AKB48の中心的な活動とも言われてしまうことがある握手会
シングルをリリースする度に握手会が実施され、ファンはメンバーとの交流を持つことが出来る
これもまた「会いに行けるアイドル」としての側面かもしれない
そして世に言う『AKB商法の根幹』でもある
その時々によって細かい部分は変わるものの、AKB48の握手会は基本的に2種類に分類できる
「全国握手会」と「劇場握手会」である
「全国握手会」とは主に通常盤と呼ばれる普通のCDショップで購入可能なCDに参加券がついており、方式はよくあるアイドル握手会イベントと酷似している
大きい会場で数名のメンバーが並んでおり、順々に握手をしながら通過をしていくというもので、ひたすらに握手をし続けるのみという感じになる
とはいえ、そのシングルでの選抜メンバーを中心とする主要メンバーに一度でいっぱい会えることはメリットであり、特にライトなファン層にとっても参加しやすいものになっている
これに対して「劇場握手会」はちょっと特殊である
「劇場握手会」はAKB48シアターでの直販とキャラアニ通販で購入できる劇場盤と呼ばれるCDを購入すると参加券が入手でき、基本は『メンバー個別指名制』の握手会である
つまり、CD1枚購入でメンバー1人と1回の握手ということになる
これは一見「全国握手会」よりもメリットが少ないように見えるが、実態はちょっと違う
シアターに来ているようなファンにとって、公演や握手会の主たる目的はメンバーによる出欠確認に乗ることなのだ
「ちゃんと来たよ」「ありがとうございます」という会話を交わすために参加しているといっても過言ではない
その意味では「全国握手会」ではそこまでメンバーは確認する余裕がないため、出欠確認にならない
そして何より前述したルールである
『CD1枚購入でメンバー1人と1回の握手』
をメンバーも知っているということが肝である
つまり
メンバーへの推し表明のチャンスであり、推しチェックをされてしまう危険な場でもあるのが「劇場握手会」なのだ
そして運営から見ると、各メンバーのファン構成を確認する機会でもある
もっと露骨に言えば『CD1枚購入でメンバー1人と1回の握手』である以上、ファンを集められるメンバーはそのまま売り上げに貢献しているメンバーということになる
なぜならファンが劇場盤を購入する動機は個別メンバーとの握手であり、2度3度とメンバーに会いたければ何枚もCDを買うことになるのだから、この場では集客力=購買力ということになる
いわば、各メンバーのその時点でのリアルな数値的スキルを測ることができるのだ
しかし、この「劇場握手会」はヲタとメンバーを試す、非常に過酷な場という側面も持っている
集客力があるメンバーはいい
そう、問題は集客力がないメンバーなのだ
よくある「劇場握手会」の方式は、1回当たり1時間程度でメンバーが7~8名程度並んでおり、希望するメンバーの列に並んで順々に握手をしていくというもので、これが1日に数回設定される
参加券はこの回ごとに配布されている
ファンは劇場盤CD購入時に「第2回の参加券ください」などということになる
これが握手会会場を修羅の場に変えてしまう原因である
例えばある回の劇場握手会で、10人のメンバーが参加しており、100枚の参加券が配布されたとしよう
こうするとまず間違いなく、ファンの参加状態は偏る
各メンバーで10枚ずつ消費されるということはハッキリ言って無い
メンバー構成に多分に影響されるが、場合によっては一人で50枚消費してしまったりするような状態も珍しくない
逆にいえば、その煽りを受けて過疎状態に陥るメンバーもいるのだ
時に、大行列が出来ているメンバーの隣で、誰も並んでくれず暇そうにしているメンバーがいたりする
行列規制がかかるメンバーがいるかと思えば、ファンが並ばないので早期終了してしまうメンバーがいたりする
私は握手待ちをしながら泣いているメンバーを見たこともある
そして、ヲタはヲタで自分の推しメンをそんな状況に陥らせまいと必死でカバーに走る
これもまたAKB商法のひとつの側面になっている
私も大堀が悲しそうな顔をしていれば、その場でCDを買い足して握手会会場に走ってしまうだろうから、まさに思うツボというやつであろう
先日東京ビッグサイトで行われた「涙サプライズ!」の大握手会も、少し形状は違うものの「劇場握手会」に分類される
ここでは混乱を避けるためにある措置がとられていた
2009年4月、原宿での「10年桜」大握手会では、前述の劇場握手会と同じ方式がとられた結果、超長蛇の行列が出来上がり、会場周辺に多大な迷惑をかけて警察沙汰にまでなってしまった
その轍を踏むまいと、ビッグサイト握手会では事前に握手会を配布する時点でメンバー指定の握手券を作成していたのだ
(そもそも会場がビッグサイトという時点でヲタの封じ込めに走っているわけだが、ここでは握手会でメンバーの購買力が出ているというところに論点をフォーカスする)
この措置はひとつの現実を発生させる
事前に運営側がメンバーごとの配布済み握手券の数がわかっていたため、メンバーごとの出番時間を調整していたのだ
前田敦子などのトップメンバーは握手券が規定数に達しており、握手会参加時間はなんと最長の5時間45分(途中休憩アリ)
過去に例のないロングランを戦うことになった
逆に最短となったメンバーの設定時間は45分
この差は決定的である
先日行われた総選挙になぞらえて、ヲタの間でこの握手券配布状況は「裏選挙」と呼ばれていた
上位21位にまで入れるかどうかが主眼であったり中間発表もあった総選挙とは違い、この「裏選挙」はファンの欲望的動機に依っていることから、かなりリアルな数字を表しているし、そのことを運営もよくわかっている
それだけに『諸々の判断』に、この数字が効いてくることは間違いない
今後も握手会はシングルが発売されるたびに開催されるだろう
当面は、という注意書きが付くかもしれないが
そして、その度にメンバーとヲタは試される
この時にヲタが取るべきスタンスは「来るなら来てみろ」なのだろう
だからこそ
メンバーを「支える」という要素があるAKB48のヲタ活動において、握手会はずっと中心であり続けるのだ