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DVDからブランドバッグまで……付録付き雑誌が増えている理由
宝島社の付録付きファッション誌 写真:Business Media 誠
【拡大画像や『戦国武将ぴあ』の付録の紹介画像を含む記事】
広告収入の落ち込みで一時期薄くなっていた雑誌。しかし今や、女性向けファッション誌の大半が付録付きとなっているなど、厚さが増している。付録付きは女性向けファッション誌にとどまらず、男性向けファッション誌、ライフスタイル誌、若者向け情報誌にも拡大し、各出版社の編集部は「どんな付録を付けて売るか」に腐心しているようだ。インターネットマーケティングのアイシェアが6月11日に発表した、「付録が目当てで雑誌を買ったことがありますか?」という20代~40代男女562人に聞いたアンケートによると、雑誌をよく買う人は1割強、たまに買う人は5割強で、6割強の358人が「雑誌を買う」と回答。その358人のうち61.2%の219人が「付録が目当てで買ったことがある」と回答した。付録が目当てで雑誌を買ったことがある人は30代では72.1%と断然多く、男女別では男性(56.1%)よりも女性(67.3%)の方が多かった。
また、「どんな付録が目当てか?」という質問では、「CD-ROM」が36.9%でトップ。以下、「バッグ・ポーチ」(17.0%)、「筆記用具」(9.5%)、「アクセサリー・ヘアアクセサリー」(6.4%)、「靴下・下着」(1.1%)の順だった。男女ともに「CD-ROM」を目当てに雑誌を購入している人が多かったほか、女性では「バッグ・ポーチ」という人も目立った。また、雑誌を買わない人に「買わない理由」を聞いたところ、「読みたい雑誌がない」が36.8%、「ネットで十分だから」が32.4%、「お金がかかるから」が11.8%の順。しかし、全員に「ネットが普及すれば将来的に雑誌がいらないと考えるか」と質問すると、「いらない」と答えた人は20.1%と2割にとどまり、77.9%と8割弱が「いる」と答えた。
アイシェアのオンラインリサーチのサンプル数やサンプルの取り方が、どこまで妥当かは考える必要がある。だが、1つの目安として、「ネットが普及しても大多数の人は雑誌が必要と感じている」「付録が雑誌の新たな購買動機に結びついているのではないか」という仮説は立てられるのではないだろうか。
●戦略的に全ファッション誌に付録を付けた宝島社の躍進
雑誌の付録といえば、古くから学研の『科学』と『学習』シリーズが知られる。子どものころ、アリの巣の観察セットや万華鏡キットに心をときめかした人も多いだろう。しかし、大人向きの雑誌の場合、何かを学ぶためのツールではなく、実用に供するモノや購買欲を刺激する趣味の品が選ばれるようだ。
そうした中、付録付きファッション誌を戦略的に出して、シェアを伸ばしているのが宝島社だ。同社は、月刊『宝島』、生活・実用からビジネスや社会問題まで多彩なテーマを扱うムック『別冊宝島』、日本における田舎暮らしブームの火付け役『田舎暮らしの本』などを出しているが、最近はファッション誌の趣向を凝らした付録で、“付録といえば宝島社”といったイメージが強くなってきているようだ。同社のファッション誌が初めて付録を付けたのは2002年のこと。男性誌『smart』からで、同誌は10~20代の読者が多く、カジュアルなファッションを扱う。スポーツシューズ・ウエアの「ナイキ」と、ストリートファッションの「SOPHNET.(ソフネット)」のビーチボールを付けるなど、頻繁に付録を付けて大きな反響があった。
そこで、ほかの女性ファッション誌にも拡大して、2004年からは戦略的にすべての月刊ファッション誌(女性誌6、男性誌1)に付録を付けるようにした。「女性誌は細分化が進んでいて数もたくさんあり、読者の側から見れば、立ち読みではすべて中身を見て吟味できなくなっています。そこで他誌との差別化のために、読者に人気のあるブランドのアイテムを付けてみました」(広報課課長・桜田圭子氏)。当時は付録を毎号付けるファッション誌は他社になく、差別化のために始めたというのだ。
