に過度の苦痛を伴うものとまではいえず、
方法としても、一般的に許容される限度を超えない相当なものであったと認められる。
右のような指紋押なつ制度を定めた外国人登録法一四条一項、一八条一項八号が憲法一三条に違反するものでないことは
当裁判所の判例(前記最高裁)の趣旨に徴し明らかであり、所論は理由がない。
外国人の出入国の自由22条関係
一時渡航,なし
入国の自由,合理的理由不要の自由裁量
在留権,なし
出国の自由,22条2項
再入国の自由
定義
保障如何
判例要旨
(◯調査:再入国の自由の人権制、裁量として自由裁量か羈束裁量か)
わの9
外国人の人権享有主体性
/請願権あり
∵前国家的権利∩「何人も」
第16条〔請願権〕
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
*請願書の提出先(請願三、国会七九-八二・一〇二、地自一二四・一二五)、在監者の情願(監七)、請願の処理(請願五)、差別待遇の禁止(請願六)」請願(旧憲三〇)、外国憲法(米修正一、独一七)
請願三 国会七九-八二 国会一〇二 地自一二四 地自一二五 監七 請願五 請願六 旧憲三〇
《英文》
以下条文・判例
<マクリーン事件
:在留の権利/在留期間更新不許可
=政治活動関与
:外国人の政治活動の自由/在留期間更新不許可処分:法務大臣の裁量の範囲内合憲
憲11
2◎憲法第三章の基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民を対象としていると解されているものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶと解されるが、
外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎず、在留の許否を決する国の裁量を拘束するまでの保障は与えられていない。-マクリーン事件上告審-(最大判昭53・10・4民集32-7-1223)
〔憲21〕
34◎わが国に在留する外国人は、政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす等外国人の地位に鑑みこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。-マクリーン事件上告審-(最大判昭53・10・4民集32-7-1223)
〔憲22〕
8◎憲法上、外国人は在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されてはいない。-マクリーン事件上告審-(最大判昭53・10・4民集32-7-1223)
〔憲22〕
外国人の入国・再入国
6◎本条は、外国人の日本国への入国については何ら規定していないものというべきであるから、特別の条約がない限り、国は外国人の入国を許可する義務を負うものでない。(最大判昭32・6・19刑集11-6-1663)
<森川キャサリーン事件
:再入国の自由/不許可処分
=指紋押捺拒否
:外国人の再入国の自由/再入国許可申請却下/法務大臣の不許可処分を裁量の範囲内として合憲と判断
=日本に生活の本拠/指紋押捺拒否:外国旅行のさい、法務大臣により再入国を認められなかった
管理職就任権
4 しかしながら,前記事実関係等の下で被上告人の慰謝料請求を認容すべきものとした原審の判断は,是認することができない。
その理由は,次のとおりである。
(1) 地方公務員法は,
一般職の地方公務員(以下「職員」という。)に本邦に在留する外国人(以下「在留外国人」という。)を任命することができるかどうかについて明文の規定を置いていないが(同法19条1項参照),
普通地方公共団体が,法による制限の下で,
条例,人事委員会規則等の定めるところにより職員に在留外国人を任命することを禁止するものではない。
普通地方公共団体は,職員に採用した在留外国人について,
国籍を理由として,給与,勤務時間その他の勤務条件につき差別的取扱いをしてはならないものとされており
(労働基準法3条,112条,地方公務員法58条3項),地方公務員法24条6項に基づく給与に関する条例で定められる昇格(給料表の上位の職務の級への変更)等も
上記の勤務条件に含まれるものというべきである。
しかし,上記の定めは,
普通地方公共団体が職員に採用した在留外国人の処遇につき
合理的な理由に基づいて日本国民と異なる取扱いをすることまで許されないとするものではない。
また,そのような取扱いは,合理的な理由に基づくものである限り,憲法14条1項に違反するものでもない。
管理職への昇任は,昇格等を伴うのが通例であるから,
在留外国人を職員に採用するに当たって
管理職への昇任を前提としない条件の下でのみ就任を認めることとする場合には,
そのように取り扱うことにつき合理的な理由が存在することが必要である。
(2) 地方公務員のうち,
住民の権利義務を直接形成し,その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,
若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い,又はこれらに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員」という。)については,
次のように解するのが相当である。
すなわち,公権力行使等地方公務員の職務の遂行は,
住民の権利義務や法的地位の内容を定め,あるいはこれらに事実上大きな影響を及ぼすなど,
住民の生活に直接間接に重大なかかわりを有するものである。
それゆえ,国民主権の原理に基づき,
国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条,15条1項参照)に照らし,
原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり,
我が国以外の国家に帰属し,
その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは,
