ブログネタ:あなたの疲れ、なに疲れ?
気持ち疲れ?
今月中旬、都内の通信販販売業者の社員3人が薬事法違反で逮捕された。最近、何かと話題にのぼることの多いブラック企業だが、その中でもこの会社の“ブ
ラック度合い”はあまりにもすさまじく、以前からネット掲示板を中心に話題となっていた。怪しげな商品、社内全体に響き渡る怒声…。その会社でつい最近ま
で働いていたという元社員のAさんが、その実態を語ってくれた-。
<人の弱みにつけこむ卑劣な商売>
この会社で取り扱っていた商品は、ダイエットサプリメントや伸長サプリメントなどが中心だという。元社員のAさんは語る。「我々はこういった商 品を“コンプレックス商品”と呼んでいました。ほとんどの人が何かしらのコンプレックスを抱えていると思います。そして、できることならそれを解消したい と考える。ダイエットなんかはその典型ですよね。今、世の中には色んなダイエット法がありますが、サプリもそのひとつなんです」。
しかしAさん曰く、これがどうも通常のダイエット商品ではないらしい。「効き目はまったくと言っていいほどありません。かなりいい加減な商品な んです。科学的裏づけなんてもちろん行われていませんし…」。さらに続ける。「雑誌の広告などで『一か月で10kg減!』『30歳で身長が5cmも伸び た!』などと大々的に謳っていますが、あれはまったくのデタラメです。『アメリカで大人気!』や『セレブ御用達』などのキャッチも注意したほうがいいです よ。『●●研究所の●●博士』の類も同様です」。なお、Aさんが一番酷いと感じた商品は「包茎解消器具」。それを塗れば包茎が瞬時に治ると謳ってあったそ うだが、商品の中身は単なる“のり”だという。つまり皮をめくってそれを塗れば、のりだから当然くっつく。要はそれだけの話である。
<体験者レポートなどもすべてでっちあげ>
その会社で取り扱っている商品(サプリのほかに美肌クリームなど)は、専門知識など一切持ち合わせていない、まったくのド素人(当該企業の社 員)が考えた、“完全な”イカサマ商品なのだという。「すべては『売れそうだな』からスタートします」とAさん。いい案が思い浮かんだ社員は部署に関係な く企画書の提出を求められ、それが社内で認められると商品の制作が始まる。サプリの調合はさすがに専門業者に委託するが、それが本当にダイエットや伸長に 有効であるか否かは問われない。つまり効果がどうあれ、“売れれば”いいわけだ。
なお、自社製品のため値段も自由に設定でき、「極端な話、原価は数百円程度なのに定価を1万円に設定することもある。とにかく莫大な金が手に入 る仕組みです」。
ちなみにAさんは「制作部」と呼ばれる部署で広告のデザインを担当していた。「まったく効果がない商品でも派手な広告で信じ込ませるのです。そ れが我々に与えられた使命でした。記載したデータ類はすべて偽者ですし、体験者レポートにしても、本当の体験者ではありません。モデル事務所に依頼してモ デルを派遣してもらうのです。使用後と使用前のどちらかの写真をフォトショップで加工し、如何にも効果があったかのように見せます」。モデルには撮影の詳 細は話さず、さらに撮影について口外しないという誓約書にサインをさせるという。
なお、Aさんはデザイナーだったが、広告の文面を考えるライターもいる。「ひとつの商品に対しデザイナーとライターが1人ずつ。2人で1つの広 告を作っていきます。見開き(2ページ)1つ作るのに、大体一か月ぐらいでしょうか」。
<失敗すれば殴られる>
広告が完成したら最終チェック。このチェックは実質的オーナーであるS(既に逮捕)の仕事だ。「Sはとにかく酷い人間で、何か気に食わないこと があるとすぐに怒鳴りつけます。『死ね』『消えろ』なんて汚い言葉で罵られるのは日常茶飯事です。まるでヤクザですよ。殴られたり蹴られたりした人も大勢 います。パワハラを通り越して、もう犯罪レベルですね」。
しかし、それでも反抗する者はまずいなかったというから驚きだ。が、この“反抗できない環境”こそがブラック企業の共通項であり、そこには現代 社会の歪みが如実に現れていた。(第二回につづく)
気持ち疲れ?