重要なのは、宝島社のファッション誌の付録は編集部で独自に企画し、製作していることだ。ブランド側に提供してもらっているのではない。サンプルを作り、ブランドを展開しているメーカーとデザインなどとすり合わせを行う。そしてチェックが完了し、雑誌の付録として店頭に並ぶまで、半年以上掛かる時もある。製造工場はブランドに紹介してもらったり、中間に商社が入ることもある。また、海外で作ることもあるという。宝島社は元々ムックで、プロレスラーのサイン入りタオルを製作して付録にするなど、編集の一環として付録をコンテンツの1つと考える企業風土があったのも、この戦略の背景にあった。
●雑誌の商品としての確立を目指したマーケティング会議
また、宝島社は2007年に付録も含めた全ファッション誌をマーケティングの視点から見直し、これまで書店やコンビニの雑誌棚まで足を運ばなかった人たちを、付録によって読者に取り込む試みを始めた。縮小する雑誌マーケットを競合誌と取り合っても消耗戦になるだけ、と判断しての方針転換である。
宝島社のファッション誌のマーケティング重視姿勢を象徴するのが「固定された定価がない」ことだ。例えば、前号で780円だった雑誌が、今回は650円、次号は730円と変動していく。ほぼ130円のレンジで毎号変動するのだ。これは蓮見清一社長のほか、各部署の責任者が集まるマーケティング会議を雑誌ごとに毎月開き、雑誌の価格を決めている。得てしてこの種の会議は、編集長や編集部員に販売不振の責を問う“吊るし上げ会議”、もしくは編集部を上部からコントロールする“メタ編集会議”になりがちだ。ところが同社の場合は、編集内容には口出しせずに「どうすれば1号1号の雑誌を商品として確立させて、もっと多くの読者を獲得できるか」をテーマに運営されるというのだ。マーケティング会議の議題となるのは「定価」「部数」「どういった付録を付けるのがベストか」「表紙の作り方」などで、各誌ともカテゴリーの中での一番誌を目指した。マーケティング会議を開催するアイデアの背景には、今後も雑誌全般の売れ行きの落ち込みが予想される中、一番誌にならなければ広告も入らなくなる危機感があったからだ。また、マーケティングの一環として、編集、販売、宣伝、広報が合同で、取次や書店の担当者を招いて、印刷工場や各誌が取り扱うブランドショップを巡るツアーを開き、編集の考え方を知ってもらう企画も順次行っている。
こうした「一番誌戦略」の結果、女性誌の「28歳、一生“女の子”宣言!」をテーマにした『sweet』(発行部数約70万部)、「30代女子」をテーマにした『InRed』(同約50万部)、「ナチュラルにかわいく」をテーマにした『spring』(同約50万部)、「ボーイッシュがおしゃれ」をテーマにした『mini』(同約20万部)、20代OL向け『steady.』(同約20万部)、ハイティーン向け『CUTiE』(同約20万部)、男性誌『smart』(同約30万部)は、それぞれ各カテゴリーの一番誌に成長したという。特に『sweet』は2007年春には約20万部の発行部数であったのが、2年半で3.5倍も伸びて、現状女性誌では最大部数となっている。そればかりか、『InRed』『spring』も過去最多部数を更新し続けており、この3誌で女性誌の部数トップ3を独占する時もある。雑誌不振の中で驚異的な成功であると言えるだろう。長々と記述したように、付録のみで成功したわけでは決してないが、付録の効果も絶大だったことがうかがえる。
2005年から手掛けている付録付きのブランドムックも、1000円前後の価格帯を中心に毎回ほぼ完売するほど好調で、既に100点以上を数える。最も売れた今夏出したトートバッグ(手提げ鞄)2個付きの「Cher(シェル)」ムック第3弾『Cher 09~10 AUTUMN/WINTERCOLLECTION』は約70万部を売った。また、11月7日発売のコスメティックブランド「イヴ・サンローラン・ボーテ」のムックは、同社としては過去最高の初版100万部で臨む。「読者にしてみれば、付録がブランドショップでは買えない限定品だというのも魅力になっています。最近はブランドの方から『お客さんを増やすためのPRツールとして活用したい』というオファーも多いですよ」とは前出の桜田氏。日本の雑誌流通は、世界一と言われるほど整備されたシステムで、これを使えば全国津々浦々の書店、コンビニで商品を宣伝することができる。だからこそ、雑誌の付録は自社製品の拡販を目指すブランドにとっては、重視すべき宣伝ツールになっているのだろう。
●DVD付き雑誌の宣伝効果で売り上げを伸ばすAVメーカー
