オススメ度 ★★★☆☆
湯浅政明監督によるオリジナルアニメ映画。
両親の離婚をきっかけに感情を見せなくなった少年が、人魚と出会ったひと夏のお話。
本作は、湯浅監督が抱いていた「心から好きなものを、口に出して『好き』と言えているか?」という現代への疑問を着想の源に、主人公の少年による"心の解放劇"が物語の主軸となっている。
「崖の上のポニョ」に似ていると感じた方も多いと思うが、それは「ポニョ」の存在を失念していた湯浅監督のうっかりです。
楽しいノリとさりげない伏線、そこに音楽が加わったエンターテイメント性のあるアニメ。
湯浅監督らしい、多くを語らず映像で感じ取らせる演出、またその情報量が的確である。
ひっそりとした感動と切なさが組み込まれたラストで余韻が残される。
しかし、湯浅監督のメッセージ性は伝わるもののあまりにもシンプルで特に意外性もない一直線なストーリー。
映像での魅了する力強さはあるが、面白いか面白くないと感じるか、このアニメを見てどう受け取るかは人それぞれだと思います。
私は湯浅監督の大ファンであるが、個人的には「カイバ」のような濃厚な話の方が好きなので評価は普通で。
楽しい気分になれるアニメだったと思います。