猛暑が続きますね。昨年の今頃は、“熱中症恐怖に御用心?”という記事をアップしています。今回の記事は、熱中症対策についてではありません。

 

 うちの患者さんの中には、「梅雨が明けて猛暑が続くようになってから調子が良くなった」という方が結構います。例年、6月・7月の梅雨の季節になると、「ねむい、だるい、疲れやすい、フワフワする、頭痛がする、体のあちこちが痛む、気が沈む・・・」といった症状を訴える方が増えます。

 これらの訴えは、“気象病”といわれるものです。気圧や気温、湿度の急激な変化に体がついていけず、自律神経失調症(多くは、交感神経優位)の状態をきたすことなどからくるものです。

 もっとも、日頃は何も症状がないのに、この時期に限ってこのような症状が出てくる場合は、気象病だとわかるのですが、不安障害やうつ病の患者さんの場合、気象病なのか、不安抑うつ状態の悪化なのかがわからない場合があります。

 

Tさん(36歳) 診断名:反復性うつ病、恐怖症性不安障害

 3回目の職場復帰に成功して、何とか丸一年が経過しました。5月までは、週末にはジムに通い、持病の片頭痛の発作もほとんど見られなかった。クスリも順調に減らすことが出来ていたのですが、

 令和元年6月22日 「だいたいよかったけれど、今週の火曜日に、仕事中に急に吐き気がして早退した。片頭痛は出なかったけれど、家に帰ってからも吐いた。木曜日からは普通に出勤できました」と。

 令和元年7月20日 「けっこういろいろあった。体調がすぐれなくて3日間休んでいる。朝起きた時に片頭痛が1回あった。その後、風呂場と部屋でバタンと2回倒れた(立ち上がろうとした時に起きた、起立性低血圧)。内科に行ったら漢方薬が出た。なんで休んでいるんだ、と父親に責められた。体調が悪くて休んでいるのに、それがわかってもらえない」と。

 それに対して、<今の体調不良は、気象病によるもので、うつ状態が悪化したものではないと思うよ。梅雨が明けて、天気がスカッとしてくれば、体調は良くなるから、それを待ってればいいよ。ジムも、無理のないように続けた方がいい。お父さんには、期待しないこと。放っとけばいい>と伝えた。

 令和元年8月3日 「復活しました。仕事は(1日も)休むことなく、リズムもよく、ジムにも行ってます」と。<お父さんは何と言ってる?>と訊くと、「何も言ってません。ヤクザみたいな言い方する人は、放っておけばいいかな」と。

 

 不安障害やうつ病の患者さんは、現在の体調不良が、不安抑うつ状態の悪化なのか、単なる気象病なのかを、はっきりと自覚することが大切です。体調不良に悩んで、不安や抑うつ気分を自分から引き出さないようにしたいものです。気象病であれば、生活習慣を整え、十分に休養を取って、気象が安定するのを待つしかないんです

 それにしても、今年は梅雨が長かったですよね。うちのクリニックでも、気象病に悩まされた方が、例年に比べて多かったです。気象病対策については、ネットで検索すればいろいろ出てくるので、それらを参考にしてください。