2018年撮影のジャッキー・チェン&ジョン・シナ主演の映画《狂怒沙暴》、その後、権利問題や、ダブル主演のジョン・シナが台湾を国と言っただとか、コロナ禍だとか、いろんな問題がぐちゃぐちゃで、ずっと公開されずに数年経過...
それが、やっと今年、一部の国・地域で7月上旬より劇場公開、欧米は7月28日よりNetflixで公開で日の目をみることになりました。日本でも、《プロジェクトX-トラクション》という邦題で、Netflixで7月28日より配信開始とのこと。
 
しかし、この映画に投資した中国映画会社の唐德影視は、すでにこの映画の版権を手放しているらしく、中国でこの映画の上映はないらしい。中国で上映しない上に、ジャッキー市場がまだある日本ですらNetflixでの配信となると、どう考えても香港で劇場公開の可能性はゼロ。その上、Netflix香港でやるという話も見聞きしない。*1
その状況で、私は6月終わりごろ、シンガポールで7月7日より劇場公開するということに気が付きました。シンガポールなら治安面も良好、言語面も英語・中国語OK、交通面も飛行機も香港からも直行ありで、現地の交通も地下鉄・バスが便利と、旅行する難易度は他の劇場公開のある国・地域とは比べ物にならないぐらい簡単。それに、シンガポールなら映画の上映も中国語と英語の字幕つくので、内容を理解しやすい。旦那も7月10日の休みが取れたので、これは、思い立ったら行った方が後悔がないと思い、シンガポールへ行ってきました。
 
飛行機は、7月8日HKG8:00-SIN11:55、7月10日SIN1:45-HKG5:55、つまり香港を離れたのは48時間足らず、シンガポール滞在も実質1日半だけの旅行。でも、シンガポールは、香港といろんな面似ているので、香港在住の私や香港人の旦那にとっては、長期滞在してまで観光するところも無いので、映画見るのが主要目的で、ついでに少し観光するだけなら、2日で十分かなと。
ちなみに、シンガポールはコロナ禍終了体制という感じ。マスクしてる人はチラホラいるので、マスクしていても不自然な感じはしないけど、でも少数派。ただ、その分、マスクもせず変な咳してる人もいろんなところでチラホラ。私達は出来るだけ感染したくないので、食事以外はずっとマスクしてました。防疫の観点から、食事も、室内は出来るだけ避けようと思ってましたが、シンガポールはホーカーズが多く、店先にオープンエリアの席を作ってる店も多くて、換気が悪い閉め切った室内での食事を避けても、食事をする選択が多いのは、よかったです。
 
シンガポールの物価は香港以上に高い。ホテルは本当に高くて、立地が良ければ、ゲストハウスレベルでも、日本円で一万円以上。でも、コロナ防疫的にあんまり変なところに宿泊するのもなあと、悩んだすえ、ペニンシュラエクセルシオールホテル、一応4つ星約SGD190 (日本円約20000円)。私はアゴダでちょうど特価適用でキャンセル不可条件でこの値段だけど、他のサイトなら25000円ぐらいはするホテル。口コミを見ると、古いらしく、とても4つ星という感じではないということだったけど、まあ、一応の設備は整ってるし、ペニンシュラなら、大丈夫かなあと思ったんだけど...
それが、到着早々、ロビーは大行列。システムアップグレードによるトラブルらしいけど、並んでいる間、誰からも何の説明もなく、長時間待たされた。1時間以上並んでやっと自分達の番になっても、そこからも長い。部屋はアップグレードするけど、準備が出来ておらずあと30分必要と。そんなに待ってたら、映画のスケジュールに間に合わないので、キーは後でもらうことにして、コンシェルジュに荷物を預けて、そのままホテルを出発。チェックインに1時間半必要なホテルなんて、本当に初めて。
シンガポールは2009年に、張宇と陳昇と黃品源のジョイントコンサート『三個好男人演唱會』を見るために行ったきりの2回目の訪問なのですが、その時に泊った4つ星のHotel Royal @ Queensも、最終日、ホテルが停電で泊まれないというトラブルがあったのよね。今回もまさかのトラブルで「私はシンガポールのホテルとはウマがあわないのか」と本当に運がないなあと思った。香港に戻ってきて後でググったら、ここは名前にペニンシュラと入ってるけど、ペニンシュラグループとは何の関係もないそうで、名前に騙された感じ。部屋も掃除が甘くてバスタブあったけど、浸かるのは諦めた。シンガポールは、4つ星レベルは中途半端に高くて、中途半場に問題があるのかもしれない。何かトラブルがあっても「仕方ないか」と諦められるぐらいすごく安いホテルにするか、もしくは、とても高い5つ星のホテルにしないとだめなのかもなあ。
 
さて、しょっぱなからトラブルに見舞われたシンガポールですが、今回の目的の映画鑑賞!滞在中、1日1回、合計2回鑑賞しました。
 
 
1回目は7月8日16:15 Shaw Theatre Lido Hall 2 (席数約120席)にて鑑賞、映画チケットは一人SGD15.5(約1600円)。
Shaw Theatre Lidoは、初日はHall 5 (席数約160席)での上映が主流だったのですが、公開2日目にして、さらに小さい箱に変更になってた(泣)。やはり、この時期、IMAXや大きな箱は、ミッションインポッシブルとインディジョーンズに占められてるのは、仕方ないけど、《狂怒沙暴》が公開第一週目の土日に小さな箱に変更というのは、この映画、あまり宣伝もされてないし、主力映画ではないんだろうなあ。
ただ、箱が小さかったからか、私が見た回は、土曜日の午後なのもあって、半分ぐらいは入ってた。
 
