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火山噴火も「想定の範囲内」――リスクマネジメントの本質とは
(Business Media 誠 - 05月03日 14:22)
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例えば、半導体向け感光性樹脂やPCの欧州向け輸出や、放射性医薬品原料、生花、緊急手配中のセンサー部品などの欧州からの輸入が滞り、半導体では現地での生産に影響が出かねない状況が懸念され、日産自動車は追浜工場と九州工場の計3ラインでの操業停止、以降の対応が未定であることを明らかにしました(出所:日本経済新聞Web刊2010年4月19日、2010年4月21日9面)。
「今回のような大規模な自然災害は想定外で、仕方のないこと」
果たして、そうでしょうか?
確かに火山噴火による火山灰の影響で、これだけ大規模に空港が閉鎖されるということをピンポイントで想定することは難しいかもしれません。ただ、ストライキやラインの事故、工場火災などで、調達品が届かないということはよくあります。
通常は安全在庫や代替物流手段により、供給停止リスクに備えるものですが、今回のケースのような保存がきかず空輸せざるを得ないものでは、そうした手段が取れません。それでも、まったく手がないかというと、代替ソースや製造拠点の分散などによる、複数の市場へのアクセスルートの確保といった方法が考えられます。日比谷花壇は欧州からのバラが届かなかったため、国産やケニア産に切り替えて対応しています。
こうして見ると、サプライヤにとっては今回の件は自然災害かもしれませんが、それに伴う供給停止で影響を受けた買い手企業の問題は、自然災害によるものか、サプライリスクのマネジメントができていないという自社の責任によるものか、判断が分かれるところです。競合他社がこの事態に対応できていれば、顧客から見れば、今回の件は「それは貴社の責任でしょう」ということになります。
こうした時には、顧客からは納期遅れのペナルティを課せられるものの、サプライヤに対しては通常の売買契約では自然災害を起因とする損害は免責となる条項が設けられていることが多いため、損害を転嫁できず、すべてを被らなければいけないという最悪の事態に陥ることにもなりかねません。
しかし、ほかに代替の調達ルートがないことをあらかじめ理解していれば、サプライヤのやむを得ない供給停止については、自社の責としないことを顧客と握っておくなどして、最悪の事態を回避することができます。
●「通常はあり得ないだろう」と思えるようなトラブルも想定
要は「通常はあり得ないだろう」と思えるようなトラブルを想定することです。簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、通常あり得ないようなトラブルは、自分にとっての損害も大きく、こうした自分にとって望ましくない事態は考えるだけでも恐ろしいので、人は生理的に「そうしたことは、自分には起こらない」と思考停止しがちです。ただし、それはあくまで願望であって、事実ではありません。「そうしたことは、自分には起こらない」というのは何の保証もないことです。
「担当者なら、何でそうした事態を想定しておかないんだ!」
経営者がこうした事態でよく逃げを打つ言葉です。確かに、担当者にはこうした事態を想定しておく責任はあります。しかし、担当者にそうした責任があることを理解させ、その責任を果たさせる責任が経営者にあります。つまり、担当者がやるべきことができなかった責任は、究極的には経営者にあるのです。
“究極的に”と言うと、難しいことを要求しているように感じるかもしれませんが、何のことはありません。「例えば、この部品のサプライヤのラインがストップしたら、ウチの会社はどうなるんだい?」となにげなく聞けば、自社のサプライリスクマネジメントがどのあたりにあるのか、すぐ把握できることです。この簡単なひと言すら発せられない経営者は、やはり経営者の責任を果たしていないと言えるでしょう。
あるカラオケチェーンの経営者は新型インフルエルザが取り沙汰された時、ある地域の店舗で感染者が出て、それらの店舗を長期開けられなくなる事態を想定して、数千万円を払ってそれに対応した保険に加入しました。
あらゆるリスクに対して保険に入ることは決して勧めませんし、その件に弊社が関わったわけではありませんので、この経営者の判断が正しいか否かは分かりません。ただ、ここでお伝えしたいのは、普通であれば、「新型インフルエンザ、怖いな、やだな。大変なことになったな」で終わってしまうところを、自分の仕事、オペレーションに最悪どのような影響が出るのか、手を打つべきか否かをすぐに考えるこの経営者のすごさであり、その姿勢です。この経営者のカラオケチェーンが、カラオケ市場の激しい競争、リーマンショック後の消費不振にも関わらず業績を伸ばしているのは、こうした姿勢と無関係ではないように思えます。
「想定外のトラブルを想定する」、それがリスクマネジメントの第一歩です。(中ノ森清訓)
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