固定IPアドレスとは | サルでも分かるテレビ会議用語辞典

固定IPアドレスとは


前回のテーマであるIPアドレスについては、ネットワーク上の住所であるとご説明しましたが、このIPアドレスにも静的(固定)IPと動的(非固定)IPアドレスがあります。


一般家庭でインターネットを楽しむ場合パソコンを起動してインターネットへ接続する度に異なるIPアドレスをプロバイダから付与されているという話は前回ご説明しましたが、ではなぜ固定されたIPアドレスを付与されないのかをご説明いたします。


現在のIPアドレスのしくみ(IPV4)では約43億通りの組み合わせしかできず、これを世界中の人と共有しないといけないので、そのまま固定して使用すると足りなくなってしまうのです。2010年の段階で世界の人口は69億人と言われていますが、使っていない人を考えるとそんなに足りなくはなさそうに思えますが、みなさん自宅のパソコンだけではなく会社のパソコンや携帯電話などからもインターネットに接続していますよね。一人が複数台の端末(装置)でIPアドレスを使っているということは、43億通りでは全然足りません。

携帯電話が普及した当時の番号は10桁だったのが、加入者数の数が増えて足りなくなってきたため平成11年以降11桁になったように、IPアドレスも新しいしくみ(IPV6)に移行されようとしています。新しいしくみに変わればとんでもない数の組み合わせ(340兆の1兆倍の1兆倍)ができるので、足りなくなるという問題は解消されるのですが、移行にはかなりの問題があるので簡単にはできないと言われています。


つまり今の段階ではIPアドレスが足りないため、固定(静的)IPアドレスと非固定(動的)IPアドレスが使い分けられているのです。


ではこの2つのIPアドレスはどう違うのかをカンタンにカプセルホテルに例えてみましょう。カプセルホテルに行った事がない方はスポーツジムやゴルフ場に置き換えて想像して下さい。


まずカプセルホテルに到着すると、住所や氏名を記入し、ロッカーの鍵が渡されます。このロッカー番号はお客様が勝手に決めるものではなく、ホテル側がこの番号を決めてお客様に鍵を渡し、そして誰々さんに渡したと管理します。

これは私のような一般人が利用する場合の流れですが、お金持ちの人はこのロッカーを年間契約して毎月決まった金額を払う事で常に同じロッカーが使えるので荷物も置いたままにすることができます。(お金持ちの人がカプセルホテルを使うのかという議論は置いといて・・)


まとめると、一般的に家庭からインターネットをする場合は、接続業者(プロバイダ)がインターネットへ接続する度にプロバイダが持っているIPアドレスの中から使っていないものを選んでその人に付与します。つまり毎回IPアドレスが変わるのですが、このIPアドレスが毎回変わっては困るという企業などは別に追加費用を払って決まったIPアドレスを借りているということです。

プロバイダは固定IPアドレスだけではなく、非固定IPアドレスについても何日の何時何分から何時何分まで誰にこのアドレスを付与していたかはすべて記録(ログ)として残していますので、パソコンから法に触れるような事をすれば調べて行けば、どのPCからアクセスがあったのかは基本的に分かってしまうということです。


どうやってIPアドレスを管理しているかなんて考えるとこんがらがります。私達はプロバイダがあるからインターネットが簡単にできるんだと感謝しましょう。


今回は固定IPについてご説明いたしましたが、次回はグローバルIPアドレスとプライベート(ローカル)IPアドレスについて考えてみたいと思います。ローマ字やカタカタばかりが続きますが、そもそもパソコンやインターネットの世界は海外で始まったものなので、我慢して理解していきましょう。