2回目は7月9日13:00 Golden Village Vivocity Hall 10 (席数約140席)にて鑑賞。映画チケットは、こちらも一人SGD15.5(約1600円)。

ここは、チケットの有人販売がなくて、機械で購入する必要があった。

前日のLido Hall 5と箱の規模はそれほど変わらない感じがしたけど、スクリーンがこちらの方が大きくてよかった。客数は3割ぐらいか?あまり入ってなかったけど、全体的に、前日Lidoで見たときより観客の反応が良かった。
 
そうそう、カルチャーショックというか、びっくりしたのが、私が見に行った映画館2館とも、係員による案内がほとんどなかった。自分で上映館探して、自分で席探して勝手に鑑賞って感じで、びっくりした。Shaw Lido なんて、箱の中の照明もずっと消えたままなので、自分の携帯のライトで照らしながら探したよ。
 
ちなみに、Vivocityに映画見に行く前に、シンガポールのアニタファンが教えてくれた肉骨茶の有名店「歐南園亞華肉骨茶」に寄って、ブランチを食べたんだけど、このお店、香港の有名人も沢山来た事がある店でユン・ピョウも来たことあるみたい。

歐南園亞華肉骨茶ギャラリー http://yahua.com.sg/gallery/

ユン・ピョウの写真
 
 
さてさて、《狂怒沙暴 Hidden Strike》 映画の感想です。
私は正直、この映画、あまり期待はしていませんでした。だって、ここ数年のジャッキー映画、期待を下回ることが多くて、「今度も大したことないんだろうなあ」と思って鑑賞しました。でも、実際に映画見たら、もともと期待値が低かったのもあるかもだけど「思ったよりいい」「悪くない」と思いました。
むろん「傑作」と言えるほどではなく、《英倫對決 ザ・フォーリナー》には遠く及ばないとは思う。でも、ここ20年ぐらいのジャッキー映画の中では、比較的良い出来の映画と思う。少なくとも、《急先鋒 プロジェクトV》よりは良い。なにより、この映画は、実際の主演は他の人なのにジャッキー主演として客を呼ぶような「看板に偽りあり」の映画ではなく、この映画は誰が見ても、「ジャッキー・チェンとジョン・シナが主演」と感じるだろうと思った。
アクションシーンはそんなに多くない。旦那さんも「映画はまあ悪くないけど、ジャッキー年取ったね、アクション少ない」という感想でした。それに、私は「ジャッキーが自分でやってない」という感じが《ザ・フォーリナー》より強いと感じた。《ザ・フォーリナー》も、顔が映ってないアクションシーンは全部本人ではないはずなんだけど、ダブルの使い方が上手いのか、そこまで強くダブルの感じがしなかった。でも、この《狂怒沙暴》は、ダブルを分かりにくくしたいのか、アクションシーンが暗いシーンが多いし、遠景のシーンも多くて、却ってシルエットがダブルっぽく感じ、「ジャッキーじゃないな」と感じるところが結構あった。
ただ、ジャッキーの顔が見えるアクションもそこそこあって、60代半ばの時の撮影とは思えないかっこ良さは有ったし、アクションが緊張感と殺気があっていいと思う。 私は《ザ・フォーリナー》のアクションシーンを思い起こした。でも、緊張感ばかりではなく、コメディ成分が散りばめられているので楽しさもある。
ストーリーはそんなに複雑ではなく、むしろありきたりな脚本かも。でも、香港のアクション映画にありがちなアクションをするために無理やりアクションに持っていくような話の流れはなかったと思うし、父親と娘の関係も、《龍馬精神》みたいに無理やり感は感じなかった。
 
ちなみに、私は復路のキャセイの機内エンタメで、ジョンウィック4を飛ばし見して、アクションシーンのいくつかを再度見てみた(すでに香港の映画館では1度鑑賞済み)。個人的な感覚では、「ジョンウィック4」のアクションって、全体的に、ファンタジーというかゲームの画面見てるような感じで、スタイリッシュでカッコいいけど、あまりリアリティを感じなくて、肉体の痛みが伝わってこない感じがする。《狂怒沙暴》のアクションの方が、実際に人間が戦ってる感じがして、こういうアクションの方が私は好きだなあと再確認。(もちろん、こういうのは、好みの問題なので、ジョンウィックの方がいいと思う人も少なくないとは思うけど)
 
私は、シンガポールに行く前に、普通の予告編は見たけど、ロシアの予告編は見ずに本編を見ました。映画を見た後にロシアの予告編を見ましたが、ロシアの予告編はアクションシーンをちょっと見せすぎだと思う。まだロシアの予告編見てない人は、わざわざ見ない方がいいと思う。だって、あれ見ると、すごくアクションシーン多そうに見えるから。

そんなに大きな期待はしない方がいいかもしれないけど、この映画の為にNetflixに加入する価値は十二分にあると思う。

 
なお、張學友のコンサートの為にシンガポールに行くと言う方が居れば、ぜひついでに、映画館で《狂怒沙暴 Hidden Strike》見てきてください。チャンギ空港と接続したショッピングセンターJewel の中のShaw Theatres Jewel でも、上映あります。

Shaw Theatres Hidden Strike (狂怒沙暴)  https://shaw.sg/movie-details/204

 

*1注釈追記(7月28日)

本当にまったく宣伝もなく、話題にもならないまま、でも、無事に香港でも7月28日配信開始になりました。よかったあ。