さて、アイシェアの調査では圧倒的に男性の支持が高かったCD-ROM付き雑誌であるが、最近ではDVD付き雑誌が男性向けアダルト誌中心に急増している。DVDの主な内容はアダルト、またはグラビアの動画。多くの素材はAVメーカーから借りている。つまり、「18禁」の男性向け成人誌、いわゆるエロ雑誌の過半数はDVDが付いており、AVメーカーの宣伝媒体と化しているのだ。筆者が観察した範囲でいうと、男性向け成人誌に最も多く素材を提供しているのは、プレステージというメーカーであろう。プレステージは、アルバイト感覚でAV業界に入ってくるプロダクション所属の新人を、あたかもルックスの良い素人が出演しているかのように売る企画力に長けており、AV女優や女子校生、女子大生、渋谷界隈のギャル、OL、若妻などを演じさせる人気シリーズを有している。近年最も勢いがあるAVメーカーであろう。
プレステージ躍進の背景には『一冊まるごとプレステージ』のような雑誌、ムックも大いに寄与していると思われる。同誌付録のDVDには作品のごく一部を再編集した、10分ほどのサンプルがいくつも入っているような構成が多い。3枚ものDVDを付けて、総収録時間10時間超といった付録もある。プレステージによると、「出版社のほうで企画されて、ウチは素材をお貸しして宣伝してもらっています」とのこと。つまり自ら動いたわけではなく、成人向け雑誌を作る雑誌社側からオファーを受けて、写真や動画を貸しているというのである。「宣伝になっているのなら、お金を払っているのですか」と聞くと、「いいえ、素材をお貸しするのに、使用料として料金をいただいています」との回答が返ってきた。このAVメーカーは出版社からお金をもらって宣伝本を出し、利益を膨らませていたのである。もっとも素材貸しの同社には、宣伝本の意識はないかもしれないが……。念のため、この種のAV宣伝本を手掛けているダイアプレス編集部に問い合わせてみたところ、「企画はすべて編集部で決めて、本を作っています。AVメーカーに素材を借りるためにお金を払うこともあるし、逆に企画料というか、お金をいただいて本を作ることもあります」と言う。「なぜDVD付きの雑誌を出すのか」と質問すると、「よその雑誌と違った企画でないと、コンビニさんが置いてくれないんですよ」と、コンビニ対策であるとも語った。
●TSUTAYA関連のAV会社も雑誌社とのコラボでヒット
AVや成人向け雑誌の事情に詳しい、「All About」エンタメ分野アダルトビデオのガイドである、AVライターの大坪ケムタ氏に事情を聞いてみた。
「おそらく出版社とAVメーカーの現状を考えると、むしろ出版社のメリットのほうが大きいと思いますよ。AVメーカーから素材を借りてくれば制作費はタダですから。付録のDVDを自社製作している出版社もあるのですが、残念ながら作りが中途半端で売れないのです」
大坪氏によると、出版不況とインターネットや携帯電話で簡単にアダルトコンテンツが見られるようになった影響などで、男性向けグラビア誌や漫画を含む「18禁」の成人向け雑誌の部数は、ここ4~5年で半分以下になっているとのこと。つい先日も、小学館が2000年に創刊しグラビア界をけん引してきた雑誌『sabra』が、2009年1月発売号で休刊を決めたように、休刊が相次いでいる状況である。AVメーカーも不況の影響を受けているが、全般的には雑誌ほど極端な不振ではないらしい。制作費にお金が回らなくなった出版社の窮余の策が、AVメーカーから写真を借りて再構成して雑誌を作り、サンプル動画の素材を借りて付録のDVDを付けるという手法であった。
モデル、AV女優の出演料も、カメラマンに払うお金も、監督も台本もメイクもヘアメイクもスタイリストも照明係も音声係もみんないらないので、制作費は大幅にカットできる。AVメーカーに払う使用料は低額なので、むしろその程度の出費で済むならありがたいほどだというのだ。「プレステージ本は2008年あたりがピークで、一時期は月に8冊くらい出ていました。今年は月に2~3冊くらいに落ち着いてきました。代わっていろんなメーカーの雑誌が出るようになってきました」(大坪氏)と、今年になってプレステージ本の独走に歯止めがかかってきているようだ。
