ー--------------

 

夏が来れば思い出す。

私が依存者だったころの・・・・

 

 

あの夏の思い出。

 

 

いつものように、

超絶どうでもいい話ですので、

お盆休みのおともにでも。

 

ー--------------

 

①はこちら

 

 

 

 

かくして、
一週間の入院治験ボランティアは始まった。


年末年始でも盆休みでもない、
何もない時期の平日に、

一週間もフツーに時間をとれるような
人たちは当然、ひとくせもふたくせも

あるような方々ばかり。


私は大変失礼ながら、

彼女たちをイメージ通り

「心のニックネーム」で呼ぶことにした。


タトゥーさん
おはぐろさん
スナック「じゅん」のママ
極妻さん
幸薄子さん
幽霊ちゃん
うらなり姉妹
わけあり女子大生
コミケさん

・・・・etc


タトゥーさんとおはぐろさんは、
すでに昔ながらの顔見知りのようで、
治験ボランティアの常連だった。

さらにスナック「じゅん」のママと極妻さんが、
意気投合したのかものすごく仲良くなり、
病室には二つの「組」もとい派閥ができた。


その二人同士に、
なんとなくほかの人々が集まり、

行動、会話などをするようになり、
病室は微妙な派閥間の空気が流れていた。


私はどちらの派閥とも、
まったく仲良くしたくなかったので、
たまたま間違って治験に参加してしまった、
「堅気の会社員」を演じることにした。


ベッドの上で、

パソコンで真面目に

仕事をこなすふりをして、
ペイントソフトで、

毎日ひたすらドラえもんを描いた。


やがて治験がはじまってしばらくし、
うらなり姉妹が二人脱落した。
もともと姉妹して顔色が悪かったのだけど、
さらに青い顔になってドクターストップになった。

そうなった場合、
報酬は参加した日数分しか払ってもらえないらしい。


37万の報酬を満額もらうためには、
一週間元気にしていなければならなかった。

幸いなことに、私は食事も三食ちゃんと食べれ、

具合が悪くなることも全くなく、

あやしい薬を一日1回投与され、
若い男性研修医5人くらいの前で、
胸をがばっとさらけだし、

聴診器を充てられるという、
今考えても犯罪に近いセクハラに耐えて頑張った。
(いつか暴露したいレベルである。)

 

病室はだんだん和やかな雰囲気になったものの、
相変わらず二つの派閥の微妙な対立があり、
私と幽霊ちゃんだけ、
「お前はどっちにつくの?」
という無言のプレッシャーはねのけ孤高を貫いていた。

 

私は、仕事をするふりをして、
毎日ひたすらドラえもんを描き続け、
治験が終わるころには、
ホンモノの藤子F不二雄氏並みの画力になっていた。



そして晴れて治験終了日。
驚愕の事実を知らされた。


参加報酬は当然一括払いだと思っていたのに、
なんと3回にわけて支給するというのだ。
しかも、半月後ごとにわざわざ印鑑もって、

来院してねという話だった。



・・・・・でも
まあいいか。


何しろ分割払いの方が、
3回に、分割して勝負もできるじゃん♪


こうして私は、
退院後すぐに支給された、

第一回目の報酬「12万円ちょっと」

の封筒を握りしめ、

そこから徒歩5分のパチ屋に、

意気揚々と入っていったのだった。



というか、
 

 

 

 

そこからの話を

書くつもりだったのに、
 

 

 

 

すっかり私のパチ歴ならぬ、

私の治験ボランティア体験記に

なってしまった。


 

③につづく