眞子さまの結婚問題で、国民の怒りは一向におさまらない。天皇や皇族方に仕えていた人物は、こう話す。

「悲しいことだが、いまの皇室は、国民の失望や怒りに対して向き合っているといえるのだろうか。国民の目を見て話し合おう、という『心』を皇室や宮内庁から感じることが出来ない。人びとの批判がやまないのは、人びとがそう、感じているからではないでしょうか」


さて?国民は眞子さんと小室圭さんの結婚に反対していたのだろうか。

毎日新聞と社会調査研究センターが2021年9月18日に実施した全国世論調査では、眞子さんと小室圭さんの結婚に「祝福したい」との回答は38%で、「祝福できない」の35%を上回った。


読売新聞社が2021年10月4~5日に実施した全国世論調査では、眞子さんと小室圭さんが結婚することについて、よかったと「思う」との回答は53%で「思わない」は33%だった。

時事通信が行った2021年11月の世論調査では、眞子さんと小室圭さんの結婚について「良かったと思う」が43.7%、「良かったと思わない」が26.5%だった。

いずれの世論調査でも眞子さんと小室圭さんの結婚に賛成し、祝福する人たちの比率は否定派よりも多い。


NHKが2019年9月に行った世論調査では、皇室に「親しみを感じている」が71%。
10年前の2009年の調査では「親しみを感じている」が61%で、それよりも10ポイント増えている。



2019年9月といえば週刊誌やワイドショーで小室圭さんに対するバッシング報道が吹き荒れていたころだが、世論調査では皇室に親しみを覚える人たちの比率は逆に10ポイントも上昇しているのだ。

小室夫妻の結婚にまつわる報道が国民の皇室への不信を招いたとする根拠はない。

それは記事を書いた永井貴子の主観に過ぎない。



あれだけ週刊誌やワイドショーなどで小室圭さんやその母親への人権侵害レベルの報道がなされたのにもかかわらず、圭さんと眞子さんの結婚を応援する人たちの方が多かったのだ。

メディアがもう少し客観的で公平な報道をしていたなら、賛成派の数はさらに増えたことだろう。


秋篠宮家の長女、眞子さま(29)との結婚が暗礁に乗り上げた小室圭さん(29)。国民の大反発を乗り越えて王族と結婚した好例として引き合いに出されるのが、ノルウェーのメッテ王妃だ。
 実はノルウェー王室は「お騒がせロイヤル」の宝庫。恋人と怪しげな商売に手を出し批判を浴びた王女もいる。「お相手」問題で批判を受けながらも国民人気の落ちないノルウェー王室と敬愛を失いかねない危機にある日本の皇室。二つのロイヤルの決定的な違いを専門家が明かす。


ノルウェーの王太子妃と小室圭さんとでは事情は全く違う。

メッテ=マリットは一般人から王太子妃になった。
それに対して小室家さんは眞子内親王と結婚しても皇族とはならず一般人のままだ。
眞子内親王も小室圭さんと結婚すれば皇籍を離れて一般人となる。

ノルウェーの王室では王子や王女の結婚は国王の承認を必要とするが、日本の皇室では女性皇族の婚姻について皇室会議での議を経ることも必要ではない。

ノルウェー王室では王族の結婚が公的な事がらであるのに対し、日本の皇室では女性皇族の結婚は私的な領域に属する。

その私的な結婚に対して「多くの人たちの納得と祝福」を求めた秋篠宮や、小室圭さんへ母親の「金銭トラブル」についての説明を要求した西村泰彦宮内庁長官こそ公私混同で非難されるべきなのだ。

 

 

「国民に対する誠実さであり、正直さでしょう」

 こう話すのは、象徴天皇制を研究する河西秀哉・名古屋大准教授(歴史学)だ。

「たしかに、欧州王室と日本の皇室は前提が異なる部分があり、単純に比較はできません。またノルウェー王族のふるまいも、日本では想像できないほど破天荒です。しかし、メッテ妃もルイーセ王女の件でも一貫しているのは、国民に向き合う正直さ。
そして、過ちがあれば素直に認め、理解してもらおうと努力を続ける姿勢です」

 必ずしも、計算がないとはいえない。だが、戦争と外交に明け暮れた歴史を持つ欧州王室が、駆け引きに長けているのは当然だ。

「メッテ妃の記者会見も一世一代の大勝負であり、人生をかけた大舞台であった。ルイーセ王女が、SNSを通じた謝罪やけじめのつけ方は、『軽い』というより、最も国民感情に訴える方法だと判断したのでしょう。日本の場合、ロイヤルに求める品位や節度、伝統への思いはさらに強い。そうした、皇室に敬愛を持つ人びとの存在が皇室を守ってきたのだと思います」(河西さん)

 眞子さまと小室さんの結婚問題では国民とのズレを埋めるべく、宮内庁長官ら幹部がハンドリングを試みたものの空回りに終わった。
ふたりは、天皇と秋篠宮さまから、トラブルを抱える恋人との結婚について、「国民の納得と祝福」という条件を課された。

「問題は小室さんの世代には、そうした日本人が大切にしている常識や完成が通じないという点です。民間のセレブと同じように、『理解して貰わなくてもいい』という姿勢が透けて見える限り、人びとが祝福をするのは難しいでしょう」(河西さん)

 



同じくメッテ=マリット妃について取り上げたサンドラ・ヘフェリンの記事は、永井貴子とは趣旨が180度異なっている。

 

 

 

 