本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。
そして,普通地方公共団体が,
公務員制度を構築するに当たって,
公権力行使等地方公務員の職と
これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する
一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも,
その判断により行うことができるものというべきである。
そうすると,【要旨1】[]普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で,
日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは,
合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり,
上記の措置は,労働基準法3条にも,憲法14条1項にも違反するものではないと解するのが相当である。[]
そして,この理は,前記の特別永住者についても異なるものではない。
塩見訴訟
ユンスギル事件
外国人は人権を享有するか
A:否定説:文言上、国民の権利義務となっており、憲法は元来国民に対する国権発動の基準だから
B:肯定説∵人権は前国家的なものであり、国際協和主義からはこれを性質上可能な限り認めるのが妥当である
<外国人の入国の自由>
:認められない∵国際慣習法上国家の自由裁量だから(判例)
<外国人の滞在の自由>
:認められない∵滞在は入国の継続と見られるから
<出国の自由>
判例:外国に移住する自由22条2項は、外国人に限って保障しないという理由はない
佐藤:国際慣行ないし国際慣習法上の問題ゆえ、憲法の問題ではない
<再入国の自由>
:人権ではないと解すべき
在留外国人の場合は、その我が国への帰国(再入国)は、
国際慣習法上、国家は原則として外国人の入国を自由に規制することができるとされていることにかんがみ、
当然に権利として保障されているということができないものであり、
したがつて、
日本国民にとつては、帰国が絶対的な権利として保障されている一時的な海外旅行であつても、
在留外国人にとつては、それは、あくまでも、当該外国人にとつての外国である日本からの出国と、
権利として保障されずあるいは規制されることがあるかも知れない日本への再度の入国というべきもの東京地裁610326
→配偶者が日本人でも同じ
/日本人に準ずる取扱いを受けるべき外国人も存在する
注意
B規約:自国に戻る:国籍国、定住国に戻る権利
<亡命権>
保障あり
保障なし:要立法化
<享有する人権なの範囲と程度>
B1:何人もとあるかどうか
B2:基本権の性質に応じて個別に判断される
<享有する人権の範囲>
定住外国人、一般外国人、難民
各種自由権、裁判を受ける権利
参政権:なし∵国民主権
地方自治の住民に対し国の立法で認めることはできる
公務就任権
:教育的、調査的、非管理的業務についてまで外国人を排斥するのは行き過ぎ
管理職就任権
: 4 しかしながら,前記事実関係等の下で被上告人の慰謝料請求を認容すべきものとした原審の判断は,是認することができない。
その理由は,次のとおりである。
(1) 地方公務員法は,
一般職の地方公務員(以下「職員」という。)に本邦に在留する外国人(以下「在留外国人」という。)を任命することができるかどうかについて明文の規定を置いていないが(同法19条1項参照),
普通地方公共団体が,法による制限の下で,
条例,人事委員会規則等の定めるところにより職員に在留外国人を任命することを禁止するものではない。
普通地方公共団体は,職員に採用した在留外国人について,
国籍を理由として,給与,勤務時間その他の勤務条件につき差別的取扱いをしてはならないものとされており
(労働基準法3条,112条,地方公務員法58条3項),地方公務員法24条6項に基づく給与に関する条例で定められる昇格(給料表の上位の職務の級への変更)等も
上記の勤務条件に含まれるものというべきである。
しかし,上記の定めは,
普通地方公共団体が職員に採用した在留外国人の処遇につき
合理的な理由に基づいて日本国民と異なる取扱いをすることまで許されないとするものではない。
また,そのような取扱いは,合理的な理由に基づくものである限り,憲法14条1項に違反するものでもない。
管理職への昇任は,昇格等を伴うのが通例であるから,
在留外国人を職員に採用するに当たって
管理職への昇任を前提としない条件の下でのみ就任を認めることとする場合には,
そのように取り扱うことにつき合理的な理由が存在することが必要である。
(2) 地方公務員のうち,
住民の権利義務を直接形成し,その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,
若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い,又はこれらに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員」という。)については,
次のように解するのが相当である。
すなわち,公権力行使等地方公務員の職務の遂行は,
住民の権利義務や法的地位の内容を定め,あるいはこれらに事実上大きな影響を及ぼすなど,
住民の生活に直接間接に重大なかかわりを有するものである。
それゆえ,国民主権の原理に基づき,
国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条,15条1項参照)に照らし,
原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり,
我が国以外の国家に帰属し,
その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは,
本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。
そして,普通地方公共団体が,
公務員制度を構築するに当たって,