コンプレックス商品にご用心! あるブラック企業の実態(第1回)
(リアルライブ - 05月28日 18:03)
<人の弱みにつけこむ卑劣な商売>
この会社で取り扱っていた商品は、ダイエットサプリメントや伸長サプリメントなどが中心だという。元社員のAさんは語る。「我々はこういった商 品を“コンプレックス商品”と呼んでいました。ほとんどの人が何かしらのコンプレックスを抱えていると思います。そして、できることならそれを解消したい と考える。ダイエットなんかはその典型ですよね。今、世の中には色んなダイエット法がありますが、サプリもそのひとつなんです」。
しかしAさん曰く、これがどうも通常のダイエット商品ではないらしい。「効き目はまったくと言っていいほどありません。かなりいい加減な商品な んです。科学的裏づけなんてもちろん行われていませんし…」。さらに続ける。「雑誌の広告などで『一か月で10kg減!』『30歳で身長が5cmも伸び た!』などと大々的に謳っていますが、あれはまったくのデタラメです。『アメリカで大人気!』や『セレブ御用達』などのキャッチも注意したほうがいいです よ。『●●研究所の●●博士』の類も同様です」。なお、Aさんが一番酷いと感じた商品は「包茎解消器具」。それを塗れば包茎が瞬時に治ると謳ってあったそ うだが、商品の中身は単なる“のり”だという。つまり皮をめくってそれを塗れば、のりだから当然くっつく。要はそれだけの話である。
<体験者レポートなどもすべてでっちあげ>
その会社で取り扱っている商品(サプリのほかに美肌クリームなど)は、専門知識など一切持ち合わせていない、まったくのド素人(当該企業の社 員)が考えた、“完全な”イカサマ商品なのだという。「すべては『売れそうだな』からスタートします」とAさん。いい案が思い浮かんだ社員は部署に関係な く企画書の提出を求められ、それが社内で認められると商品の制作が始まる。サプリの調合はさすがに専門業者に委託するが、それが本当にダイエットや伸長に 有効であるか否かは問われない。つまり効果がどうあれ、“売れれば”いいわけだ。
なお、自社製品のため値段も自由に設定でき、「極端な話、原価は数百円程度なのに定価を1万円に設定することもある。とにかく莫大な金が手に入 る仕組みです」。
ちなみにAさんは「制作部」と呼ばれる部署で広告のデザインを担当していた。「まったく効果がない商品でも派手な広告で信じ込ませるのです。そ れが我々に与えられた使命でした。記載したデータ類はすべて偽者ですし、体験者レポートにしても、本当の体験者ではありません。モデル事務所に依頼してモ デルを派遣してもらうのです。使用後と使用前のどちらかの写真をフォトショップで加工し、如何にも効果があったかのように見せます」。モデルには撮影の詳 細は話さず、さらに撮影について口外しないという誓約書にサインをさせるという。
なお、Aさんはデザイナーだったが、広告の文面を考えるライターもいる。「ひとつの商品に対しデザイナーとライターが1人ずつ。2人で1つの広 告を作っていきます。見開き(2ページ)1つ作るのに、大体一か月ぐらいでしょうか」。
<失敗すれば殴られる>
広告が完成したら最終チェック。このチェックは実質的オーナーであるS(既に逮捕)の仕事だ。「Sはとにかく酷い人間で、何か気に食わないこと があるとすぐに怒鳴りつけます。『死ね』『消えろ』なんて汚い言葉で罵られるのは日常茶飯事です。まるでヤクザですよ。殴られたり蹴られたりした人も大勢 います。パワハラを通り越して、もう犯罪レベルですね」。
しかし、それでも反抗する者はまずいなかったというから驚きだ。が、この“反抗できない環境”こそがブラック企業の共通項であり、そこには現代 社会の歪みが如実に現れていた。(第二回につづく)