テニスの全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)、男子シングルス準々決勝、錦織圭はN・ジョコビッチ(セルビア)と対戦したが1-6, 1-4の時点で途中棄権し敗退。試合後の会見では「サーブを打っている時に強い痛みを右太ももに感じた。曲げると痛かった。ほとんどの動きが痛みに変わってしまった。そこから動けなくなってしまった」と語った。

 

 1月15日のK・マイクシャク(ポーランド)との1回戦、I・カルロビッチ(クロアチア)との2回戦、J・ソウサ(ポルトガル)との3回戦、カレノ・ブスタ(スペイン)との4回戦、そして今日(23日)の準々決勝まで、錦織圭の試合の全球をチェックするには相当の時間を要するため(録画を早回しで見たとしても)、寝不足が続いていました。今日からは、その寝不足も解消されそうです。

 

 さて、錦織圭の試合を見ていていつも思うことは、私が日本人であるからとはいえ、これだけハラハラ・ドキドキする試合を見せてくれる選手は、他にはいないということです。うちの患者さんのHさん曰く、「あの試合(カルロビッチ戦)を見ていて具合悪くなって、頓服を飲んじゃいました」と。私自身も胃が痛くて、抗不安薬(メイラックスあたり)を飲んで観戦したいくらいの試合でした。

 錦織圭は、ファイナルセット、タイブレイク、ブレイクポイントなど、ストレスのかかった状況でピンチを脱出する指数(崖っぷちををしのぐ指数)が、ATP全選手の中でナンバーワンだそうです。それを聞いて、<やっぱりそうなんだ>と、ひとしきり感心しました。ピンチにおける戦術眼、状況判断力、集中力がすごいんだと思います。それに対して、錦織圭は、崖っぷちを招く指数も(そんな指数は存在しないけれど)高いのではないかと思います。長年、錦織圭の試合を見ていて思うのは、このポイントを取れば簡単にそのゲームをとれる(崖っぷちを迎えなくて済む)という場面において、集中を切らして何気なくミスをしてしまうことが(このレベルの選手にしては)やや多いのではないでしょうか。おじいちゃん先生にはそれが不満です。この指数(崖っぷちを迎えなくて済む)を低くしてくれれば、うちの患者さんも頓服薬を飲まなくて済みます。彼の師匠のM・チャンやR・ナダルには、まったく見られないものだから、ぜひ見習ってほしいものです。

 

 ところで、今年の全豪オープンと前哨戦のブリスベン国際(見事優勝!)を観戦していて気づいたことは、昨年からのサービス改良の成果がはっきりと見え始めていることです。スライス・スピンのかかったファースト・サービスの確率(コースも良くなった)が上がったことで、サービスキープすることが容易になっています(省エネにもなってる)。このサービスの進化がなかったら、度重なる窮地を脱出することができず、ブリスベン国際の優勝も、全豪オープン準々決勝進出もなかったのではないかと思います。今回は無念のリタイヤとなりましたが、今後の活躍を大いに期待したいものですね。