英語に限らずなのですが、子どもにしろ大人にしろ、新しい言語を「話せる」「コミュニケーションがとれる」ようになるために必要なことって何なのかな、と最近考えていて、よく思うことがあります。

 

 

 

それは、

 

 

 

単語や文法の間違いは、外国語学習者にとってそんなには重大な誤りではない

 

 

 

ということ。たとえばですね。生まれてから45年間、英語しか話してこなかったニュージーランド人の我が夫(あ、日本語は少しだけかじってますが)。この人が必ず、100%間違える単語が、

 

 

 

bought と brought。

 

 

 

何か新しい服を着てた時などに、「あれ。それいつ買ったの?」と聞くと、

 

 

 

I brought this last week, not so bad is it?

(先週買ったんだよ。悪くないでしょ)

 

 

 

というふうに言うんです。そこで私のツッコミが毎回入る。broughtじゃないだろ、boughtだろ、チミは本当に英語ネイティブか?と。ご存知のように、broughtは「持ってきた」で、「買った」はbuyの過去形のbought。これ、野獣さんママにもいっつも指摘されてるんですが、絶対に直らない。45年来の癖はそう簡単には直りません。

 

 

 

あれですよね、日本人でも「的を射た」というところを「的を得た」と言っちゃう人いますよね。それと同じ感覚かと。

 

 

 

ネイティブでもこういう間違えをする人は非常に多い。それと、幼児や小学生に多い間違いが、イレギュラーな動詞の過去形を間違えること。たとえばさっきのような過去形の間違いだと・・・

 

 

 

「bought」ではなく「buyed」

「caught」ではなく「catched」

「took」ではなく「taked」

 

 

 

などになる。これね、両親ともにイギリス人な完全イギリス人のネイティブの子でもこういうふうになります。もちろんそのたびに親や先生に訂正はされますが、だからといって会話は成り立つ。何を言っているかはわかるから。子どもの場合は、こういう間違えをするからと言って「英語ができない」と言われることは英語圏の国ではまずないです。

 

 

 

私がよく、早口でとにかく伝えたいことを伝えるときに間違えるのが時制で、if it had.... would have beenとかいう時制がよくめちゃくちゃになります。あんまり時制の文法とか考えないでとりあえず喋ってるからなのです・・・。めちゃくちゃだけどとにかく言うと、理解はしてもらえる(笑)。

 

 

 

そして、これ系の間違いは、本を読んだり映画を観たりいろいろ知識が増えるにつれて必ず直る間違いなんですよね(あれ?じゃあなんで野獣さんのbroughtは直らないんだ???w)

 

 

 

それよりも外国語、もっと言えば自国語もそうなんですが、言語を学ぶ上で大事なのはたぶん、「ひとつの文章からいかに話題を膨らませられるか」だと思うんです。

 

 

 

「この映画好きだった?」

 

 

 

と聞かれて、「うん、好きだった。良かったよね」で、会話終了・・・だと、チーンチーン。相手も「んーー、この話題ダメだったのかな」となってしまう。好きでも嫌いでも、

 

 

 

「私は好き/嫌いだった。だって〇〇〇〇だったし、ストーリーは××だし、俳優がまず△△なんだよね。あなたは好きだった?」

 

 

 

というふうに膨らませ、さらに相手の意見も聞けると、会話が弾む。会話が弾むということはコミュニケーションが取れてるってことですもんね。つまり、「その言語ができる」ってことになりますね。

 

 

 

他には、「いいお天気ね」と言われたら「そうね」だけじゃなくて、「そうね。でも寒いよねぇ。もう冬だよね」と返したほうが相手も返事をしやすい。スーパーのおばちゃんとかによく天気の話題振られるので(イギリス人天気話題大好き)、だいぶ慣れました。

 

 

 

大昔、ケンブリッジ英検の受験勉強をしているときに、スピーキングの試験練習でとにかく先生に言われたのが、

 

 

 

「自分の意見だけ言ってても合格しないよ。知識をひけらかすっていうのはコミュニケーション能力不足を見せつけてるということであり、その言語を使って社会に出ることができるとは判断されない。必ずパートナーの意見も尋ねて、コミュニケーションが取れるということを証明することが合格への道」

 

 

 

ということでした(あ、ちなみにケンブリッジ英検のスピーキング試験では学生が2人でペアになって会話をし、その内容が評価されます)

 

 

 

だから、何か聞かれたときにどう答えていいかわからなければ「私にはわからない。あなたはどう思った?」でもいいんです。「わからない」だけではダメ。聞かれたこと自体がわからなければ「それって何?」と聞くだけでもいいですよね。

 

 

 

つまり、会話をつなげる。コミュニケーションをひたすらに取る。何か言われた時には相槌を打つだけではなくて、ぱっと思いつく自分の考えを口に出す。これが言語を「話せる」ようになる基本だと思うのです。子どもはそれがとても得意です。大人になると、「間違ってしまったら恥ずかしい」とか「あ、この話題苦手」という思いから、ちょっと引っ込み思案になっちゃったりするので、とにかくぱっと口に出す訓練が必要なんですね。

 

 

 

子どもが3歳くらいから「これは何?それはどうして?なぜ?」という質問をこっちがウンザリするくらい投げかけてくるのって、もちろん知識欲や興味もあるのでしょうが、それに加えてコミュニケーション能力の下地を育んでいるからじゃないかな?と思います。なので、できるだけ「それはですね・・・」と説明しているわけなのですが・・・・まぁ時々は

 

 

 

「もういいわ!とりあえず黙れぃ!爆弾

 

 

 

と白目剥くときもありますわな。

 

 

 

そんなわけなのですが、どうしてこんな自己啓発ブログとか英語コーチングのエキスパートみたいな記事になっちゃったんでしょう(笑)。なんかいつもと違うことを書いてみようと思ったらこんなことになってしまいました。自分で書いて気持ち悪くなってきました。いやはや。。。

 

 

 

まー、要は気張らずに、思ったことを口にする癖をつけとけば外国語での日常生活はある程度はうまくいくかもよ?っていう結論です。はい。(あ、でも失礼なことは思っても言ったらダメですけどね)

 

 

 

最後に完全に「変」としかいいようのない写真で息抜きしてくださいませ。

 

 

 

背中にワンワン。

 

 

尻にスパイダーマン。

 

 

 

***

 

 

 

最近この作家の本をよく読んでます。「イギリスのスティーブン・キング」と呼ばれる女性作家の心理スリラー。キングのほうがだいぶいいけど、読みやすくて引き込まれやすいストーリー。英語だとミステリーやスリラー系が簡単に読めるのでそういうのばっかり読んでいる。純文学は日本語のほうがいいなぁ。