素敵なお客さんとギャラリーと | ........

素敵なお客さんとギャラリーと

中目黒のギャラリーPicaresqueさんから

自分の作品にまるわる素敵なお話をいただいたので

ご紹介させていただきます。





作品名は「waterworks」。

アクリル絵の具で

B1サイズの大きなパネルに描いた作品です。




以下ギャラリーのFacebookよりの引用です。

ちょっと長いですが

とてもハッピーなお話なので

ぜひご覧くださいませー。




----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


「この絵、奥さんの誕生日にサプライズでプレゼントしたいんですけど、協力してもらえますか?」

ギャラリーにママチャリで登場し、とある絵を前に、ドキドキで耳を真っ赤にしながらご相談くださったフランス人の旦那さま。

実は旦那さまは、ご家族でギャラリーにお越しになるたび、絵の前にじっと立ちうっとりされている奥さまの姿を、産まれたばかりの赤ちゃんをあやしながらご覧になっていました。

「欲しいの?」「買おうか?」そう旦那さまが奥さまに聞くたび「いいよ、高いよ。大きいし、ここで見れるから」そう微笑みながらも、絵から目を逸らすことなく答えていた奥さま。

確かにその絵は、ギリギリ1人の男性が持ち運べるかどうかの大きさで、お値段も、気軽に購入できるものではございませんでした。

赤ちゃんと2人で、ちょっとした空き時間にギャラリーに足繁く通われては、件の絵をご鑑賞くださる奥さま。仕事帰り「奥さんがまたお邪魔したみたいで、いつもありがとうございます」とお立ち寄りくださる旦那さま。

「最初は、奥さんが好きだと言うから、好きになったけど、だんだん僕の方が好きになってきたかも。こんな素敵な絵の存在に気づける、絵の魅力を見出せる僕の奥さんはやっぱり素敵な女性だね!」と、絵を前に嬉しそうにお話しになる旦那さまの笑顔は、本当に本当に素敵で、こんな物語に立ち会えている幸福に感謝せざる得ませんでした。

そして、奥さまが赤ちゃんと一緒にご実家に帰られている隙にご来廊くださった旦那さまから、冒頭のサプライズ計画のご相談を受けました。

「まず、奥さんの誕生日、いつもみたいに2人でこの絵を観に来るんで、そしたら松岡さんは『売れちゃいました』って言ってください。きっと奥さんはショックを受けるので、そこで僕が『奥さんの誕生日プレゼントに買っておいたんだよ!』と言うから、そしたら松岡さん(ギャラリーのオーナーさんです)、隠しておいた、ラッピングしたこの絵を奥さんに見せてください!」

Ta-da!そんな効果音が聞こえてきそうな最高にハッピーなプラン。そのご提案を受けた時、ピカレスクガールたちがギャラリーで作業していたのですが、もれなく全員手を止め、その素敵なアイディアに一瞬で破顔「いいですね!」「私、頑張って演技します...!」と沸き立ちました。

そして当日、奥さまは旦那さま、そしてご友人たちとのお誕生日パーティーを近所のお店で楽しまれた後「私のお気に入りの絵があるの」と、ご友人たちをそのまま連れ、ギャラリーにお越しくださいました。

「松岡さん、あの絵を見せてもらえますか?」そうニコニコ聞いてきた奥さまに、「すみません、あの絵は先日売れてしまって...」そうお伝えした時の、奥さまの一瞬青ざめたような、光の消えた瞳、を見た時(なんて酷いことをしてしまったんだろう)と私自身深く傷つき後悔したのですが、次の瞬間 旦那さまが奥さまの後ろでさらっと一言「あの絵、僕が買ったんだ」。旦那さまの方に振り返りフリーズする奥さま。

「何を?」
「あの絵」
「え?」
「君の誕生日プレゼントに買ったよ」
「嘘でしょ」
「本当だよ!」
「絵はどこ?」
「松岡さんが準備してくれてるよ」

バッと私の方に振り返る奥さま。先ほどの表情から一転、頬を真っ赤に、今にも涙が溢れそうな瞳。

その後2人はワーッとフランス語でお話し、ハグし、キス...。それを、「OH...」と、感無量といった表情で見守っているご友人たちと、実は一緒にお越し下さり、事の顛末をきょとんと見上げていた可愛いハーフの赤ちゃん。

その全てが映画のようで、夢のようで、その時のことを今思い出しても、胸がいっぱいになります。

このような素晴らしい絵の旅立ちに立ち会えたこと。奥さま、旦那さま、赤ちゃん、ご友人たちの人生に深い感動と喜びを与えてくださった件の絵、そしてそれを描いたアーティストに、改めて深く感謝しました。

私の拙い言葉ではとうてい表現しきれないぐらい、暖かで優しいとある夜のギャラリーでした。


----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------




自分の作品が

こんな素敵なストーリーの一役を担うなんて

作り手冥利に尽きるなぁと思います。





この作品は、

くじらたちの花火が上がり

星々が動き出すというスペシャルなタイミングを描いています。





下の方では祝福の鐘が鳴っています。




この絵が愛する奥さんへのお誕生日プレゼントなんて

本当にぴったりだと思いました。




どうぞ家族の一員のように

作品と末永くお付き合いしてくださいますように。



読者登録してね

ペタしてね