公権力行使等地方公務員の職と
これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する
一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも,
その判断により行うことができるものというべきである。
そうすると,【要旨1】[]普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で,
日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは,
合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり,
上記の措置は,労働基準法3条にも,憲法14条1項にも違反するものではないと解するのが相当である。[]
そして,この理は,前記の特別永住者についても異なるものではない。
社会権
:否定説:各人の属するそれぞれの国の責務
:日本社会の一員として労働し生活するものに当然に妥当する
→社会保障関係法令中の国籍条項は原則として撤廃されている
程度
全く同じ保障が及ぶわけではない
永住許可は相当難しく、多くは在留期間と活動とに制限を受けて上陸しているにすぎない
経済的自由の領域
:日本国民とは違った特別の規制対象にされる
精神的自由の領域
:参政権的機能を持つ政治活動の自由
→個人の精神活動の自由の範囲を超えて、国民の政治的選択に不当な影響力を行使する様な活動は外国人に認められない
/在留外国人の利害に関わる様な選択については方法に適当を欠くところがない限り、より積極的な意思表示も憲法の保障する自由の範囲に属する
マクリーン事件判決
「政治的活動の事由についても、我が国の政治的意思決定マタアその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位に鑑みこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」
請願権
:保障される
プライバシー権
:指紋押捺制度の合憲性
071215
指紋:
指紋は、指先の紋様であり、それ自体では個人の表生活や人格、思想、信条、良心等個人の内心に関する情報となるものではないが、
性質上万人不同性、終生不変性をもつので、
採取された指紋の利用方法次第では個人の私生活あるいはプライバシーが侵害される危険性がある。
このような意味で、指紋の押なつ制度は、国民の私生活上の自由と密接な関連をもつものと考えられる。
憲法一三条は、国民の私生活上の自由が国家権力の行使に対して保護されるべきことを規定していると解されるので、
個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、
国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、同条の趣旨に反して許されず、
また、右の自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される(最高裁)。
しかしながら、右の自由も、国家権力の行使に対して無制限に保護されるものではなく、
公共の福祉のため必要がある場合には相当の制限を受けることは、憲法一三条に定められているところである。
そこで、外国人登録法が定める在留外国人についての指紋押なつ制度についてみると、
同制度は、昭和二七年に外国人登録法(同年法律第一二五号)が立法された際に、
同法一条の「本邦に在留する外国人の登録を実施することによって外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめ、
もって在留外国人の公正な管理に資する」という目的を達成するため、
戸籍制度のない外国人の人物特定につき最も確実な制度として制定されたもので、
その立法目的には十分な合理性があり、かつ、必要性も肯定できるものである。
また、その具体的な制度内容については、立法後累次の改正があり、立法当初二年ごとの切替え時に必要とされていた押なつ義務が、
その後三年ごと、五年ごとと緩和され、昭和六二年法律第一〇二号によって原則として最初の一回のみとされ、
また、昭和三三年律第三号によって在留期間一年未満の者の押なつ義務が免除されたほか、
平成四年法律第六六号によって永住者(出入国管理及び難民認定法別表第二上欄の永住者の在留資格をもつ者)
及び特別永住者(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に定める特号永住者)にっき
押なつ制度が廃止されるなど
社会の状況変化に応じた改正が行われているが、
本件当時の制度内容は、押なつ義務が三年に一度で、押なつ対象指紋も一指のみであり、
加えて、その強制も罰則による間接強制にとどまるものであって、精神的、肉体的に過度の苦痛を伴うものとまではいえず、
方法としても、一般的に許容される限度を超えない相当なものであったと認められる。
右のような指紋押なつ制度を定めた外国人登録法一四条一項、一八条一項八号が憲法一三条に違反するものでないことは
当裁判所の判例(前記最高裁)の趣旨に徴し明らかであり、所論は理由がない。
外国人の出入国の自由22条関係
一時渡航,なし
入国の自由,合理的理由不要の自由裁量
在留権,なし
出国の自由,22条2項
再入国の自由
定義
保障如何
判例要旨
(◯調査:再入国の自由の人権制、裁量として自由裁量か羈束裁量か)
わの9
外国人の人権享有主体性
/請願権あり
∵前国家的権利∩「何人も」
第16条〔請願権〕
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
*請願書の提出先(請願三、国会七九-八二・一〇二、地自一二四・一二五)、在監者の情願(監七)、請願の処理(請願五)、差別待遇の禁止(請願六)」請願(旧憲三〇)、外国憲法(米修正一、独一七)
請願三 国会七九-八二 国会一〇二 地自一二四 地自一二五 監七 請願五 請願六 旧憲三〇
《英文》
以下条文・判例
