その①

〘続・困ったおじいさんちの子猫たち〙

5月は法人の確定申告書提出の月。慌ただしく準備に追われていたら、多頭飼育の困ったおじいさん宅に、避妊する猫を捕獲に行っていたボランティアさんから、「こたつの中に子猫が居ました、目やにで目が塞がっています」と電話が来ました。おじいさんに聞くと、「7匹生まれたから、4匹はすぐに川に投げて、白いの3匹取っておいたけんど、2匹は死んだ」とか。残る1匹は自分が育てて飼うんだと言い張って、「牛乳を入れた、人間用の哺乳瓶の大きな乳首を、片手にすっぽり入る赤ちゃん猫の口に無理やり突っ込もうとしている」と実況報告を受けました。おじいさんの妹さんが「腹悪くするからやめろ〜」と止めていますが、そもそも口に入らないし、吸う力もないでしょう。
電話を代わってもらい、説得しました。「このままではその子猫も死ぬから、病院で風邪の治療しなくてないよ。ボランティアさんに預けて」と諭して、やっと了解をもらいました。電話口から離れても「治ったら、連れて来るんだべ」と念を押しています。

おじいさんは80代〜もはや認知症の私の母親に近い自分勝手な思考回路しかないようで、周りの人間が「猫が可哀想でしょう」とか、「この先面倒見れないでしょう」なんて注意しても、想像ができない。今自分が欲しいものをやりたいようにやることしか頭にないように感じます。なので、こういう人が引き起こす多頭飼育崩壊に関わることは、いかにごまかし、騙し、すり抜け、未来を望める命をそこから連れ出せるか、にかかっています。
もちろん全部を助けることはできません。人馴れしていない猫達は、手術とワクチンをしたら、耳カットして返しています。おそらく長生きはできないでしょう。そして、おじいさんは、その馴れていない猫達では満足しない。触れる猫を返して欲しいのです。きれいごとでは済まない、人間の業と欲との闘いです。




おじいさんちのこたつの中から連れてきた子は、7匹生まれたうちの唯一の生き残り。雛鳥みたいに小さくて、ピーピー鳴いていたから、『ヒナちゃん』と名付けました。




https://youtube.com/shorts/xsOmqWZFGIM?si=tUai-5dS0Di3JBYN

そしてこんなに可愛らしく成長中!





おじいさん宅の物置で生まれていたのは、漆黒の美少年『廉くん』。食欲旺盛なワンパク坊主〜ぐんぐん大きくなるから、次の里親探し会にデビュー。





生後半年過ぎの兄弟。避妊したいメス猫が捕まらず、人馴れしているオス2匹が代わりに連れて来られました。キジ白は、冬に酷い風邪症状で連れて来られた四兄妹の『ちろりん』そっくりだったから『ちろ兄ちゃん』。シャムミックスは、頭の模様が宣教師みたいなので『ザビエル』くん。「僕らも、ちろりんやとらりんみたいにスイートホームに行きたいなぁ〜」と申しております。