うつ病や不安障害の症状は改善していて、日常生活には全く支障がなく、仕事にも復帰している、Tさんとの会話です。

 

「まだ睡眠障害があります、寝付いて3~4時間は眠れるんですが、その後ウツラウツラで眠れません(眠った気がしない)。寝床には(その後2~3時間)いるんですが・・・こういうのを早朝覚醒というんでしょうか・・・?」

<日中に眠くなって、仕事に支障が出ることがありますか?>

「昼ごはんの後、少し眠くなりますが、仕事中は眠くはなりません。」

<仕事の能率が落ちていますか?>

「それはないと思います。」

<ウツラウツラというけれど、夢は見てませんか?>

「よく見ていると思います。」

<それなら問題ありません。夢を見てるということは、眠っている証拠です。夢は眠っているときにしか見ることが出来ません。朝方の睡眠は、寝入りばなよりは浅くなっていて、夢の分量が増えるものなんです。そういう性質の睡眠なんです。>

「でも夜中に2~3回目が覚めることもあるんですよ?」

<目が覚めたあと、再入眠できますか?>

「よくわかりませんが、5分か10分で、また寝ついていると思います。」

<睡眠は一時的に浅くなる時間帯があるので、その時に物音がしたり、オシッコに行きたかったりしたら、目が覚めるものなんです。全く問題ありません。>

「そうかなあー?朝までグッスリ、といきたいんですけどねぇ」と不満そう。

<うつで具合悪かったときは、そんなんじゃなかったでしょ?>

「はあ、あの時は寝つきも悪かったし、いったん目が覚めたら、まんじりともできず、夢も全く見ませんでした」と。

 

 Tさんに限らず、「朝方、夢ばかり見て寝た気がしない」「夜中に2~3回目が覚めてしまう」といった不満を訴える患者さんがいます。何を隠そう、おじいちゃん先生も同じ不満を持っています。しかしながら、日常生活に支障をきたすことがなければ、それを睡眠障害と考える必要はありません。

 

「・・・でも私の友達は、バタンキューで、朝も目覚ましが鳴るまで寝ている、と言いますよ」と反論してくる患者さんもいますが、

<その友達は、ロング・スリーパー(長眠者)といって、長時間眠らないと脳の疲労が回復しない人であって、それはそれで大変なんです。あなたのように、睡眠時間が短くても済む人(短眠者)は、起きている時間が有効に使えるので得をしているんですよ。一日当たり2時間得すれば、7~8年は長生きしたことになりますよ>と切り返しますが、

「でもやっぱり僕は、グッスリ9時間は寝てみたいですよ。ハハハッ!」と、また切り返されることが多いので、

<まあ、その気持ちは、私もわかりますけど・・・>と、少し共感して、折れちゃいます。