<マクリーン事件
:在留の権利/在留期間更新不許可
=政治活動関与
:外国人の政治活動の自由/在留期間更新不許可処分:法務大臣の裁量の範囲内合憲
憲11
2◎憲法第三章の基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民を対象としていると解されているものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶと解されるが、
外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎず、在留の許否を決する国の裁量を拘束するまでの保障は与えられていない。-マクリーン事件上告審-(最大判昭53・10・4民集32-7-1223)
〔憲21〕
34◎わが国に在留する外国人は、政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす等外国人の地位に鑑みこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。-マクリーン事件上告審-(最大判昭53・10・4民集32-7-1223)
〔憲22〕
8◎憲法上、外国人は在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されてはいない。-マクリーン事件上告審-(最大判昭53・10・4民集32-7-1223)
〔憲22〕
外国人の入国・再入国
6◎本条は、外国人の日本国への入国については何ら規定していないものというべきであるから、特別の条約がない限り、国は外国人の入国を許可する義務を負うものでない。(最大判昭32・6・19刑集11-6-1663)
<森川キャサリーン事件
:再入国の自由/不許可処分
=指紋押捺拒否
:外国人の再入国の自由/再入国許可申請却下/法務大臣の不許可処分を裁量の範囲内として合憲と判断
=日本に生活の本拠/指紋押捺拒否:外国旅行のさい、法務大臣により再入国を認められなかった
管理職就任権
4 しかしながら,前記事実関係等の下で被上告人の慰謝料請求を認容すべきものとした原審の判断は,是認することができない。
その理由は,次のとおりである。
(1) 地方公務員法は,
一般職の地方公務員(以下「職員」という。)に本邦に在留する外国人(以下「在留外国人」という。)を任命することができるかどうかについて明文の規定を置いていないが(同法19条1項参照),
普通地方公共団体が,法による制限の下で,
条例,人事委員会規則等の定めるところにより職員に在留外国人を任命することを禁止するものではない。
普通地方公共団体は,職員に採用した在留外国人について,
国籍を理由として,給与,勤務時間その他の勤務条件につき差別的取扱いをしてはならないものとされており
(労働基準法3条,112条,地方公務員法58条3項),地方公務員法24条6項に基づく給与に関する条例で定められる昇格(給料表の上位の職務の級への変更)等も
上記の勤務条件に含まれるものというべきである。
しかし,上記の定めは,
普通地方公共団体が職員に採用した在留外国人の処遇につき
合理的な理由に基づいて日本国民と異なる取扱いをすることまで許されないとするものではない。
また,そのような取扱いは,合理的な理由に基づくものである限り,憲法14条1項に違反するものでもない。
管理職への昇任は,昇格等を伴うのが通例であるから,
在留外国人を職員に採用するに当たって
管理職への昇任を前提としない条件の下でのみ就任を認めることとする場合には,
そのように取り扱うことにつき合理的な理由が存在することが必要である。
(2) 地方公務員のうち,
住民の権利義務を直接形成し,その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,
若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い,又はこれらに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員」という。)については,
次のように解するのが相当である。
すなわち,公権力行使等地方公務員の職務の遂行は,
住民の権利義務や法的地位の内容を定め,あるいはこれらに事実上大きな影響を及ぼすなど,
住民の生活に直接間接に重大なかかわりを有するものである。
それゆえ,国民主権の原理に基づき,
国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条,15条1項参照)に照らし,
原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり,
我が国以外の国家に帰属し,
その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは,
本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。
そして,普通地方公共団体が,
公務員制度を構築するに当たって,
公権力行使等地方公務員の職と
これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する
一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも,
その判断により行うことができるものというべきである。
そうすると,【要旨1】[]普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で,
日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは,
合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり,
上記の措置は,労働基準法3条にも,憲法14条1項にも違反するものではないと解するのが相当である。[]
そして,この理は,前記の特別永住者についても異なるものではない。
塩見訴訟
ユンスギル事件