ゆっくり味わいながら食事をとると、その満足感から(血糖値との関連もある)、食事摂取量が減少し、体重減少につながるということがわかっています。心療内科では、肥満治療にそのことが使われています。

 体重増加を気にしている、うち患者さんには、<痩せたければ、食事はゆっくりと味わって食べてください。“記憶での早食い”はやめましょうよ>と伝えます。すると、「記憶での早食い?なんですか?それは?」とくるので、以下の例え話をすることにしています。

 

 “ラーメン屋の例え”・・・これは、実際の実験にもとづいた話です。

 

有名ラーメン店から出てきた、何人かの常連のお客さんに聞きました。

<今日のラーメンの味はどうでしたか>

「いつもどおり美味しかったですよ」

<それでは、もう一度、今日のラーメンを味見していただけますか>

再度、同じラーメンを試食してもらうと、

「違いますね、この味は。このお店のものではありませんね」

<申し訳ありません。お店のご主人にお願いして、今日は、いつもとは違った味で作っていただいたんです。さっき食べた時、お気づきになりませんでしたか?>

「えっ、そうなんですか?」

 

 同じラーメン屋さんに何度も通っている人は、<食べている瞬間の、“今ここ”のラーメンの味を本当に味わっているのではなく、かつて美味しいと感じた、味の記憶で食べているんですよ>と。

 

 せっかく丹精込めて作ったラーメンなんですから、じっくり味わって食べたいですね。ラーメン屋さんで、スマホ見ながら食べているお客さんを見ると、<なんだ、こいつ!>と、かつては怒りがこみ上げてました。でも最近は、<この人、記憶を食べているんだろうな、もったいない>と、ラベリングするので、怒りは感じません。これも、ヴィパッサナー瞑想(手動瞑想)のおかげかもしれません。

 

 

蛇足:かつて、うちのカミさんにこの話をしたところ、「あんた、私の料理はちゃんと味わっているの?」と言われて、<今後は、努力いたします>と答えました。最近では、食べ始めの3分間は、食べる瞑想をしながら食べています。繁盛しているラーメン屋さんでそれをやると、他のお客さんの迷惑になるだろうし、麵がのびてしまうので(私の煩悩だと認めています)、程よいスピードで、味わって食べています。

 ちなみに、おじいちゃん先生は、身長に対する標準体重を○○年以上維持しているので、患者さんには、偉そうに話しすることが出来るんです。