保険適用拡大!今回の手術で利用する

最先端医療のロボット支援手術の

メリット・費用・適応を解説

 

ロボット支援手術は、医師がロボットを操作して手術を行います。

正式名は「ロボット支援下内視鏡手術」といい、内視鏡手術の1つです。

これまで、ロボット支援手術が健康保険の適用となるのは、前立腺がんと腎臓がんに限られていましたが、2018年4月から新たに10の病気でも保険が適用できることになり、注目が集まっています。

 

ロボット支援手術のさまざまな長所

ロボット支援手術

サージャンコンソールでロボットを操作する医師

 

ロボット支援手術が通常の内視鏡手術と異なるのは、内視鏡カメラや手術器具を持つのが、人の手ではなくロボットのアームであることです。このアームは、数メートル離れた操縦席(サージャンコンソール)で医師がコントローラーを操作して動かします。

ロボットのアームや内視鏡カメラには医師の操作を助けるさまざまな機能があり、人の手で行うよりも精密で安全性の高い手術が行いやすくなります。その分、難しい手術が行いやすく、合併症の危険性も減ると考えられます。開腹手術や開胸手術、通常の内視鏡手術に比べて、医師が早く習熟できるという利点もあります。

   

 

ロボット支援手術は、保険適用されていなかった病気の場合、これまでは患者さん、または医療機関が医療費を全額負担する自由診療で行われてきました。その治療実績をもとに、厚生労働省に正式に安全性を認められたため、保険適用となりました。
保険適用でロボット支援手術を受ける場合、患者さんが負担する費用は大幅に下がり、通常の内視鏡手術と同額になります。

たとえば胃がんに対するロボット支援手術の場合、自由診療のときの患者さんが負担する費用は200万円ほどでしたが、保険適用による3割負担なら50~60万円程度まで減ります。また、収入などにもよりますが、高額療養費制度を利用すれば、患者さんが負担する費用はさらに10万円前後まで下がります。

ロボット支援手術を希望する場合

ロボット支援手術を希望する場合

ロボット支援手術を希望する場合、まず担当医などに相談して、自分のケースがロボット支援手術の対象となるかを確認してください。ロボット支援手術を行っている医療機関については、各施設のホームページや問い合わせで確認することができますが、健康保険で受けられることを必ず確認してください。

ロボット支援手術を保険適用で行える医療機関は、厚生労働省が定める施設基準を満たしていなければなりません。その医療機関で、ロボット支援手術だけでなく、通常の内視鏡手術、また開腹手術や開胸手術も十分行っていることも条件となっています。

安全のためには、ロボット支援手術を含めたさまざまな手術から適切な方法を選択できる医療機関で手術を受けることが重要です。患者さんは、主治医に、自分が受けられる手術と、それぞれの手術の長所や短所など特徴について詳しく説明を受けたうえで選択することが大切です。