その中で雑誌展開に熱心なAVメーカーの1つに「S級素人」というレーベルがある。これはトップ・マーシャルというAV専門流通会社の傘下にあり、そのトップ・マーシャルは「TSUTAYA」FC本部のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の連結グループ会社である。CCCは「TSUTAYA」でレンタルしているAVの一部を、関連会社で自作しているのだ。ケイ・エム・プロデュース、レアル・ワークス、メディアステーションといったAVメーカーもCCCの連結グループ会社。東証一部上場会社でアダルトビジネスにこれほど熱心な会社が、ほかにあるだろうかと思うほどだ。傘下のレーベルには「宇宙企画」「アテナ映像」といった、かつて一世を風靡(ふうび)したメーカーも含まれている。
「S級素人」で興味深いのは、プレステージの各シリーズによく似ていることだ。例えば「S級素人」の女子校生物『放課後わりきりバイト』シリーズはプレステージの『REC』シリーズに、ギャル物『SAFARI』シリーズは『WATERPOLE』シリーズに、OL物『現役OLの裏バイト』シリーズは『働くオンナ』シリーズに、パッケージの雰囲気からして本当によく似ている。もちろん2008年7月から販売が始まった「S級素人」の方が後発である。また、ここでは本物の素人出演はほとんどなく、素人役にはプロのAV女優が出演している。
「トップ・マーシャル系のAVは、業界の大手流通4社の中ではS1(エスワン)などの人気メーカーを持つ北都系、製作力のあるソフト・オン・デマンド系、プレステージ系などに比べても内容が弱く、時流に乗っていないので伸び悩んでいます。ただ、S級素人は他社のAVに比べて価格が半額から3分の2くらいと安いから売れていますね」と大坪氏。「S級素人」の価格は2079円。競合のプレステージの商品が2980円や3800円といった価格設定にしているのに対して確かに安い。作品のテーマのみならず、DVD付き宣伝本によって知名度を上げて売っていく拡販の方法も同じで、まるでプレステージを後追いしているかのようにして売り上げを伸ばしているのが「TSUTAYA」関連会社の「S級素人」なのである。
●テープで小口止めしたり、ひもで縛った雑誌が売られる理由
さて、女性誌の付録付き雑誌を宝島社が本格的に展開し始めたのが2004年、成人向け雑誌がDVDを付け出したのも2004年ころ。日本の雑誌の歴史で、2004年は大きな転機になったと考えられる。この年、東京都はPTAなどの要請を受けて、「東京都青少年の健全な育成に育成に関する条例施行規則」を改正。同第18条により「成人向け図書を『18禁』と明記し、棚を分別して、ビニール袋で覆うか、伸縮しない材質のひもにより十字掛けまたはたすき掛けにして、未成年が容易に中が見られないようにすべし」との指導をコンビニに行った。つまり、「未成年に見せるべきでないエロ本が、誰でも簡単にコンビニで立ち読みできるのはいかがなものか。分別して見せないようにせよ」ということである。
それを受けてコンビニを含むFC本部の業界団体、日本フランチャイズチェーン協会はコンビニの雑誌棚の分別を明確化するとともに、日本雑誌協会と中を未成年に見せないための対応を協議。印刷所で機械的に処理が可能な、小口のシール止めで東京都の了承を得たという。料金負担は、出版社が印刷代の一環として負うことになった。ところが、印刷所ではコンビニ向けと書店向け、東京都向けと地方向けのような仕分けをして印刷するわけではないので、すべての成人向け図書にシール止めがなされることになった。また、コンビニはチェーン本部の決定事項が全国津々浦々で実行されるので、都内のみならず全国約4万3000店の全コンビニで、分別された陳列が行われるようになった。
確かに「未成年に有害と目されるアダルト図書を、野放しに普及させて良いのか」という問題はある。しかし、立ち読みして選べなくなった読者の雑誌離れの傾向は強まり、部数の激減を招いた。コンビニの深夜の来店客数も減っていると聞く。そうして立ち読みが禁じられた成人向け雑誌が、売り上げを回復するために思いついた手段がDVDの付録を付けることであった。
