手動瞑想に自分から積極的に取り組む(習慣化する)ようになる条件は
① 自分の苦しみを何とかしたいと思っている
② 自分が変わらなければと少しでも思っている
③ 医師との信頼関係が厚い
④ 通院間隔が短い(1週間~2週間)
⑤ 仏教に興味がある
⑥ クスリを減らしたいと思っている
⑦ 好奇心が強い
⑧ 理解力がある
⑨ 素直な性格
⑩ 頭が柔らかい
⑪ やってみて、何らかの効果を実感できた
⑫ 日常生活の中で時間に余裕がある
これらの条件をいくつも満たしている人は、放っておいてもどんどん先に進んで行って、それなりの成果を上げている。こちらとしては、技法的に間違っていないか、過集中になっていないか、日常生活の質の向上に役立っているか、依存に陥っていないか、などを注意して見守っていればよい。”気づき”があったときはそれを指摘することも大切である。それによって動機づけがさらに上がる(”気づき”に気づかない人も多い)。
一方、なかなかやる気にならない人、やり始めても習慣化しない人は、①~⑫の対極にある人達である。そういう人たちの突破口になる有力な方法が、指先瞑想である。指先瞑想のメリットをいくつか挙げてみると、
① 手順が簡単で、覚えやすい
高齢者には(人にもよるが)もってこいの方法
② いつでもどこでも、周りに気づかれないで実践できる
電車の中、会議中、会話しながら、寝床の中、信号待ち、テレビを見ながら・・・
③ 指先瞑想をやっている時に効果が実感でき、急場にも使える
ただし、短期間の指先瞑想の実践で得られる効果は、ヴィパッサナー瞑想が目標とする“気づき”ではない。従来型の認知行動療法における“気そらし法”の効果によるものである。あるいは、メタ認知療法における、注意集中、注意転換、注意分割のトレニンーグに通ずるものかもしれない。しかしながら、いろいろな場面で指先瞑想を使ってもらって、緊張や不安が軽減することを体験することで、動機づけが大いに上がり習慣化する。
指先瞑想を導入する際には、ただ指を動かすのではなく、片方の親指先の位置確認をゆっくりと確実にやってもらう。(指の運動に注意を向けるのではなく)そこから、手動瞑想に発展するなり、指先瞑想それ自体の中で“気づき”を体験する人も出てくるのではないかと期待している。もっとも、指先瞑想自体がヴィパッサナー瞑想なのだから、言わずもがなことである。手動瞑想の効果を実感するには、ある程度の時間がかかる。習慣化して瞑想貯金を増やしていくためにも、指先瞑想を手動瞑想とセットで実践していくことは、とても有力な方法ではないかと思う。
補足:指先瞑想をやってもらうと、片方の親指だけでなく、両方の親指を同時に動かす人がけっこういる。<それだと、位置確認がちゃんとできないので、両手を使ってやるなら右と左とを交互に動かし、位置確認してくださいね>と伝える。また、動きが速すぎて、位置確認できていない人が、手動瞑想以上に多いので注意が必要である。