2007年
私は、小さいころから怖い夢を見続けていた。
シチュエーションや時代背景などは変わるのだが、内容は同じなのだ。
人物はそのままの自分だったり男だったり、近未来だったり。
ある組織から何かを持って逃げる夢。
そして隠れる夢。隠れるといっても、ギリギリ見つかるか見つからないかのところでドキドキさせられる。
ある前世を見ることのできるという先生に相談していた。
「先生、もしかして私はスパイで機密情報とか持ち出して追われていたなんてことはありませんか?」
いつも見る夢の内容を詳しく伝えて相談していた。
「そんな格好いいものじゃないよ。これよこれ。」
指で銭マークを作られた。
「マフィアから金を持ち出して、フランスの方まで逃げているね。」
「捕まったんですか?」
「捕まっていないみたいだよ。可哀相に、そうとう怖かったんだろうねぇ。」
そうして77歳まで見つからずに生き延びたことを教えられた。
それから不思議とあの怖かった夢は全く見なくなったのだ。
前世の存在をこの時、初めてはっきりと実感した経験となった。
2011年
あれから、イタリア前世についても思い出したことが増えてきた頃だった。
私はある女性に恋をした。
恋に落ちると同時に、過去世の想いまで蘇ってきた。
尋常でない焦燥感。
愛おしいと同時に壊したいような衝動と嫉妬・・・
イタリアの過去世に関係あると直感でわかった。
きっと、自分は彼女を殺したことがあるに違いない。
そして、彼女との過去世での夢を見た。