小ネタですよ。
えぇ、小ネタです(きぱっ)
書きたくても本編では書けないので、
ここで消化しませう。
あるヒトとの会話 恋愛要素在り?
スルリ、と後ろから腰を抱く様に回された、美しい筋肉の付いた腕に、ピシリと固まる。
今でこそ、大混乱の境地になる事は少なくなったが、慣れない状態に喉の水分は急速に無くなる。
「……放してクダサイマセンカ?」
「断る」
「っ」
カラカラに乾上った喉から、どうにか漏らしたカタコト交じりの言葉に、彼はあっさりと拒否を返す。
チラリと視線を見上げれば、愉しげに口角が上がっているのが見える。
きっと、私がカチコチに固まるのが愉しいのだろう
……苛めっ子めっ
等と、心中で遠い目をしながら、多少はもがいてみるものの。
武人らしい体付きの彼は、ビクともしない。
いつもであれば、此処で黒玲かファルが猛然と突入をかまして、事は無かった事になるのだが、今日は期待できないらしい。壊れモノの様に優しく、それでいて振りほどけないぐらいの力で抱き寄せられ、彼の胸元に必然的に納まれば。
その現状に羞恥で顔に熱が灯る。
「イヤ、本当に 放してホシインデスヨ」
必死に顔を真っ赤にしたまま腕を突っ張るが、力では叶いもしないので言わずもがな。
10cmも離れる事の出来ないまま、力尽きて元の位置に戻る。
異性とのスキンシップに慣れていない、そんな私には強すぎる刺激に無意識に、目の淵に水が溜まり始める。
「……そんなに嫌か」
ふぅ、と長めのため息が吐き出された後にそんな言葉が上から降ってくる。
彼とは結構な身長差の為、それは必然的な事なのだけれども、無意識にビクリと身体が跳ねてしまう。
つい、と細く見えるが意外にしっかりとした造りの彼の指が、私の頬をゆっくりとした動作でなぞり、最終的に行き着いた顎の下から軽く人差し指だけで顔を上げさせられる。
眼前にドドンと、ある顔の近さに目を見開けば、いつもなら愉悦を浮かべている瞳に、真剣な別の意思を宿して私を見つめる。
「だが、逃がしてはやらん」
続けられた言葉は、私に向けて言われただろうに、ポンコツの脳ミソはその言葉の意味をすぐさま理解する事が出来なかった。
あまりの状況に、思考能力の追いつかない私の顔に影がかかる。
近づいてくるのは、お月様みたいな薄い金の髪に真紅の瞳のお綺麗なヒトの顔。
「抜け駆けはダメだよ?」
不意に聞こえた柔らかな声音に、彼の動作はぴたりと止まる。
私たちが向ける視線の先には、白髪に琥珀の瞳の青年と横でフルフルと肩を震わせている黒玲とファルの姿。
あ、やばい
そんな事を思った、次の瞬間には。
「主に触れるでないっ!! このケダモノっ!!」
「リョーコに触れるなっ!!!」
世界と気性のダブル絶叫により、いつもの空気に戻るのだった。