ノルウエーではシングルマザーの割合が50%を超えています。だから、シングルマザーに育てられ、自らもシングルマザーであったメッテさんを国民が受け入れることができたのかもしれません。小室さんもシングルマザーである母親に育てられました。バッシングの背景にはシングルマザーへの強い偏見もあるのではと筆者は感じています。

小室圭さんとその母親への非難は、日本人のシングルマザーやひとり親家族への偏見や差別意識が根底にある。

永井貴子などはその最たる者の一人で、小室親子への人権侵害レベルの中傷記事を書いてきた。
シングルマザーへの偏見が強い日本では、メッテ=マリットのような経歴の女性が男性皇族の配偶者になることは、ほぼ100%ありえないことだろう。

事情が180度異なるホーコン王太子夫妻と小室夫妻の結婚を同列に論じ、実現する可能性のないことを提言する永井貴子と河西秀哉は無責任の極みである。


このようにヨーロッパの事例を紹介すると、必ず日本人からこう反論されます。

「日本の皇室は、ヨーロッパの王室とは違う。比べること自体がおかしい」と。

しかし、スウェーデンのダニエルさんも、ノルウエーのメッテさんも、「王族との結婚後に王室の一員となった人」です。
小室さんと眞子さまに関しては、小室さんは皇室に入る人ではありません。小室さんとの結婚により、眞子さまは皇室を離脱する立場です。そういったことを考えると、そもそも「結婚により皇室を離れ一般人となる」眞子さまについて「お相手の男性が皇室にふさわしくない」とすること自体が非論理的だと感じます。


そういう非論理的なことを述べる人物が「象徴天皇制を研究する歴史学者」としてメディアから引っ張りだこで、そのコメントを基に小室親子や秋篠宮家を誹謗する記者がいる。


日本の研究者とメディアのサード・クラス性をまざまざと思い知らされます。



日本経済新聞 2021年10月26日
令和の皇室


眞子さん結婚 海外の識者はどう見たか
象徴天皇制研究者 ケネス・ルオフ氏

「皇室、時代と共に変化を」

ケネス・ルオフ 米ポートランド州立大学教授


象徴天皇制研究者で米ポートランド州立大学日本研究センター所長のケネス・ルオフ氏の話 今回の結婚については米国でもよく聞かれる。
「女性皇族は結婚すれば民間人になる。『日本代表』でもないのに結婚をあれこれ論じられるのは少々アンフェアではないか」と答えている。

女性皇族が結婚で皇室を離れなければならないこと、日本では女性が天皇になることに強い反対があることを説明すると、皆困惑する。先進国のなかで男女平等が非常に重要になってきている21世紀に、これでは日本の印象が悪くなると思う。

新型コロナウイルス禍や経済問題、中国の台頭など、何かにつけて人々は怒っている。その怒りが悲劇的な形で2人に向けられているのではないか。

この問題は一つの警告として受け止めるべきだと思う。悠仁さまはかなりの関心を持って事態を見ているはずだ。自身の結婚も難しくなると考えているだろう。将来、皇太子や天皇になることをためらう可能性もある。

日本の皇室が長く続いてきたのは、伝統に固執してきたからではない。伝統を守ることは重要だが、時代に合わせて変化してきたからこそ、皇室は存続してきた。そう考えている日本人は多いと思う。

21世紀の今、女性の天皇を認めるかどうかだけではなく、皇室の様々な分野を見直す時期に来ているのではないだろうか。

皇族であろうとなかろうと、眞子さんには自分の人生を楽しむ権利、夫を選ぶ権利、そして不当な批判を受けない権利がある。だからこそ、この制度の運営方法を様々な側面から見直す必要がある。

 

日本の皇室も時代に応じて変革を重ねてきた。

 

近代になってから側室制度の廃止、一夫一婦制の確立。


戦後になってからは皇太子と「平民」の正田美智子さんの結婚。宮内庁病院での出産や家族同居での子育てetc.

エドワード8世は離婚歴のあるアメリカ人女性と結婚するために王冠を捨てたが、エリザベス女王は孫であるヘンリー王子が離婚歴のある元ハリウッド女優と結婚することを認めた。

キャサリン妃だって中流階級の出身で母方の祖父母は労働者階級の出身だ。20年前なら貴賤結婚ということでウィリアム王子との結婚は認められなかっただろう。

伝統と格式を誇るイギリス王室だって急速に変化を遂げつつある。

 

本人とは関係のない母親の金銭トラブルなどヨーロッパの王室ではまったく問題視されない事がらだ。

 

 

 

 

愛する人と結婚できてよかった。日本では女性皇族は結婚すれば皇室を出るのだから、誰と結婚しても問題ないはず。基本的には小室さんの母親(佳代さん)の問題(元婚約者との金銭トラブルなど)であり、なぜ、子供がその責任を負わなければいけないのか、全く理解ができない。海外の王室で同様のことがあっても、問題になることはないだろう。

 

 

「ロイヤルセントラル」の副編集長で、王室ジャーナリストのブリッタニ・バーガー氏は語っている。

 

日本の皇室は女性皇族には皇位継承権を与えず、結婚すると身分を失って一般人になる。

これは甚だしい女性差別だ。

しかも国民はプリンセス・眞子のボーイフレンドとの私的な交際にまで口をだす。

母親の金銭トラブルは小室圭と無関係な問題で皇位継承に関与しない眞子が誰と結婚しようが自由だ。

 

これが海外の主要メディアの一致した見解である。

 

 

アエラドットと象徴天皇制を研究する歴史学者の常識は世界の非常識なのだ。