私が現在行っている、パニック障害の初期治療を紹介します。今回は初診日を中心に説明します。

 

 まずは、発作が起きるまでの生活状況、発作が起きた時の状況、発作が起きてから今日にいたるまでの状況を詳しく聴取します。次に、パニック障害がどんな病気かを、生物学的な原因を中心に説明します。患者さんの多くは、発作は全て心理的原因で起きたと考えているので<本当の原因はよくわかっていません。きっかけとしては、睡眠不足、過労、心配事が重なった、風邪をひいていた、コーヒーを飲みすぎた、何も思い当たることがない、など色々ですから、あまり考えすぎてもよくありません。現在の悪い状況が改善しないと、パニック障害が治らないと考えるのも、間違っています。・・・>と補足します。

 

 初診の時に処方することが最も多いパターンは

 

       ジェイゾロフト(25)1錠

       メイラックス  (2) 1錠

       夕食後、1回

 

<ジェイゾロフトは、パニック発作の震源地と言われている、脳の扁桃体に作用して、発作を起こりにくくしてくれるクスリです。効いてくるのに1~2週間くらいかかります。メイラックスは、「発作がまた起きるんじゃないか、発作が起こったらどうしよう」といった予期不安をおさえてくれます。1回飲んだだけで、丸1日以上は効いています。何しろ半減期(体から半分出ていく)が100時間ですから、次の日でも70~80%は体に残っているので安心です。今日帰ったら、すぐに服用していただければ、1時間もすれば相当楽になるとおもいます。「ジェイゾロフトが効いてくるまでの1~2週間は心配だ」と思うかもしれませんが、メイラックスを飲んでいれば、まず発作は起こらないとおもいます。1~2週間してジェイゾロフトが効いてくるころから、メイラックスをゆっくりと適量まで減らしていきます。今日から2~3日は、不安が治まらないと感じたならば、ソラナックス(0.4) 1錠を追加して、頓服として飲んでもかまいません。逆に、メイラックスが効きすぎて、昼間も眠い場合は、メイラックスを半分に割って服用してください。眠いというのは、不安がなくなった、ということで、悪いことではありません。「不安で眠い」という人は聞いたことがないでしょう>と薬の説明をして、初回の診療を終えます。うつ状態が強い場合は、仕事を休んで、自宅で休養することをお勧めします。不安状態というのは、エネルギーをものすごく消費していて、うつ状態(うつ病ではない)を合併していることがほとんどです。

                  以上が、“パニック障害の治療”第一日目の内容です。