昨日、ローカルニュースでこんな記事を見つけました。

 

 

“'I knew something wasn't right' Young mum taking legal action against hospital after baby dies in womb”

https://www.cambridge-news.co.uk/news/uk-world-news/young-mum-taking-legal-action-17177215

 

 

妊娠中毒症で手足がひどく浮腫み、具合も悪いことを訴え、助産師も大病院での検査に送り込んでくれたのに、病院側は血圧を測っただけで「大丈夫」と家に帰され、その後胎児がお腹の中で死んでしまった人の話。

 

 

この人は病院を訴えることを決意したそうです。

 

 

病院側は非を認めているとのことですが、無事に生まれるはずだった赤ちゃんはもう帰って来ません。

 

 

どこの国でもある医療ミスだとは思うのですが、特にこの病院が言った「大丈夫。ノーマルです」という答え・・・。

 

 

 

 

 

私の記憶がまざまざとよみがえってしまったんですよね。

 

 

 

 

私は子供ふたりともイギリスで産んでますが、次男Aさんは9週早い、妊娠31週0日での誕生でした。1か月間NICUに入院して、退院後はどんどん大きくなってくれてますが、生まれたときはけっこう大変だった。

 

 

まず、野獣さんが出張に出かけたその日の朝(妊娠30週6日)、出血。真っ赤な血だったので急いで病院に電話したら、看護師からの一言がまさに・・・

 

 

 

 

 

「あー、そういうのってよくあることよ。ダイジョウブよー!」

 

 

 

 

 

安定期(しかも後期)に真っ赤な血が出るのってよくあることですか??いや、よくないでしょーが。

 

 

 

で、電話切られちゃったので様子見してたら、どんどん出血量が増えて、お腹も痛くなってきた。再度電話したら

 

 

 

「確実に陣痛だと確信するまで様子見て。出血は大量なの?」

 

 

 

と。重い生理二日目くらいだと言うと、また「大丈夫よ」。何を根拠に?! いったい何を根拠に?!

 

 

 

そこから1時間後くらいして、出血はぶひゃーっとなってきたし(流産した時みたいに、音が出てるんじゃ?っていうくらいのぶひゃーという出血でした)、お腹の痛みも定間隔になってきた。30週でこれはやばい。確実にやばい。と、再再度病院に電話。そーしーたーらー。

 

 

 

「今この病院にはベッドがないの。満員なの。もしも病院に行きたかったら、1時間ほど離れたS市の病院を紹介するけど、紹介してほしいですか?」

 

 

 

当たり前だゴルァ。今すぐ空きのある病院に連絡しろ。とキツイ口調で返し、S市の病院が受け入れてくれるとの連絡が来たので、当時同居してた親友のAちゃんに初めて運転するうちの車を運転してもらって、後ろに2歳のZさんを乗せて、1時間かけてその病院に行ったわけです。この時点で夕方5時。

 

 

病院の入り口についてAちゃんが車を駐車場に停めに行く間、受付まで歩こうとしたらもうあまりの大量出血で歩けず、知らない人に支えてもらって受付へ。車いすを持ってきてもらって、車いすも血まみれにしながらようやく病棟にたどり着いて、検査。

 

 

 

「確かに陣痛来てますね。赤ちゃんの心拍数を見ると、赤ちゃんはお腹の中であまりハッピーではないようです。でも、できれば32週までお腹の中で持たせたい・・・。この数日の違いが生まれてからすごく大きく出るんですよ」

 

 

 

んで、ロンドンを発ってアブダビで飛行機乗り換えてインドに向かおうとしてる野獣さんからちょうど電話があって「今アブダビ空港〜。インド行きの飛行機にチェックインした…」と言うか言わないかのうちに

 

 

 

「今すぐ帰ってこい!」

 

 

 

と怒鳴って野獣さんをビビらせ(笑)、その晩ずっとモニターしてたんですが、夜も明けようかという頃になって陣痛が強くなり、いきみたくなってきたのでそれをドクターに伝えると、「それはもう産むしかない」ということ。赤子は逆子だったので帝王切開に。

 

 

 

朝8時、ロンドンの空港からタクシー飛ばしてやってきた野獣さんが到着した30分後には帝王切開でAさん、生まれました。

 

 

 

こんなんでしたでさぁ。

 

 

 

親友AちゃんはZを連れて病院近くのホテルに一泊してくれました。Aちゃん様様!!2歳のZさんも、母がウンウン唸って血ぃどばどば出てるのを見て、しっかりと察してくれて泣いたりせずAちゃんと居てくれました・・・。

 

 

 

と、こんな出産劇だったわけですが、早産になった出血の理由というのが、胎盤がはがれかかっていたため、と判明。判断が1日遅れたらたぶんAさんはダメだっただろう、私もちょっとやばいことになってただろう、と。最初に電話した担当病院の看護師の言うことを鵜呑みにして我慢して家で夜を明かしていたら大変なことになっていたでしょう。

 

 

 

 

 

何が「よくあること」だ!!!ムキー

 

 

 

 

 

あのね、NHS(国民医療サービス)の予算も人手も不足しているのは知ってます。だからこそ、この国では患者が自分の状況を冷静に判断しないといけないんです。

 

 

この、娘さんを亡くしたお母さんと同じように、私も「これはおかしい。普通ではない」と感じたから、必死に訴えた。必要以上に大げさに

 

 

 

 

「これは絶対に異常です。地獄のように出血しとるんじゃ!うぎゃー!」

 

 

 

 

って電話口で叫びましたから。でも、この叫び、必要だったと思います。じゃなかったらまた「様子見て」で電話切られてたかも・・・。救急車呼ぶって手もありますけどね。でも救急車もたまに何時間も待たされることとかあるらしいじゃん・・・(苦笑)。

 

 

イギリスで妊娠・出産するお母さんたち。どうか、何かがおかしいと感じたらしつこく何度でも訴えてください。大げさに訴えてください。「日本人は民族的に、この血液検査必要ない」とかそういうこと言われた人もいるそうなんですが、そういう小さなことでも、したかったら訴えかけてください。みんな平等にしてもらえる権利があります。もっと重大な、出血とかお腹が痛いとか、そういうのは絶対に詳細な検査を受けるべきです。

 

 

イギリスの医療って決して悪いわけじゃないんですよ。技術はすごくある。生まれた後の赤ちゃんや小さな子供への対処のしかたはすごく迅速だし、素晴らしいです。ただただ、予算と人手が足りない。でもそれは苦しむ患者に「大丈夫」って根拠のない撥ねつけをする理由にはなりませんよね。

 

 

脅すわけじゃないけど、イギリスで子供産んで良かったと思うけど、でも、皆さん、自分と子供の身は守ってくださいね~~~!

 

 

そんなことを思った昨晩でした。

 

 

 

そんなAさんも、こんなに大きくなっちゃったよ・・・。

 

 

 

 

 

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