昨日、渋谷を歩いていた。
ボクの心に渦巻く欲求の色を隠しながら歩いていく事に息苦しさを覚えた。
街に溶け込むように歩いている。
無目的なことを隠しながら、他の人と同じようにと意識をしていないといけない。
昔から常識を身につけさせられて育てられたが、それらとは関係なく本来の性分として相容れない人間性を持っているようだ。
恵まれた環境に育っていなかったらボクの人間性はどのくらい崩壊していたのかと思ってしまう。
最近アイドルになりたいという女の子から、知り合いを通して連絡をもらった。
どうにかデビューさせてもらえないかという事だった。
その子は、表面上、精一杯作りあげた微笑を浮かべているのだが、瞳の奥には暗い闇を感じた。どうやらDVを受けていた被害者としての過去があるようで、だからこそ、他人に気に入られようとしての、微笑みであり、他者に受け入れられたいが為のデビュー希望のようだった。
ボクは、近い色の闇を持っている彼女を気に掛けている。
でも、表面上デビューをしたからといってそこに何があるのだろうか?
もしかしたら、過去の記憶よりも辛い経験を強いられる事もあるかもしれない。
この社会には、アイドル、タレントと呼ばれる女の子は果たしてどれ位いるのだろうか?
恐らく何万人という人が自称芸能人だろうし、それ以上に目指している女の子がいることだろう。
ボクは、幸運にも日本でトップクラスのアイドルと呼ばれる女の子達と近い距離で仕事をする機会に恵まれていた。
そんな本物といわれる子に接していたからこそ、生まれる疑念かもしれない。
芸能界という世界がまばゆく輝く世界に見えるとしたら、それは作り上げられた虚飾であり、神を冒涜したバベルの塔のように、人間の欲求を象徴している世界に過ぎないのである。
それを理解した上で、さらなる高みを目指したいというなら、それは並大抵の努力では済まされない。
しかも努力したからといって、等しく平等に成果を認めてくれる世界でもない。
実社会と同じで、努力以上に才能が必要であり、それ以上に運やコネが幅を効かせてくる。
母数が小さな場合、幾ら掛け算をしても大きくならないのと似ている。
この声が彼女に届き、相応な結果になってくれることを祈っている。