患者さんの話を聴いていて、思わず膝を叩きたくなることがある。今日の診察の中で、K子さんが、最近読んだ本の感想を聞かせてくれた(その本の著者は精神科医であり、一般向けの本をたくさん書いている)。K子さん曰く、「あの人の話は、自分のことを自慢しているだけだ。あまりにたくさん書いてばかりいるから、書くことがなくて、自分のことばかり書いている。・・・何でもかんでも、親子関係の話に持っていってる。私は母に腹を立てるけど、母のせいでこの病気になったとは思わない。2冊読んだら、もう嫌気がさしてきちゃって、読むのをやめた・・・」と。まさに我が意を得たり(私もその著者が大嫌い)。しかし、自分も精神科医として、このように言われることがないよう気をつけなくてはいけない。今日は、どっちが精神療法をしているのかわからないことになった。“肝に銘ずべし”。

                            平成15年○月○日の私の日記より

 

 K子さんは、通院歴21年、診断名は統合失調症。現在も2週に一回、定期的に通院している。15年前に彼女がこんなことを言ったとは、まったく記憶に残っていなかった。たまたま今日、その頃の自分の行動で調べたいことがあり、日記をめくっていたら、その言葉に出会った。そして、「あの人の話は、自分のことを・・・」と言われるような内容のブログ記事を書かないように気をつけなくっちゃ、と再び“肝に銘ずる”ことになった。