「お店によっては、全部の雑誌をひもで縛っているところもありますね。あれは立ち読みをできないようにして、万引きを防止するためにお店が自主的に行っています。最近は付録付きが増えていますから、陳列する1冊だけひもで縛って、お客さんがそれをレジに持っていくと、ひもで縛っていない雑誌と付録を渡されるお店もありますよ」と日本雑誌協会。つまり、ひもで縛るのはコンビニや書店の自主的な判断だというのである。コンビニや書店の一部の店には、成人雑誌がシール止めされたのを機会に、いっそ全部の雑誌をひもで縛って、万引き対策のために中を見せないようにする、という過剰反応もあった。確かに本棚に人がたかっていれば、店員から顧客1人1人の動きは監視しにくく、万引きの温床になる面もあるのだ。立ち読み禁止ならば、中を見ずとも購買動機に結びつく付録に活路を見出そうという雑誌社が出てきても不思議はない。女性誌が付録を付け始めた理由の1つには、このような店頭、特にコンビニの動きがあったのである。しかし成功した宝島社の場合は、付録にプラスして先述したように、部署横断で検討するマーケティング戦略があった。「良いモノを作りさえすれば売れる」と出版社が信じている限り、表面だけ真似て付録を付けても、最終的にうまくいく確率は低いと思われる。
●コンビニ限定も登場。付録による販売競争に拍車がかかる
「今はもう雑誌の売り上げの半分はコンビニだと言われていますから、出版社はコンビニの意向を聞かないといけないのです。コンビニはPOSのシステム上、売上上位1500位までに入れなければ自動的に除外される仕組みになっていますから、そこから滑り落ちないように各社は必死です」(日本雑誌協会)
ある雑誌社が付録で部数を伸ばせば、対抗上ほかの雑誌社も付けざるを得ない。その結果、店頭に付録付き雑誌が蔓延(まんえん)することになる。「付録は今までの作業になかったものですから、編集部はつらいです。コストもかかります。読者は付録目当てで誌面を見ていません。もっと雑誌の中身、誌面の企画で勝負してほしいです」と、日本雑誌協会は付録の競争になっている女性誌の現状を憂(うれ)いた。付録目当てに買うものと言えば、かつて大ヒットしたライダーカードの「仮面ライダースナック」(カルビー)、フィギュアの「チョコエッグ」(フルタ製菓)などの食玩が知られるが、もはや女性誌は食玩化している。付録のバッグや文具を入手すれば、雑誌は中も見ないで捨ててしまう人も多いのではないだろうか。
「雑誌の付録は麻薬のようなもので、付けた号は売れるが、外せば売れなくなってしまう。だからずっと付け続けなければならなくなる」と指摘するのは前出の大坪氏。成人向け雑誌の場合、編集部ではAVメーカーの素材の再編集が主たる仕事になってきており、自ら企画して取材し編集する機能を失いつつある。エロは時代に先んじるケースがしばしばあるが、いずれ多くの雑誌がメーカーの単なる“宣伝媒体”と化してしまわないかと心配になる。日本フランチャイズチェーン協会の調べによると、正会員11社の2009年9月におけるコンビニの売り上げは既存店6055億円(前年同月比5.6%減)、全店6548億円(前年同月比2.9%減)。既存店ベースで4カ月、全店でも3カ月連続で前年同月比減が続いている。この秋、付録付きの雑誌がいっそう増えている背景には、このようなコンビニの厳しい情勢も影響しているように思われる。販売減を食い止めようと懸命なのだ。
ついにはコンビニ限定付録を付ける雑誌も登場した。ぴあが今秋9月に発売した戦国武将ゆかりの地を網羅した旅行ガイドブック『戦国武将ぴあ』と、秋ならでは行楽スポットを紹介する『秋ぴあ』では、セブン-イレブン限定で武将をデザインしたボールペンを付録に付けた。『戦国武将ぴあ』では直江兼続、『秋ぴあ』は織田信長、上杉謙信、伊達政宗の3種類のうち1つが付けられた。ぴあ広報によると、このような限定的なノベルティの付け方は4~5年前から時々行っていたそうで、今回がたまたまセブン-イレブンだっただけで、ほかのコンビニ限定も書店限定もありなのだそうだ。しかし、コンビニは自社チェーンだけで売るビール、お茶、菓子、カップ麺、コスメなどを次々に開発して販売しており、チェーン限定品が大好きだ。今後、雑誌の付録は特定チェーンだけで展開して、差別化を図る方向に進むかもしれない。また、『秋ぴあ』では1冊に3種類のボールペンのどれかを付けたように、3つとも欲しい人は同じ本を3冊買わせるようなシステムを取っていることも注目される。これは仮面ライダースナックに数種類ある怪人の写真のうちの1枚が入っているため、コレクターが何個も買ったのと同様の効果を期待しているのだろう。雑誌の食玩化はどこまで進むのか。今は付録合戦で活況に見えるが、その着地点に雑誌の復興はあるのだろうか。【長浜淳之介】
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